【気象予報士試験】実技試験解説記事:第59回実技Ⅰ
気象予報士試験の実技試験の解説記事です。
本記事は第59回実技Ⅰのものとなります。
実際の天気図に書き込みした画像を使ってわかりやすくまとめているので参考にしてください。
難易度
並
総評
第59回実技Ⅰは、春の温帯低気圧と上空の寒冷低気圧がテーマとなっています。
問題自体の難易度・作業量等も平均的だったことに加え、難しめの記述問題には誘導や書き出しの補助などを添えてくれており、しっかり考察すれば解答を導けるものも多く難易度がうまく調整されていた印象です。
またキキクルなどが出題されましたが、新傾向や不意をついてきたとまでは言えないので並としています。
この問題の復習の仕方
温帯低気圧・寒冷低気圧の基礎を振り返りたい受験生は復習に活用しましょう。
難易度も程よいので、受験直前期の肩慣らしや最後の調整にも使用できそうです。
この問題の目標点
第59回の実技の合格基準点は65%以上合格でした。
難易度は平均的ですし、毎回必ずといっていいほど出題される温帯低気圧の事例なので初見でも最低限7割以上をとれるようにしたいです、欲を言えば実技Ⅱをおちついて受験するためにも75点~80点は取って点数の貯金を目指したい問題でした。
問1
では問1から見ていきましょう、まず問1に共通の問題文を載せておきます。
小問毎の問題文は更に細かく分けて載せていきます。
(1)
(1)の問題文は以下です。よくみかける気象概況の穴埋め問題です。回答の方法に指定があるところは、見落とさないようにしましょう。
以下画像でどこを見るべきかまとめています。
問題文の穴埋めのところに色分けして下線を引き、その下線と同じ色を使ってその穴に対応しているポイントを結び付けています。
また、直接解答には関係ない所も、類似問題で出題の可能性が高そうなところや各擾乱の位置などは同色の破線などでマーキングして紐づけています。
このあたりは知識問題のため、細かい解説は入れておりません。
穴埋め自体の問題数が多いので、前半と後半の2つに分けています。まず前半の穴埋めからです。
三陸沖の高気圧に関しては、天気図中の該当のHを黒枠で囲っています。
④と⑤は知識問題ですね、瞬発的に数値がでるようにきちんと暗記しておきましょう。
【以上・未満】もきちんと覚えましょうね。
次は後半です。
⑦は衛星画像中の該当の領域を赤くなぞって買っています。
赤外画像で明白色=【雲頂が高いor輝度温度が低い】となります、どちらで問われても正確に回答できるようにしましょう。
⑧は赤外画像で明白色の領域がかかっていることと、福岡の実況に記載されている雲記号・雲量を読み解いて、枠内から正しい選択肢を導きましょう。
⑧を解くとついでに⑨も解けるようになっています。
まず、赤外画像では明白色~明灰色が中心となっているため【下層雲は分からないが、少なくとも中・上層雲は存在する】という事実が分かります。
そこに加えて福岡の実況を見ると8分雲量が7なのに対し、下層雲は1しか存在していないことから、全天のほとんどを中・上層雲が覆っている、という状況が導けます。
重複しますが、⑨は福岡の実況をみれば【下層雲】の雲量が8分雲量で1であることが分かります。
⑩は低温域である水色領域と、相対的に高温となっているオレンジ領域を見比べてみてもらうと【気温が低い】ことが分かります。
⑪は【切離低気圧】が【寒気】を伴っているので【寒冷低気圧】だと言えます。模範解答は切離低気圧や寒冷渦でもOKとしているようですが、今回のケースでは寒冷低気圧と答えられるようにしたいですね。
基本的に
・【切離低気圧】+【寒気】→【寒冷低気圧】
・【切離低気圧】のみ→【切離低気圧】
・【低圧部(等圧線が閉じていない)】+【寒気】→【寒冷渦】
という認識でOKです。
【寒冷渦】は【水蒸気画像】で【低気圧性循環をもつ明域】から回答するケースも多いですね。ということで模範解答です。
(1)模範解答
(2)
次に(2)です。低気圧発生の予兆に関する問題です。
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