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2月に白いケーキたち

~前書き~

ケーキの備忘録をTwitter用に書いていたらどうしてもお気持ち表明を避けて通れない事態になってしまったのでこちらに移動してきた。選り好み傾向が強く、食経験に乏しい人間が必死で客観分析しながら文章を錬成した結果の食レポたちですら個人的なアウトプットであると承知しているけれど、以下ケーキとは全く関係ない完全なる私にまつわるTMIになるのでわざわざ読んでくれる人はそのように思って下さい。

ケーキの食レポはこちら↓


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◆12月
夜の繁華街やホームアローンの色
紺、深い赤、ビリジアンの中に、ゴールドの光がアクセントとなっているイメージ

◆1月
新年の関東平野、地元田園風景のイメージ
柔らかな肌色の光と快晴の薄く淡い水色がグラデーションになる空 乾いたアスファルトのグレーと土の茶色 道端の枯れ草の色

◆2月
冬も深まり関東では雪もちらつく季節
堪え忍ぶような、静かで張りつめている空気
全体的に薄いグレーと白、冬にも葉を落とさないサザンカや生け垣の緑、そして春を期待させるブルーがたまに顔を出すイメージ


6、7歳の頃片思いしてた男子の誕生日が2月だった。その後すぐ別の男子を好きになり(小学生あるある?)特に親しくなることもなく月日は流れ、ある年の1月末、同級生からその子の訃報がEメールの一斉送信で届いた。当時私には話しかけられるような友人は一人もおらず、無知ゆえにご焼香を無作法に済ませてしまったことと、お墓の場所を誰にも訊けなかったこと、この2つがずっと胸の奥で燻っている。20歳になれなかったその子のことを、ずっと覚えている。

2月1日はNCTドヨンの誕生日
2月4日はその子の誕生日
2月10日は友達のユニさんの誕生日
2月11日は建国記念日
2月16日はFishmans佐藤伸治の誕生日
2月18日はSEVENTEENドギョム、バーノンの誕生日

2月はなんとなく心が鎮まるというか、寒くて寂しくて、神聖な気持ちになりたい。穢れた己を赦し誰かを祝ったり、祈ったりしたい。そう思わされるような月。


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私はお菓子作りがあまり得意ではないけれど、ある日ドヨンが白く整えられた部屋でローズマリーに水をやったりベッドで眠気と戦ったりしているのを動画で見ていたら、次のドヨンの誕生日には白いカラーの花とレアチーズケーキを用意しようと思いついた。
白いカラー(という花)は、雑誌Viviのスタッフがドヨンのイメージフラワーとして選んでいたものだ。太くてしなやかでスッと伸びた長い茎と、すぼみ気味に、ラッパ状に巻かれたシンプルな花弁の先は、シャープだけど、上品にカーブしている。ドヨンにぴったりの花。
そしてレアチーズケーキ。私はたっぷりクリームのスイーツというのが少し苦手なのだけど、その点チーズケーキは甘すぎない所も好きだし、レアチーズにおいては白くてエッジがきいているシンプルな形も好き。2月生まれのドヨンにぴったりだと思った。(ちなみにドヨンは誕生日当日マスカットのシンプルなショートケーキを食べていて、誰のチョイスなのかは分からないがばっちりイメージ通り!という感じだった)

その頃からか、漠然と2月に白いケーキを集めて食べたいと思うようになった。



西調布ぱてぃすりーどあん のシャルロット

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淡白で味気ないと感じる人もいると思うし、溜め息や声が出るような感動、高尚さや美しさ、きらびやかさがある一品ではないけれど、個人的にはシンプルなものたちが掛け合わさった素朴なおいしさと、こういうお菓子が主流だった時代を体験できた感がある。そして、なぜか身の丈に合った物を食べたという感覚にも包まれていて、私はこういう時嬉しいと思うんだ、と他人事のように思った。

最近パフェも面白いなと思っていて、胃が弱いのと、果物が好きなことを考慮しながらいろいろ食べに出向いては食経験ゲージを溜めている。とはいえ実は、食事があまり得意でない私が初めて未知なる体験をしたと自覚したのがとある“白い”パフェとの出会いだった。というか、それ以前にも絶対しているはずなのに記録していないせいで忘却され、無かったことと等しくなっている。

余談だが、私がこの世で恐れているもののひとつが、この自分が忘れる(忘れられることはこれに含まない。)ということで、確実に在ったものがはじめから無かったことのように思い出せない自分を本当に苛立たしく思うし、悲しい。私の預かり知らない所だとしてもこの世の全てを“ある”とした時に、私が覚えていない、見ていない、体感できなかったもの(アイドル…?)が“無い”にはならないはずだし、してはならないとも思う。でも自分の中には無い。コギトエルゴスムとは…?はにゃ??(感情と記憶は結びつくって先生が言ってました。私は冷徹思考停止人間なのでしょうか?)

☺️

ともかく、食べたものを自分なりに解釈したいと思い、初めて文字(と写真)で記録したのがそのパフェだった。色を白に絞れば他の要素に感覚を研ぎ澄ますことができるのか、という私の中でとびきりの発見でもあった。2月にある個人的な白のイメージ、そこに花だけでなく食べ物を結びつけたのは、無意識的にこの経験に導かれていたのかもしれない。

この2月は様々なケーキの食べ比べをしてみたが、それぞれ当たり前に味も見た目も違ってとても楽しかった。“あん”のシャルロットとの出会いは、私の趣向&嗜好探索におけるひとつの指標にもなったと思う。

赤坂  しろたえ
三茶  cafe The SUN LIVES HERE
幡ヶ谷 Equal
中目黒 ヨハン

レアチーズケーキだけでも行きたい店がまだまだたくさんある。
あとは、苺以外のショートケーキって昔からこんなに出回ってたか?というぐらい季節毎に様々なフルーツのショートケーキも現れるので、暖かくなったらそれらも開拓してみたい。今狙っているのは初夏、メロンのショートケーキ(また白×緑だよ)(あとメロンの美しいパフェを食べたことがあって…)、それからイチジクのショートケーキ(ロイヤル感~)。

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