ふりかえり5

「戻らなきゃいけない」と思っていた「学校」という枠。
別の選択肢がある事に気付かせてくれた祖母のおかげで私は動き出した。

中学で職場見学をした時にやった「電話のかけ方」が役立った。
○○の件でお電話しました、○○と申します、担当の方は…とか。

求人を見て電話をかけて、面接に行って…バイトを始めた。
一気にやる気が出た!教わった事がすぐに役立つ。役割がある。目標とする人がいる。そんな環境がとても魅力的だった。
がんばれば評価してもらえて、ステップアップしていけるのが楽しくて、充実した時間を過ごせるようになった。
ここに居る方がずっといい!!決意が固まり、高校を辞めた。
まわりは年上の人ばかりになったけど、それよりも充実感が大きかった。

土日も、遊ぶよりバイトを優先するようになっていき、同年代との関わりが少なくなった。その当時は、簡単に休んではいけないような気がしてバイトを入れていたけど、自分が心地よい方を選んでいたと考えてもいいかもしれない。バイトは断る理由としてぴったりだった。
いろんな世代の人と一緒に働き、学びも多く、さらにお給料もいただける。
得るものが大きい。
言葉遣い、電話の受け方、お客様への接し方、見ていると勉強になる事の連続。
仕事に対する姿勢は、ここで全て教わった。最初の仕事を、恵まれた環境で体験できたのは本当に良かったと今でも思っている。

お給料を使うにあたって、お金の管理もするようになった。
それまでの「もらったお金」も大事ではあったけど、どうしたら多く残せるか、何に使うなら納得がいくか、と考えるようにもなった。
働く経験をした事で、父に対して申し訳ない気持ちも出てきた。
行く気がない、行きたくないと言っても説得され受験するんだろうと考えて黙っていた。それが普通の道だと理解していた。
学校を辞めると言い出した娘に、きっと驚いたであろう両親。穏やかな父は私の選択を否定する事なく話を受け入れてくれて「働くなら、きちんと教育してくれる所」とひとつだけアドバイスをくれた。母は「せめて高校は…でも強要は出来ないから」という感じだった。

子どもなりに申し訳ない気持ちはあった。
高校に行きたくないと思っている事をもっと早く言っていれば入学せず、お金も掛からず済んだのかもしれない。

だけど高校辞めなきゃよかったと思った事はない。やっぱり私は周りの子と違う…。でも中学生の時のようなネガティブな意味ではなく、当時の自分の選択と環境に満足しての気持ち。

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