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ISO26000を理解する: まずは全体像を見渡してみよう

さあ、火曜日だ。

火曜日は、持続可能な社会について考えている。
現在のテーマは「ISO26000」の理解を深めていくことだ。

ISO26000は、国際標準化機構ISOによって開発された、持続可能な発展を実現するための社会的責任に関する包括的な手引書であるのだが…


ISO26000の概要

ISO26000 日本語訳(2010年版)の序文に「ISO26000の概要」というページがある。

そこには、ISO26000の「箇条のタイトル」と「箇条の内容の説明」が記載されている。まずはそれを書き出してみよう。

1) 適用範囲

この国際規格で取り上げられる主題を定義し、制限又は除外項目がある場合はそれらを特定する。

2) 用語及び定義

この国際規格で使用する重要な用語を特定し、その定義を示す。これらの用語は、社会的責任を理解し、この国際規格を利用する上で基本的に重要なものである。

3) 社会的責任の理解

これまでの社会的責任の発展に影響を与え、その性質及び慣行に今なお影響し続ける重要な要素及び条件について記述する。社会的責任の概念そのものについても、それが何を意味し、どのように組織に適用されるかについても提示する。この箇条は、この国際規格の使用に関する中小規模の組織のための手引きを含む。

4) 社会的責任の原則

社会的責任の原則を紹介し、説明する。

社会的原則とは以下の7つのものである。
この7つの社会的責任の原則については、後日詳しく書いていこう。

・説明責任
・透明性
・倫理的な行動
・ステークホルダーの利害の尊重
・法の支配の尊重
・国際行動規範の尊重
・人権の尊重

ここまでが、ISO26000の定義と原則を示したものである。
以降は、社会的責任を果たすために、企業が「何をすべきか」という点についての記載となる。

5) 社会的責任の認識及びステークホルダーエンゲージメント

社会的責任の二つの慣行を取り扱う:組織の社会的責任の認識、並びに組織によるステークホルダーの特定及びステークホルダーエンゲージメント。この箇条は、組織、そのステークホルダーと社会との関係、社会的責任の中核主題及び課題の認識、並びに組織の影響力の範囲についての手引を示している。

6) 社会的責任の中核主題に関する手引

社会的責任に関する中核主題及びそれに関連する課題について説明する。中核主題ごとに、その範囲、その社会的責任との関係、関連する原則及び考慮点、並びに関連する行動及び期待に関する情報が提供されている。

この項においては「組織統治」を中核主題としている。
その詳細として、以下の6つの項目が挙げられており、それぞれに関連する行動および期待値を定義するものだ。この6項目も後日詳しく書いていくことになるだろう。

・人権
・労働慣行
・環境
・公正な事業慣行
・消費者課題
・コミュニティへの参画及びコミュニティの発展

7) 組織全体に社会的責任を統合するための手引

社会的責任を組織内で慣行とするための手引を提供する。これには次の手引が含まれる:組織の社会的責任の理解、社会的責任の組織全体への統合、社会的責任に関するコミュニケーション、社会的責任に関する組織の信頼性の向上、進捗の確認及びパフォーマンスの向上、並びに社会的責任に関する自主的なイニシアチブの評価。

この項において、企業が組織全体に社会的責任を統合するために実践すべき6つの項目が挙げられている。こちらも付属書および参考文献と併せて後日解説したい。

・組織の社会的責任の理解
・組織の特性と社会的責任との関係
・社会的責任に関するコミュニケーション
・社会的責任に関する組織の行動及び慣行の確認及び改善
・社会的責任に関する信頼性の向上
・社会的責任に関する自主的なイニシアチブ


ざっくりこんな感じがISO26000の全体像だ。
来週以降は各項の内容を詳しく確認していこうと思う。

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