屁こき音楽隊第3話

シェル:優雅な森の風景、自然と調和しし、優しく包み込んでくれる心地よい音色。それは空気を繊細に揺すぶる職人の局地、近代楽器の奇跡。そう。バイオリンだ。その楽器に魅了された人類はなん百年経ったいまでもバイオリンを愛し続けている。そしていま鳴り響いてくる音もそうだ。この音楽を失った街に希望を与えてくれるような・・・
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ん?バイオリン?待て。なぜバイオリンの音がするんだ??この音楽が禁止されている国で?
おかしい。
シェルは音のありかを求めて木々を分ける。
そこには……
ベルのきつく締まったムキムキの上半身を露になっていた。そしてダンがベルの首根っこをつかみ、足で体を固定させ、バイオリンの弓を右手で持ち、それをベルの両乳首に押し当て、左右に弓を引いていた。いや、弾いていた。
『ぁぁぁああ♪』と喘ぎ声を出しているベル。その喘ぎ声がバイオリンの音に聞こえていた。
この世の終わりみたいな光景を目の当たりにしたシェルは我慢ならず、嘔吐した。一方でダンはバイオリニストさながら涼しい顔でベルの乳首を虐め倒し、逆にベルは気持ちよさそうな、苦しそうな正に快楽の奥底を体現しているようだった。
「な、何してるんですか!!!」
ダン:「お!いたのか!!シェル!!」
「いたのかじゃないですよ。この地獄の入り口みたいな光景はなんですか。」
ダン:「光景って?・・・」
ダン:「みてわからんのか。楽器の練習だ!」
満足そうにサンズアップするダンとベル。
「どこが!!こんなのバイオリンじゃない!!」
ダン:「おい、待て。バイオリンなんて誰が言った。」
「え?違うんですか。」
ダン:「ぜんぜん違う。」
「じゃあ、なんですか?」
ダン:「“パイ”オリンだ!!」
と紹介するように再度弓でベル乳首を弾き始めた。
その横で首根っこを掴まれて情けなく『ああああ♪』と喘ぎ奏でてる。ベルは相変わらずパイおりんの音を奏でているようだ。
「もう、本当に音楽辞めてしまえ。お前ら」
シェル「で、なんでこんなことやってるんですか。」
ダン:「決まってるだろ。楽器の開発さ。」
シェル:「楽器の開発???」
ベル:「屁のトロンボーンだけじゃオーケストラは作れないだろ」
「そういうことだシェル」
とアリソン。
アリソン:「俺たちはこの仲間集めをしながらやらなくてはいけないことなんだ。音のレパートリーを増やすこと。これも旅の目的の一つさ。だから、こいつらにも楽器に変わる何か開発を頼んでいる。こいつらも真面目に音楽と向き合ってるんだ。だから許してやってくれ」
ダン:「へへ!俺たちだって音楽と共に歩んできた団員の一員だ。その恩返しがしてぇだけなのさ。」(照れながら鼻をこする)
ベル:「そういうことだ。恥ずかしがらずにやるのが俺らの武器なんでな。」
シェル:「で本音は??」
ダン:「森美女のパイオリン」
ベル:「彼女の恥辱に満ちたG線」
とサムズアップ
シェル:「ほらね?」とあきれる。
「しかし、音楽に精通している森美女か。俺も精通しそうだ」
と、股間を抑えるダン。
ベル:「もう、しているだろ」
アリソン:「アーノルドのきいた話によるとその美女は歌の名手で鳥のさえずりのような美声を放ち、多くの人を癒してきた英雄なんだとさ」
ダン「なんだって?鳥のパイズ・・・」
シェル「もう、やめとけ」
アリソン:「とにかくオスト地区はリヴァテール王国の中でも最も辺鄙な所だ。山の中にいくつもの集落があるとのことだ。どこにいるか聞き出すことも困難かもしれない。熾烈な戦いになるぞ。覚悟しろよ」
「てか、隊長、ものすごい士気を入れているところ申し訳ないんですが・・・」
アリソン:「何だ、ベル。言ってみろ」
ベル:「さっきから、ここどこっすか。(迷った)」
アリソン:「森の中だが」
一同:「いやしってますよ」
ベル:「てか、すでにアーノルドさんと離れて3時間ぐらいたってますよね」
アリソン:「あいつは戻ってくる。俺だって何年待ったことだろうか。あの沈む夕日がうつくしいとおもっていたあの頃・・・」
シェル:「回想入ってる場合か。アーノルドさんいないと道わかんないんですよね。完全にそうなんですよ」
と、突っ込んだ瞬間。アリソンが急に倒れた。
シェル:「アリソンさん?アリソンさん!!!?」
ダン:「おい、回想じゃなかった。走馬灯だ!!!」
ベル:「やばい。確かに飲まず食わずで山入ってから6時間は超えている」
そうあの後、すぐに出立してオスト地区を目指して山にはいっていたのだ。
シェル:「じゃあ、何か飲ませないと」
とアリソンのバッグを漁る。
シェル:「水がない・・・何で持ってきてなんですか!」
ダン:「だって、アーノルドが・・・ケチだから・・・おやつは300ダラーまでって」
