マシュー・サイド著「失敗の科学」を読み解く -①失敗を科学的に考えるとはどういうことなのか
はじめに
この本は以前から気になっていた。
だって、タイトルが「失敗の科学」だぜ。
「科学的に考える人」であるボクが気にならないわけがない。
でも、まだ読んだことはなかった。
今年の4月20日のお話だ。
ボクの某先輩から「どこかで失敗をなくす研究がされているらしい。それを解説してくれないか?」というメッセージをもらった。彼は「成功から学ぶより、失敗から学んで将来に活かす。これからはそんな仕組み作りが大事なんだと思うんだ。」というようなことをおっしゃっていたが、その時は(ちょっとボクの体調が悪かったこともあり)そのリクエストとこの本が結びつかなかった。
それが結びついたのは、5月11日のことだ。
ボクが書いた「ガードナーの「自己革新」について学ぼう - ⑦若い人にお手本となる人が必要な理由」の記事にPuuuiiさんがコメントをくださったことがきっかけだ。ここでやっとボクの中で3つの点が結びついた。
そりゃボクもたくさん失敗してきたさ
ボクが以前勤めていた会社はゴリゴリの日本企業だったので、何か失敗すると始末書もしくは顛末書を上司に提出するルールがあった。始末書は「はいはい、もうどんな言い訳をしても逃れられないことはわかったので、ここらへんで終了にしてほしい。そのためにはどんな処分を受けても文句を言いません。」という諦観の気持ちをめっちゃ丁寧な文章で書くものであり、それに対して顛末書は「自分が起こしてしまった失敗やトラブルがどういう経緯で起きたかを時系列で書いて、端的に表現した原因分析とそれに対する再発防止策を添えるもの」とボクは認識していた。
ボクは当時から文章を書くのは得意だったので、そんなものはサクサク書いていた。同僚や先輩から始末書や顛末書の代筆を頼まれるくらいだった。よく他人が起こしたミスのヒアリングをしたもんだ。今から思うとアレで商売ができたかもしれない。(笑)
なぜあんなものが必要なのか考えてみると、ひとつは社内人事の材料、特に降格人事をスムーズに進めるためのものだったんだと思う。もうひとつはクライアントとのパートナーシップを悪くしたくないという願い(配慮といった方がいいのか…)から来たものだ。謝罪に行く当事者はそのクライアントの営業担当である場合が多く、大口になればなるほど職階の高い人が窓口になっていることが多い。本人がミスを犯すことはほとんどない。ミスは現場で起きるのだ。しかし担当者には説明責任がある。
クライアントから見ると、起きたことは苦々しいことであるが、経緯が読みやすく書いてあって、原因分析と対策が合理的に書かれていて納得のいくものであれば、逆にその数枚のペラ紙で評価が上がることもあり得る。
そんなことを考えながら始末書や顛末書を書いていた。
だからボクはその作業はさほど嫌いではなかった。
マシュー・サイド著「失敗の科学」
マシュー・サイドは1970年生まれ。イギリス『タイムズ』紙の第1級コラムニストでライター。オックスフォード大学哲学政治経済学部(PPE)を首席で卒業後、卓球選手としても活躍した。ライターとしての仕事だけでなく、BBCやCNNでリポーターやコメンテーターなども務める人物だ。
日本語版はディスカヴァー・トゥエンティワン社から発行されているが、原書のタイトルは「Black Box Thinking: The Surprising Truth About Success」だ。直訳すると「ブラックボックス思考: 成功の意外な真実」といったところか。うーーん、原書には「失敗(failure)」という単語も「科学(Science)」という単語も入ってないんだな。
…まあいい。
ここは翻訳者の有枝 春氏と、この本を「心の一冊」とおっしゃるPuuuiiさんを信じて読み解いていこうじゃないか。
この本を解説するにあたって
ボクはまだこの本を読んでいない。
なので、この本の解説に当たっては、ボクがページをめくりながらその場その場で気づいたことや感じたことをボクの言葉で書いていくことになる。もちろん、どんな結論にたどり着くのか、ボク自身にもまだわかっていない状態だ。
そして、ただ単にこの本の解説をするだけであれば(もしくはこの本の感想を書くだけなら)ボクの存在意義はない。ボクの思考およびこれまで書いてきた記事との関連性を見出して、よりオリジナリティの高い記事が書けるといいなと思っている。
もし、気になる方がいらっしゃったら、引き続きお読みいただけると幸いと感じる。
(本編は来週以降になってしまった!)
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