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26歳の自分から、若者へのメッセージ

7年前、母校に呼ばれて、700人の生徒(中3〜高3)の前でお話をしたことがあります。
26年間の学びのエッセンスが詰まっていて、今でも若い人たちに伝えたいことだなと思うので、スライドと原稿の一部を公開します。

※あくまで母校(私立中高一貫女子校)の生徒へのメッセージとして作ったものなので、全若者へというと全く配慮に欠けているところもあります

※学校名の部分は、■■と伏字を使います


あいさつ

タイトルスライド

皆さんおはようございます。
2009年、8年前に■■を卒業した〇〇〇〇(本名)と申します。
高3のみなさんとは9才差、中3のみなさんとは12才差。
もう干支が1周しちゃうくらい昔のことかと驚いていますが、
卒業しても■■が大好きなので、今でも在学中のことはよく思い出します。
毎年5月の春から初夏になる空気の匂いを嗅ぐと体育大会のことを思い出したり、洗濯物の生乾きの匂いを嗅ぐとハイキング部の雨の合宿のことを思い出します。
来月あたりには秋になる空気の匂いを感じて文化祭の準備を思い出すと思います。
それくらい■■での6年間は濃くて、今でも大きな存在です。
なので今日はこうして卒業生として呼んでいただけて、みなさんの前でお話する機会をもらえて、本当に嬉しく思います。

話の流れ

今日は進路指導の時間ということで
私のこれまでの色んなことがあった人生をちょっとだけお話しします。
とある卒業生の一例として聞いていただいて、
何か皆さんの将来を考えるきっかけやヒントになればと思っています。
あまり進路選択の話に特化せず、大事だと思うことをお伝えするつもりです。

ではここからのお話の流れをお示しします。
・自己紹介(経歴)
・■■、大学、大学院、今の仕事。何を考え、何をして過ごしてきたか。
・振り返って思うこと。みなさんへメッセージ。

※本noteでは「1 自己紹介」「3 大学・大学院時代」「4 現在の仕事」のパートは割愛します。


中高時代について

中高時代。こちらの3つのトピックを取り上げます。

<自分に自信がなかった>
優秀な人たちが集まる学校なのでこの問題に直面する人は少なくないと思います、、
周りと違う自分。と書きましたが、私は誰にもわかってもらえないんじゃないかという悩みがたくさんありました。
あと、話すのがすごく苦手でした。
今こんなところに立って700人以上の前で話していますけど、
実は小さい時から人前で話すことが最も苦手でした。
今でも、得意じゃないし準備しないとこんなところでお話できないですが、
当時の自分からは考えられない自分がいます。
どうしてそんなに変わることができたのかこの機会に考えてみたので、それは最後の方でお伝えします。

<ハイキング部>
そんな自信のない自分でしたが、誰よりも部活が好きな自信だけはありました。
部活はハイキング部と写真部に入っていました。
私は卒業後も毎年文化祭に遊びに来ているので、もしかしたら会ったことがある人もいるかもしれませんね。今年も行けたら行くので見かけたら声かけてください。
知らない方のために言うと、ハイキング部の合宿は毎年北アルプスや南アルプスの3000メートル級の山々に4泊5日とかで山小屋に泊まりながら登ります。
今考えると2泊とか1泊で行けちゃうところを大人数で余裕の行程でいくので、だいたいお昼には山小屋について、夕飯までの暇な時間ひたすらお菓子を食べながらトランプをしてましたが。
アルプスって360度山に囲まれていて、雲が自分たちより下にあって、夜は満天の星空で、ほんっとに感動するほどきれいなんですよ。鳥肌立つくらい壮大な自然なんです。
やはり山登りなので体力的にも精神的にもきついことが多いですが、
それもぶっとぶくらい、地球の美しさに感動するんです。
愛してるよーって地球に向かって叫んじゃうんですよ。そしてそれを仲間と共有するのが幸せで。
毎年合宿が何よりも楽しみで、大事で、毎回最終日帰って来た時は終わってしまった寂しさに一人で号泣していました。
ハイキング部での経験が、私の場合進路選びのきっかけにもなっています。
ちなみに、卒業してからも、ハイキング部の仲間+αで今でも毎年アルプス登山にでかけてます。
今年はちょうど来週、燕岳というところに行ってきます。

