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注意制御機能(Attention control function:略してACF)を鍛えて、コンプレックスを解消する。

パラパラ漫画と現実宇宙

宇宙物理学などの科学の世界では、「時間は存在しない」ということは、もはや常識となっているかと思います。

時間が流れるように感じているのは、私たちの脳が「体感する」機能の一つです。

ちょうど、パラパラ漫画の例のように、一つ一つの原画は異なるけれども、連続して提示すると、その絵は生きて動いているように見えます。

パラパラ漫画は2次元の平面世界ですが、これを3次元の立体世界でも同じことが言えます。3次元の立体世界が、連続して提示されているものを、脳が補正してあたかも一つの実態が動いているかのように「錯覚」するのです。

そして、時間が過ぎているように体感します。

脳は、このように欠けている部分を勝手に補正して、一つの全体の意味のまとまりとして認識します。

これをゲシュタルト機能と呼びます。

認識する種類によって異なる生体反応

人間は、脳が殆どの器官を司っています。脳は、すべての機関の司令塔でもあります。

そして脳が注意を向けた方向に生体反応が生起します。

例えば、

イメージA:梅干を口の中に入れて、食べる。

イメージB:夜一人で歩いていると、得体のしれない男が近づいて走ってくる。

イメージC:好きな人からプレゼントをもらう。

Aは、口の中に唾液が。Bは、心拍数が上がり不安と恐怖感そして、胃が収縮します。Cは、嬉しい感情で瞳孔が開き、血流が上がる・・・

など、認識したイメージによって、起こる生体反応が異なってきます。

それは努力や意志の力ではなく、自動的な生理機能です。

ここで重要なことは、感情や気分、それに続く生理的反応は、

脳がどのイメージに認識を当てたかによって生じる結果だということになります。

つまり感情や、生理反応は結果だということになります。

では感情と生理反応の原因は何か!?というと、脳の認識機能がどこに焦点を当てているのかという、脳科学用語で、注意制御機能(Attention control function:略してACF)ということになります。

脳が何に対して注意を向けているかで、生起する感情と生理現象が異なるということです。

ACFがネガティブなものに向きすぎると・・・

よく自分自身の能力や容姿、性格や経歴などに必要以上にコンプレックスを感じ、苦しんでいる人がいます。

自己嫌悪という感情や、それに伴う抑うつ感、やる気が出ないという生理現象・・・

この状況は、自分の出来ないところや欠点について、ACF機能が強く注意を向けている結果ということになります。

自分の欠点や、ダメなところばかりに注意が向くと、自動的に感情反応として気分が落ち込み、抑うつ的になる。そしてそれに連動して、前頭前野が機能しなくなり、脳波、ホルモン、心拍数、血圧、筋肉反応連動してネガティブな数値を示していきます。

それが長く続きすぎると、巷で言われる様々な神経症などの「病」の状況になってしまいます。

コンプレックスが強いということや、ネガティブ思考だ、ということは一般的にはあまりよくないことと認識されています。

そしてその原因は、一般社会ではまだまだ「その人個人」の責任に還元されている傾向が強いです。

このように考えると、実際はその個人の責任ではなく、単なる生理反応です。

暑い夏の季節に、汗をたくさん書く人と、あまり汗をかかない人がいるが、そこに優劣はありません。

それは単なる生理現象の違いです。

汗という自立神経に近い状況をコントロールするのは至難な業ですが、

考え方や、劣等感であれば、それよりも改善はより容易でもあるかもしれません。

ACFを鍛えて、コンプレックスを解消する方法

コンプレックスに注意が向きすぎているのは、ACF機能が、自分のネガティブな自己イメージに集中しているということです。

ちょうどそのように認識の癖がついてるということになります。

普段の生活で利き腕ばかり使うと、利き腕ばかりが発達してしまいます。これと同じような形で、ネガティブな思考回路ばかりを用いているので、どうしてもその思考回路で人生を整理し、計算する癖が出来ているのです。

つまり、対応としては、違う思考回路を十分に使い、発達させることで、これまで用い、使っていたネガティブな思考回路が殆ど機能しないような状況を作り出すのです。

新しい習慣や癖を身に着けるイメージです。

新しいAFC回路を強化する訓練

まず、Aの紙に、自分一人でも、他人の協力を仰いでも良いですが、自分自身の長所を列挙して書き出します。

そして、Bの紙に(最初はあまり強めでない程度がいいと思いますが…)自分の短所も同じように列挙します。

A,B両方の紙を目の前に並べ、数分間Aの自分のポジティブな特徴が書かれている紙を凝視します。

そうすることで、自分の否定的な思考の反芻や、コンプレックスの緩和に繋がっていきます。

目の前に長所を書いてあるAの用紙、短所を書いてあるBの用紙を同時に提示していることが要です。

日常生活では、自分のネガティブさも良く生起されますが、必ず長所も隠れているものです。

しかし、癖で自分の長所が機能的に見えていない状況が問題なのです。この訓練を行うことで、自身の長所に注意が向く機能回路が育っていくことを狙っています。

そして、日常生活でも、自分の思考を観察し、無駄に自分のネガティブな思考が浮かび上がり、反芻を始めたら、その時行っている作業を辞めて、ニュートラルに切り替えることが出来る確率が上がるでしょう。

そうなると、自分に対しての評価が肯定的になり、より自分の人生が楽に進んでいくことに気がつく時があると思います。

注意としては、この訓練を数分間数日やったからと言って、劇的に効果が期待できるわけではないということです。

数か月、半年行うことでじっくりゆっくり結果が出てきます。

腕立て伏せを数日訓練しただけでは、筋肉粒々にはならないのと同じで、徐々にゆっくり期待をせずに取り組むことが大切です。

そのために、この練習を行うこと自体に苦痛を感じたり、努力を感じすぎないようにすることが続けるコツです。

脳の構成成分は脂肪が中心ですが、筋肉と同じように、使って鍛えれば鍛えるほど、筋肉と同じように機能が上がり、育っていきます。

ACF機能の理解と訓練についてのより詳しい理解と情報は、吉濱ツトムさん著「ブレインマネジメント」「アセンションパラレル」を参考にしてみてください。










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