シェル:「遠足か!!!!水はおやつに入れるな!!」
シェル:「てか、肝心のアーノルドさんは!?3時間も何しに行ってるんですか」
ベル:「アーノルドはあれだ。なんか周り観てくるって言って一人でどっかに」
シェル:「準備不足、山での単独行動、裸(軽装)・・・山なめすぎだろ!!!!お前ら!」
ダン:「おい、シェル。隊長の様子がなんか変だぞ」
「どうした!!」
コヒューコヒューと不規則に繰り返す呼吸。不気味に恍惚感に浸っているようで力の抜けた顔。
「これ、まずいんじゃないですか」
三人の顔が一気に青ざめる。
ベル:「よし、とりあえず一回冷静になろう。まずは隊長の服を脱がせよう」
と隊長の来ていた服を一枚一枚めくっていく。
シェル:「お前が冷静になれ。ダンさんもなんか言ってやってくださいよ」
「何動揺しているんだ?シェル!!しっかりしろ!!」
ダンは自分の服を脱ぎながらチンポを露出していた。
シェル:「いや、お前がな!!動揺して服脱ぐな」
シェル:「ああんもう!僕が指揮を執ります!とりあえず、ベルさんは隊長を楽な体位にさせて、ダンさんは服を着て!!」
ベル:「楽な体位な了解。こうか?」
とぐでーんとした動かない隊長を持ち上げ対面立位の格好になる。
シェル「そっちの体位じゃねーよ。しかも一番疲れるやつな。それ」
こんな時にふざけたことしてるなとぶん殴りそうになったシェル。
ダン:「じ、じ、じ、人工呼吸だな。こういう時は・・・」
と動揺しながらも真面目に緊急処置を施そうとするダン。
シェル:「やり方分かりますか?」
ダン:「あ、ああ!!な、何となくは。よ、よよ、要するに空気をいれればいいんだろ?」
シェル:「ま、まあ。それはそうですが・・・」
と嫌な予感がしたその直後。ダンはパンツを脱ぎ、自分のケツの穴を寝ている隊長の顔に押し付けた。止めようとしたが遅かった。
ゲロゲロゲロゲロゲロ!!ビチャッ!とデカイ放屁をかました。
そして「あ、ちょっと出たかも」と最低な告白をするダン。なぜか満足げだ。
シェル:「おい!やりたいだけだろ!!!」と巨漢なダンの首根っこをつかみ、引きずり離し
「まじめにやれよな!!お前ら!!」
とこめかみの血管が浮き出るほどキレるシェル。
ベル:「おい、シェル!!!体長が隊長の・・・」
「どうした!!」と隊長とベルがいる場所を振り向く。
「隊長の口がパクパクしだしたぞ」
さっきの放屁をお見舞いされたせいか、いやそれがとどめになったに違いない。さっきの力の入っていない顔で口をパクパクし始めた隊長。誰がどう見ても終わりを悟ったに違いない。ますます青くなる三人。
ダン:「やべーわ・・・このままじゃ隊長死んじまう・・・」
シェル:「誰のせいだよ!!」
と、ダンの顔がある場所へ顔を向ける。しかし、ダンも青ざめたまま苦笑いしている。何か様子がおかしい。
ダン:「わりぃ。俺死んだ」
にぃっと青ざめた顔で笑い。そのまま突っ伏した。その横で何も言わずに倒れるベル。
さっきの言葉を思い出す。
「おやつは300ダラーまで」
シェル:「だから!水はおやつじゃねえええええ!!!」
シェル:「なんで仲間集める前にすでに3人死んでんだあああああ!!」
と叫んだシェルだった。しかし、
あれ?
急に視界がぼやけ始め、膝を地面に着く。叫んだせいだろうか。いや、違う。何かおかしい。と全身に力が入らなくなり、座ってすらもいられなくなった。そのままシェルも地面に突っ伏した。
シェル:「やばい。助けを呼ばないと」
シェルの視界にはバイオリンの弓とごっつい胸に咲く、右乳首があった。よく見ると乳首に一本だけ毛が生えていた。今はどうでもいい。
立ち上がろうとしても腕に力が入らない。それでも何とか腕を伸ばし、弓だけはつかんだ。しかし、パイオリンを引いて助けを呼ぶ作戦は失敗した。もう、足にすら力が入らない。
何かおかしい。僕も倒れるなんて変だ。もう意識も遠のき始めている。
しかし、そこへ元気よく歌を口ずさみながら歩いている美少女がいた。4人の男が倒れている光景を目の当たりにした少女は口ずさんでいた歌を辞め4人の下へ駆け寄った。
少女:「大丈夫ですか?しっかりしてください!」もうシェルはその言葉が聞こえない。
しかし、視界に写った映像はでっかい二つの山。意識が朦朧としていたシェルは持っていたバイオリンの弓を最後の最後、力を振り絞って二つの山のてっぺんめがけて弾いて見せた。
そしてかすかに聞こえてきたのだ。地獄の門が開くような不快な音。不快とも表せないような何というか。一瞬で意識を奪い去るような・・・悪魔の“歌”。それが聞こえた。
「おっぱい」
そんな遺言?を残し、ついに目の前が真っ暗になった。

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