<人生で一番大事なもの>
3つめは、■■で手に入れたものです。人生で一番大事なものを■■で与えられたと思っています。

▶信念や指針となる言葉・考え方
私はいつも自分を見つめ直すとき、よりどころにしている信念・指針として大切にしていることが3つあります:
①感受性豊かに生きる ②多様性バンザイ ③言葉の力(言霊)を信じる
これ実は3つとも、■■の三人の先生方の代名詞的な教えなんです。

■■の先生は勉強以外にも個性豊かなご自身の人生で学んできたことをたくさん教えてくれますし、
行事で、修養会とか宗教講演会とか、人生や生き方について考える機会がやたらありますよね。毎朝の礼拝ももちろんそうです。
私は自分の考えを言語化するのが苦手だったのであの時間はすごく大変でしたが、大事だったなって思います。同級生同士でもあんなにまじめに語り合える機会があるのってホントに貴重だと思います。大事にしてほしいなと思います。
今たくさん考えてたくさん感じたことは、卒業後かならず、役に立ちます。

▶生涯の友人
そして一番大事なもの、もう一つ。「生涯の友人」です。
卒業しても、社会に出ても、この6年間を共にした友人はやはり特別です。
ここはあまり多く語る必要ないと思うので、次行きます。

※このあと、大学・大学院の進学や仕事の内容、動機などを説明(ここでは割愛します)

最後に:みなさんに伝えたいこと

伝えたいこと一つ目は、「将来の夢がなくても、先が見えなくても、大丈夫。"どう生きたいか・どんな人でありたいか" を考えてください。」

今振り返って思うのは、
今の仕事なんて就活するまで知らなかったですし、少し前まで今の自分は想像もできなかった。これから先も、数年後の自分は正直想像できません。
その時何が好きで、どんな人と出会い、何を考えて生きているのか、
その時になってみないとわからないことです。
だから、その時その時の自分の気持ちに真剣に耳を傾けてください。

また、得意なことがなく、先が見えないと思っている人がもしいても、悩むことはないです。
■■生って何かに秀でた人が多いじゃないですか、、
でも私の場合、特にこれが得意!というものが何一つないんです。
でも今考えると、得意なことが特になかったおかげで、フラットに色んなことに挑戦できたと思います。得意かどうかではなく、やりたいかどうかで選んでこれたのかなと思っています。

人生は、将来のある地点の目標達成や成功じゃなく、“今生きてるこの一瞬“ の積み重ね。
だから、よりよい今を積み重ねたら、よい人生になると思っています。
ただし、真剣に、責任をもって自分の気持ちに耳を傾けてください。


二つ目。「今の自分が全てじゃない。人を信じたら変われるかも。」

■■の時、自信がなく人前でしゃべれなかったと言いました。
まさか自分が生きててこの講堂のステージに一人で立ってしゃべる日が来るとは夢にも思っていなかった。
自分が一番変わったのはそこだと思っています。
小学生の時なんかよっぽど仲良くなければ一対一でもしゃべれなかったですし、
■■で部活の送別会とかで1人1人先輩にメッセージを言うとかあったけど嫌すぎて舌を噛み切りたかった。
今じゃ考えられない。誰にでも警戒せず話しかけちゃいます。
それはなんでかというと、人を信頼してるから。人が好きだから。だと思っています。

■■の時、思春期かつ多感な時期なので、皆さんもそうだと思いますが特に中学生のときは友達同士のいざこざなど色々ありました。
その中で私はひとつ自分のルールを決めていました。
「絶対に人の悪口を言わない」と。
人間なので、むかつくことはそりゃあります。けど、頭に血が上ったり、周りに流されて、言いそうになっても、その人の良いところや、その人がいてくれて良かった出来事を思い出すんです。
そうしてるうちに、誰でもみんな良いところ悪いところがある、それが当たり前、と感じるようになり、人のことが嫌いにならなくなりました。
小学生の時は、仲いい子以外あんまり好きじゃなく、嫌いな人もいたんですが、人が嫌いだったときは、自分もみんなから嫌われると思ってびくびくしてたなと振り返って思います。

