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荒野のたき火で湯を沸かせ、秋の夜長に紅茶を飲め。

よく来たな、俺はオズ=リンタロリアーノだ。まず初めに断っておくが、この記事は逆噴射聡一郎氏の文体に感化された二番茶記事だ。逆噴射聡一郎氏を存じないというお前たちにはこちらを勧めることにしよう。その後、ここに戻って来ても良いし、来なくても良い。MEXICOの荒野を征くのは、終わりのない旅だ。俺はいつでもこの場所でたき火を燃している。サボテンに引っ掛かり、名の知れぬバンデラスに打ちのめされ、ダニートレホの投げナイフに殺されかけ、すっかり小便をもらした子犬の顔になったとして、その時に紅茶の飲み方が思い出せなくなったなら、この記事に戻って来れば良い。

このテンションが続く、お前のティーカップが空になるまで。

どうやらこの砂嵐舞う大地のルールが理解できてきたようだ。紅茶を嗜む真の男としての素質があるようだ。そしてさらに断っておく、ここではイギリス式紅茶がどうだ、ゴールデンティップはどうの、と言ったボストン・ティー・パーティをやるつもりはない。それらについて熱く語るほどの知識をメキシカンサイズのマグカップに並々と湛えているのなら、お前は既に真の男であり、自分の信じる紅茶の道を征けばいい。この場所では、コヨーテの鳴き声に怯えて一人で秋の夜長も過ごせないコバルデスのためのたき火だ。真の男であるならば、自分のたき火で紅茶を嗜みながらショットガンとナイフの手入れに勤しめばいい。

ティーバッグ。お前が初めて手にするメダリオンだ。

紅茶の王道とはリーフにあると語るバンデラスは多いが、紅茶を始めて目にするお前には少々荷が重い。ティーバッグをメダリオンだとしたならば、リーフはレバー・アクション・ショットガンだ。屈強な真の男でないならば、手に入れたことだけに満足して弾を込めることも忘れ、レバーをコッキングしようとした瞬間には……BANG。その抜け殻はサボテンにでも引っかけられていることだろう。
まずは食器棚の隅やグッズを詰め込んだ段ボールのそこからマグカップを取り出し、一度埃などを払うために洗う。その後、沸かしたばかりの湯を注ぐ。二分、二分だけまち、中の湯はその辺に捨てる。ここはMEXICOの荒野、誰も咎めはしない。流し台に捨てたいなら、好きにすればいい。この儀式は君を嵌めるためのブービー・トラップではない。手の中にあるものをよく確かれば、そこには熱されてMEXICOの太陽を宿す、マグカップ・コモ・エル・ソルが握られているはずだ。改めて沸かした湯を注ぎ、そっとティーバッグを沈めていく。そして香りを逃がさず封じ込めるため、小皿でも、そのあたりに転がるチリビーンズの空き缶でも構わない……蓋をする。その後は三分間、ダニートレホの影はないか周囲を警戒することをおこたってはならない。ひよっこがスマッフォなどにきを取られれば、手ひどい返り討ちに遭うだろう。もっとも、タイマーなどスマッフォにしかないだろう、有効活用してやろう。

さぁ、秋の夜長を楽しもう。真の男の門出を祝して。

ここまで来ればお前は真の男だ。やけどにきをつけ、紅茶を楽しみつつ映画『デスペラード』でも見るといい。ドリトスを味わうのも良いだろう。パルプ小説を開くことも、思いのままだ。
存分に紅茶を楽しんだお前は思うはずだ――屈強なバンデラス達はどのように紅茶を楽しんでいるのだろう?当然の疑問だ、そして今やティーバッグは必ずしもリーフに劣るとは言えない。真の紅茶男としての第二歩を進めるべく、いくつかの道を示していくことにしよう。

高い物も良いが、安いことは賤しさではない。

ここからはどのGUN・SHOPでティーバッグを手に入れるかについて紹介しよう。
まずはKALDIで手に入るであろう、いくつかのブランドをオススメしよう。
トワイニング、紅茶に目覚めたならば誰もが耳にし、口にするブランドの一つだ。重厚なダージリンから、キレのあるイングリッシュブレックファーストまでア・ラ・カルトになったティーバッグのボックスを試すといいだろう。

ジャンナッツ、自分はダージリンティーだけを相棒に生きる、そう誓うのならこのブランドだ。驚くほど安く、そして多量に詰まったティーバッグのボックスが並んでいる。

ここから先はKALDIに並ぶかは分からない、どちらかと言えば成城石井に向かうべきブランドたちだ。ここからのメーカーは、慣れないうちは箱の中身がリーフなのか、ティーバッグなのか、よく注意して買うことだ。その注意を怠ったなら、たちまちにダニートレホの投げナイフに斃れることになる。気を抜かないことだ、真の紅茶男として。

クスミティー、一癖ある、スパイスを利かせた紅茶に呼び声の高いブランドだ。商品名も、プリンスウラディミル、アクアローザと、ドギモを抜かれることだろう。未開地へ恐れることなく進む、勇気ある真の紅茶男は、挑んでみるのも良いだろう。

フォション、金色に燦然と輝くパッケージが特徴のメーカー。アップルティーを探し求めたなら、一度は試すべきだろう。リーフでの販売が多いため注意。

マリアージュ・フレール、値札に恐れぬことだ。もし紅茶に魅入られたなら一度は挑んで欲しい。このメーカーはリーフを中心としているものの、マルコポーロを始めとする代表的な製品についてはティーバッグの扱いがある。荒野へ初めの一歩を踏み出したばかりの真の紅茶男にもその門は開かれている。

最後に紹介するのはルピシアだ。専門店もしくはオンラインストアへ向かうことだ。この紅茶ブランドはティーバッグの種類が豊富で、特にフレーバーティーについては大図書館を思わせるほどの種類を持つ。毎年12月には福袋の販売があり、ティーバッグの福袋も楽しめる。もし諸君の中に、あらゆるフレーバーティーを楽しむ気概と勇気を持つ者がいれば、「BOOK OF TEA 100」をオンライン=ストアに求めよう。まさに大図書館から持ち出された巨大な魔導書の中に、100種類のティーバッグが一つずつ納められている。どのようなフレーバーティーにも、臆してはならない。

ここから先の記事へ進むためには、私にドリトスの一つでも寄こすことだ、そしてその礼があるだけだ。記事の量はいつもの倍だが、これは自ら望んだ事だ、真の男ならいつもの倍量のドリトスをせびったりはしない。

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