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日記 #満足した日


 遊びに行った帰りの電車で、珍しく気が楽だった。いつもだったら遊び疲れて、気を使い疲れて、死んだように自分の心を癒やすように電車に揺られている。
 それでも今日電車の中で、今日一日満足した一日だったなと思えて、明日からのことを前向きに考えられたのは。


遊びにいったのが親友とだったから

 お互いの話に100%共感できなくても気まずくならない。ブラックな一面が見えても驚かない。どんな失敗をしても結局笑いに変わっていて引きずらない。落ち込んだときも無理に明るくなる必要はなくて、待っていられる、そんな存在。お互いの大事にしたいことを大事にしあえて、善悪の判断が近い。
 この二人の関係性を、親友も私も好んでいるという状況が心地よい。気を使わなくてもいいし、自分の悩みを悩みきれるし、楽しいことを共有できる。

 辛いことを無理に申告しなくてもいいし、隣にいる人と同じ気持ちでいなくてもいい。好きだと思った時はこれが好きなんだと伝えておく。何かを求めているわけではないけれど、あなたに知っておいてほしくて伝えておく。

 一緒にツリーを見上げる横顔が美しくて、「楽しい!」という気持ちが全面にあふれ出ている笑顔が可愛くて、こんな子が私の隣にいていいのか、これが現実なのかと不安になる。わざわざ二人でツーショは撮らないし撮影会もしないから、写真は風景と隠し撮りだけ。
 あなたの撮った隠し撮りの私が、いつもより可愛く見えるのは、私があなたからの愛を感じ取れている証拠だね。ちなみに、私が撮った写真には、世界で一番可愛い子が写っているよ。

 夜景の見えるスポットへ行き、人のいない夜景のない方を向いて通路を見つめる二人。深刻な話をしていると思いきや、キャッチ・アンド・リリースの残酷さについて想像して怯えていた。一応深刻ではあるような。でもこんな話してるなんて誰も想像できないよな、五分前の自分たちでさえわからないよなと思う。そんな突発的な、明日には忘れているような話が青春というのだと思いたいから、思っておく。
 ちゃんと夜景も見ました。


シンガーズハイを聴いていたから

 最近毎日聴いている気がする。シャッフルして自動再生しているけれど、「フリーター」「パンザマスト」がお気に入り。
 好きな音楽に理由はいらない派だけれど、歌詞は悲観的でも結局アツいところが好き。どんなに人生を嘆いても、他人に不満を持っていようとも、絶望はしていないと思う。語彙力や、それを語るだけの知識もないから具体的なことは何も言えないのだけれど、演奏から熱を感じて楽しい。あとなんかおしゃれ。

 シンガーズハイの曲は救ってくれるわけでも、そばにいてくれるわけでもなくて、少し前にいる感じ。等身大ではないし、歌詞とか大人だなと思う。歌詞の意味を理解できるようになれるのか、一生なれない気もするけれど、いつかあの歌詞を解釈できるようになれたら、大人になれたことなのかもしれないと思う。この「なんかおしゃれ」な人工物を愛していたいと思う。
 こんな大人になりたいとかの憧れではなくて、シンガーズハイを作っている人たちの見る世界に興味があるだけ。多分ただの好奇心だからきっとそのうち忘れているけれど、今は好き。

 シンガーズハイを聴いて前を向けてしまうのは、私もアツくなりたいからなのかなと思う。

 あと多分、光の宿っていない黒い目をした人が目を見開いているのが好き。



 電車に乗りながら、親友の優しさを噛み締めて一人感謝をする。
 今日は一緒にいてくれてありがとう。いつも変わらず大事にしてくれてありがとう。私との未来を想像してくれてありがとう。

 電車に乗りながら、シンガーズハイを聴いてこれからのことを考える。
 今日は期末試験最終日だった。親友とクリスマスマーケットに行った。もうすぐ冬休み。これからどうしようか。勉強頑張るか。冬期講習のあと毎日自習するか。休みの日は図書館にでも行くか。数Ⅱは共通テストまでに終わらせたいな。英語もやらなきゃ。頑張れるかな。多分大丈夫。


 私は今のところ人に恵まれている。一緒に頑張ってくれる仲間も、それを応援してくれる大人たちも、全員大切な人たちだと思える。

満足。

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