今は、たとえ誰かが自分のことをキライでも、自分は好きでい続けられる、という自信と余裕があります。
前は、人からどう思われるか不安で人前で話せなかったですが、今は、人を信頼するようになったので、少しくらい失敗しても大丈夫だなって思えます。
人に好かれようとするならば、まず自分が人を好きになることが大事だし、
自信を持ちたいならば、まず自分が人を信じることが、自分の強みになると思っています。

人からどう思われるかではなくて、人を信じて、自分から正直に動くことができれば、きっと与えられるべきものは与えられるんだと思います。

三つ目。「世界は多様性と新しい出会いに満ちています。人と違うことを恐れないでください。また、変わることを恐れず、成長し続けてください。」

人と違うことを恐れないでいてください。昔は、「自分の事なんて誰もわかってくれない、自分はみんなと違うし変だ」と思っていましたが、世界は本当に広く、多種多様な人がいるので、わかってくれる人に必ず出会えます
みなさんも自分は変だって思うところがあるかもしれないけど、変なことにこそ価値があると私は感じています。
自分だけにしかない自分の感性を信じて、誇りに思って大切にしてほしいです。

そしてやってみたいと思ったことは、できる限りやってみてほしいと思います。
これまでの人生で、色々やってみて本当に良かったことが多いですが、
もちろんやってみて失敗したこともたくさんあるし、やってみてやっぱり違ったと思って途中でやめてしまって人に迷惑をかけたこともたくさんあります。
けどそれでいいと思っています。やってみないと、それが本当にやりたいことかってわからないからです。
それに、やりたいことって変わるものです。世の中には自分が知らないことの方が多いからです。
新しく何かと出会うたびに、人と出会うたびに、新しい発見があり、人は変わるものです。変わるのは悪いことでも怖いことでもありません。
だからみなさんにも、色んな事に目を向けて、何でも挑戦してみてほしいなと思います。

今はインターネットでなんでも調べられます。世界中の情報がテレビやネットから簡単に耳に入ってきますよね。なんでも知った気になってしまうかもしれません。
でも、自分の目で見る世界は違います。
この世界は、人一人の人生じゃ驚きつくせないほどの驚きで満ちています。
自分の目で見て、体感することが大事です。それを覚えていてください。


最後に、一番言いたいコトです。「今を大事に過ごしてください。」
・■■の仲間を大事にしてください。
・■■で過ごすかけがえのない時間を大事にしてください。

今日は朝の貴重な時間に話を聞いていただいて、本当にありがとうございました!



直後にSNSに投稿した所感(一部抜粋)

最後のメッセージに拍手が起きた箇所があって、そんなこと、予想もしてなくて、すごく嬉しかったな・・・
そして終わった後、控室に高3の生徒が5人、わざわざ来てくれて
「メッセージ、すごく響きました。最後にこんな話が聞けて、本当に良かったです。」
と興奮気味にお礼を伝えに来てくれて
すごく嬉しかった・・・嬉しいじゃ足りない。そんなに真剣に聞いてくれて受け止めてくれて、感謝だし、
本当に生きててよかった・・・
先生方からも、
「あの子たちの今をときめかせる講演だった」
と感想いただいて感無量・・・

パワポなんて当日の午前2時から作り始めた代物でして、
原稿ちゃんと書き始めたのも3日前からとかでして、
(エッセンスは何年も前から書き溜めていた事、考えてきた事だが)
練習なんて1回もできなかった準備不足で不安な状態で挑んでしまったから
伝わって本当によかった・・・・
生徒の作ってくれたアットホームな空気のおかげだ。

今回中高生へのメッセージを考えるにあたり、
忘れていた当時の気持ちや感覚を思い出した。
今思えば何てことない事で、悲しくなったり、絶望したり、当たり前のことを当たり前と思えなかったり、大変だったなぁって。
そう思うと伝えたいことが溢れてきた。
30分じゃ全然足りなくて、伝えたいこともっとあったなって思うので、先生って魅力的な職業だなと改めて感じた。
たった30分話しただけであんなに心揺さぶられたのに、
毎日何時間もあの立場に立っている方々、すごく尊敬する。

この機会をいただいたこと、心から感謝です。
夢がまたダイナミックに叶ったし、より良い人生になった。
ちなみに私の夢は
「今生きているこの瞬間を含めた人生を通して、地球上の色んなものを見て出会って、様々な感情や着想を経験し、人と共有すること」です。


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