f(x)=e^(-1/x)がC^∞級であることの証明
問題
実数$${x}$$についての関数
$$
f(x)=
\begin{cases}
e^{-\frac1x} & (x>0)\\
0 & (x\leq0)
\end{cases}
$$
が$${C^\infty}$$級であることを証明せよ。
証明
変数tの定義
変数 $${t}$$ を
$$
t=\frac1x
$$
と定義する。このとき、
$$
\frac{d}{dx}=\frac{dt}{dx}\frac{d}{dt}=-\frac1{x^2}\frac{d}{dt}=-t^2\frac{d}{dt}
$$
である。
関数のn階微分
$${P_{2n}(t)}$$ を $${t}$$ の $${2n}$$ 次式として
$$
\frac{d^n}{dx^n}f(x)=P_{2n}(t)e^{-t}
$$
となることを示しておく。 $${n=0}$$ においては自明。
$${n=k}$$ において
$$
\frac{d^k}{dx^k}f(x)=P_{2k}(t)e^{-t}
$$
が成り立つならば、 $${n=k+1}$$ では
$$
\frac{d^{k+1}}{dx^{k+1}}f(x)=-t^2\frac{d}{dt}P_{2k}(t)e^{-t}=-t^2\{P'_{2k-1}(t)-P_{2k}(t)\}e^{-t}=P_{2(k+1)}(t)e^{-t}
$$
と成り立つから、すべての非負整数 $${n}$$ について示された。
n次導関数の微分可能性
$${f(x)}$$ は $${x\neq0}$$ で明らかに微分可能であるから、$${\frac{d^n}{dx^n}f(x)}$$ が $${x=0}$$ で微分可能である、つまり
$$
\lim_{h\to+0}\frac{f^{(n)}(h)-f^{(n)}(0)}{h}=\lim_{h\to+0}\frac{f^{(n)}(h)}{h}=0
$$
となることを示す。
上で示した通り、$${\frac{d}{dx^n}f(x)}$$は
$$
\frac{d^n}{dx^n}f(x)=\frac{P_{2n}(t)}{e^t}
$$
と表されるから、 $${h\to+0}$$ のとき $${t\to+\infty}$$ であり、
$$
\lim_{h\to+0}\frac{f^{(n)}(h)}{h}=\lim_{t\to+\infty}\frac{tP_{2n}(t)}{e^t}=0
$$
となる。
以上より、$${f(x)}$$ は $${n}$$ 階微分可能であるから、 $${f(x)}$$ は $${C^\infty}$$ 級である。
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