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ウインカー出さないマンの存在確率(フェルミ推定)

さあ、日曜日だ。
日曜日はボクが書きたいことを勝手に書く日だ。
お気楽にお付き合いいただきたい。


先週の記事は結構読まれた

先週の日曜日に「ヘッドライト点けないマンとウインカー出さないマン」という記事を書いた。

ありがたいことに、この記事は多くのみなさんに読んでいただき、ここ一か月間のボクの記事の中で、最もビュー数とスキ数の多い記事になった。

その記事を書いた7月21日、ボクは朝から車で出かけた。
東京都内のボクの自宅から千葉の某所までの往復、高速道路と一般道の両方を使い、概ね4時間くらい走っただろうか。

ウインカー出さないマンは意外と多い?

ボクは、その4時間の内にウインカー出さないマンを5台ほど発見した。皆さんにアンコンシャス・バイアスを植え付けるつもりはないが、その5台の内の3台は高価たかそうなミニバンであったことをお伝えしておこう。もしこの記事を読んでいらっしゃる方の中にミニバンユーザーの方がいらっしゃったらご注意いただけると幸いだ。

さて、今日はウインカー出さないマンがどのくらいの確率で存在するのか算出してみようと思う。あの日、すれ違った車の台数はわからないが、平行して走っていた車の台数はなんとなく計算できそうだ。そしてそれを「5台」で割り込むと指数を算出することができるだろう。

ウインカー出さないマンは、多いのだろうか。それとも少ないのだろうか。

算出のロジックについて

今、ボクの手元には、東京⼤学先端科学技術研究センターの⻄成活裕教授が書いた「渋滞学」という本がある。

この本の中に、高速道路における渋滞の定義が以下のように書かれている。

つまり、まとめると自由走行相は右上がりの直線、渋滞相は右下がりの広がったデータ分布を示し、ちょうど渋滞が起きるところはこの右上がりが右下がりに代わる所である。ここが渋滞への相転移で、<図3>を見ると臨海密度は大体1km当り50台と読み取れる。このデータは2車線の高速道路の合計の密度を表していたので、1車線で1kmあたり約25台と言うのが臨海密度と言うことになる。つまり車間距離で言えば大体40m以下になったときが渋滞と言うわけだ。このように基本図を描けば臨海密度が読み取れるので、どのあたりから渋滞と呼ぶか、というのをちゃんと定めることができる。

西成活裕著「渋滞学」 - 第2章 車の渋滞はなぜ起きるか - より

ボクの記録によると、7月21日にボクは60 kmほど車で走っている。その内訳は高速道路が44kmで一般道が16kmだ。

高速道路で遭遇した他車両数の算出

その日はほぼ渋滞はなく、非常に順調に移動することができたので、「渋滞の臨界点である1車線で1kmあたり25台の半分くらい」の車両密度だったと仮定する。そして往復とも3車線の道路だったので、それを1.5倍して「1kmあたり35台」程度の車が走っていたと推定する。

しかし、1km走るごとに周りの全ての車が入れ替わるわけではない。日本において、インターチェンジ間の平均距離は約10kmなので、各インターチェンジで15%の車が入れ替わるものと仮定すると、高速道路片道走行22kmで3回、5台ずつ新規平行移動車両が加わってくる計算となる。つまり片道で50台、往復で100台の車に遭遇していたと算出することができる。

一般道で遭遇した他車両数の算出

一般道の走行スピードは高速道路の30~40%くらいだ。
スピードが低い分、車間距離は短くなる。高速道路では100mくらいの車間距離が推奨されているが、一般道の推奨車間距離は22mだ。つまり一般道の渋滞の臨界点は高速道路の4.5倍であると言っていいだろう。

なのであの日、一般道でボクと同方向(一般道は片側1車線の区間と2車線の区間があったので、全体を1.5車線として計算しよう)に走行していた車は、1kmあたり84台と算出することができる。そして1kmごとに(まあまあ大き目の)交差点があって、そこで15%の車が入れ替わると考えたときに(もう、このあたりはボクの想像にしか過ぎないが…)、ボクが走った一般道の中で、16回(まあまあ大き目の)交差点を通過し、各々13台の車が入れ替わることになるので、およそ292台の車と遭遇した計算になる。

実際にボクから見えていた台数の算出

しかし、ボクが運転しながら1km先まで見通していたわけではない。いいとこ200m先くらいまでしか見えないだろう。なので、上記で算出した「高速道路上の平行走行車両数 100台」と「一般道路上の平行走行車両数 292台」の合計の392台に20%を掛けることとする。そうすると、ボクが4時間の千葉往復の間に目にすることができた他の車両数は、概ね78台だったと算出することができる。(めっちゃフェルミ推定でスマン)

ウインカー出さないマンの存在確率は…

あの日、ボクは5台のウインカー出さないマンを目撃した。
つまり、ウインカー出さないマンの存在確率は、およそ6.4%だと言うことができる。

ただしサンプル数が少なすぎる上に、母数がフェルミ推定によるものなので、まったく参考にならない指数であるが…



日本の道交法違反の検挙数は(2023年度で)およそ548万件だそうだ。それに対し、免許取得者数は8,180万人ほどいて、日本国内の自動車保有台数も8,266万台とほぼ同数だ。

日本の免許取得者数(もしくは自動車保有台数)に対して、道交法違反の検挙率が6.7%くらいであることを考えると、ウインカー出さないマンの存在確率6.4%という数字も、さもありなんという感じがする。

…が、それにしても、
我ながら「これは何の計算なんだろう」という気がしている…


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