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『ゴースト・オブ・ツシマ』2周年記念 キャスト合同サイン会 抄訳

日本時間で2022年7月18日早朝、『ツシマ』発売から2周年を記念し、キャスト合同オンラインサイン会が行われた。参加者は前回同様、境井仁役ダイスケ・ツジ、典雄役アール・T・キム、竜三役レオナード・ウー、そして境井正役リー・ショーテン。以下はその抄訳であるが、サイン中はほぼ常に複数の話題が同時並行で進んでいたため、話の流れをわかりやすくする都合上割愛した部分もあること、また音声が飛んだ部分は訳出していないことをお断りしておく。実際の動画のアーカイブはこちら


ダイスケ・ツジ=D、
アール・T・キム=E、
レオナード・ウー=W、
リー・ショーテン=S


◆またまた始まるわちゃわちゃタイム

D: オーライオーライ、皆さん調子どうですかー。さっそく始めるよ。パーティーの幕開け、カオス状態の幕開けでーす。ようこそようこそ! (背後のレオナードとリーへ)カメラここね。イェーイ。

(背後でピースサインのレオナードは、自分の分のサイン用ポートレイトをチェック中)

S: どうもー。

D: 配信開始直後って、気まずさあるパートなんだよね。チャットの皆見てるのに、自分だけ話してるみたいな感じで。

S: (笑)

D: インスタライブとか僕、どうしていいかわかんないだろうなぁ。皆さんどうもー。Streamilyサイン会配信へようこそ。お相手は『ゴースト・オブ・ツシマ』で境井仁を演じた僕ダイスケ・ツジ、こっちが僕のパパこと境井正役リー・ショーテン、それに宿敵・竜三役レオナード・ウーです。竜三は皆の嫌われ者だけど、レオナードはいいやつだよ。典雄役のアール・T・キムは──

E:(遠くからファルセットで) サンドイッチ作ってま〜す。

D: サンドイッチ作ってます。おにぎり型サンド?

E: (再び遠くから) 違うよ〜ん。

D: 違うね(笑)、普通のサンドイッチだね。たまごサンド。サインを購入してくれた人には僕たちからシャウトアウトがあります。購入者全員まで行けるかどうかはわからないけど、少なくともVIPオプションの購入者は全員! そこは契約上の義務があるんで(笑) 。購入してない人でも今ならまだ買えるはずだから、行ってみて。(URLをチャットに表示して)僕用のページだけど、ここから『ツシマ』やキャストの皆のページに飛べるので、良かったら。オーケー。じゃあ準備いいかな。

S: いつでも万端だよ。

E: こっちも準備できたよ〜(たまごサンドを満載した皿とともに、満面笑顔で着席) 、本日のおつまみで〜す。

S: (日本語で)ありがと〜。

D: サインなんかしないで、サンドイッチ食べてビール飲んでよか。

W: モクバン・セッションになりそう。

E: モクバンだね! あ、ビール足りてない。(いそいそと取りに行く)

D: もうサイン会口実に集まってるだけだからね、僕ら。サインなんかしてたまっか! という。

S: (笑)

D: 皆、音はいい感じに聞こえてるかな? サンドイッチ作ってくれてありがとね、アール。

W: え、これって(サンドイッチをしげしげ眺めながら)──エッグサラダ?

D: エッグサラダだね。

E: (戻ってきて)日本式のマヨネーズをね、自分で手作りしてきたんだよ。手作り日本式マヨ〜。

W: おーすごい。じゃあみんな、乾杯。2周年に。

一同: かんぱーい。



◆アールお手製たまごサンドのお味

サインの合間のおやつとしてキャストからも好評だった日本式たまごサンド、作った本人のアールも「これならコンビニ料理コンテストの出場者になれそうかな〜」と満足気。「違いは『食パン』と、ちゃんとした日本風のマヨネーズを使ってること」とのこと。



◆境井仁スタチューからのお父さん談議

D: (サイン会の前日、突発配信で組み立てたばかりの仁スタチューを指差しつつ) あと昨日の配信見てない人に言っておくと、Prime 1の──

E: ダイスの息子さん。

D: 僕の子ね。お父さんあるあるで「どうしていいやらわからん」って持て余したあげく、台座の上に放置してます。

W: ガチにダイスのアパートの5分の1ぐらいを占めてるよな。

(一同笑い)

E: まるで本物の子供さながら(笑)

D: もしくはうちのアパートが狭いかだね。その両方、ちょっとずつのせい。(レオナードとリーを見やって) ふたりってさ、どっちもお父さんなんだっけ?

(自分はそうだ、とジェスチャーで示すレオナードは、『ツシマ』撮影中に生まれた一児の父である)

E: リーは猫のお父さんだよね。

S: うん、猫のお父さん。でも子供は持ってみたいな。

D: 僕は子供持つかわかんない。

W: やめとけー。考え直しとけー(笑)

D: (笑)

W: 冗談。子供いるってホント最高だよ。

D: わぁー。

S: 僕も子供、大好きなんだよなぁ。



◆何気ない一言が流せなかったツジ氏

D: 「サインと一緒に、皆さんが演じたキャラクターのお気に入りのセリフか、心に残ったセリフを書いていただきたいです。私の一番好きなキャラは竜三です! よろしくお願いします」……最後はいらんでしょ!

(一同笑い。投げキッスの後、ツジ氏にお手振りする竜三役レオナードはご満悦顔だ)

D: リクエストじゃないじゃん! 聞かれてもないことをぉ(笑)

W: 真実だな!

E: あらあらー(笑)

S: ひっど(笑)

E: 誰に心の傷負わされたせいなの?(笑)

D: そうだよ、誰に心を傷つけられたの? 人間関係で病んでるんじゃ? 心配です(笑)

W: 何とも言いようないな(笑)

D: 竜三が好きだなんて、警察に相談行った方がいいかもよ(笑)

E: まあ、み〜んなワルにはコロッといくもんだよね(笑)

S: あー。

D: ああ〜。若くて、まだ分別ついてない年頃だとねぇ。

E: (笑)

W: 悩むなぁこれ……(このひとつ前の「個人的なモットーを添えてください」というリクエストを真剣に検討中。少し後に改めて購入者に感謝していた)



◆添え書きにみる4人の個人的なモットー

ツジ氏……「自分を大事に(Love Yoself)」
アール……「頭は曇りなく 心は開いて 芯は強く(Head Clear Heart Open Center Strong」
リー……「大事なのは優しさだけ(Only Kindness Matters)」
レオナード……「旅はたくさんしよう(Travel. A lot. )」 口頭での補足によると「それか、睡眠時間はなるべくたっぷりとろう」だそう



◆本日のリーの花柄シャツ裏話

「今日のために境井正っぽく顔ヒゲを伸ばそうとしたんだけど、仕事の都合でモミアゲは伸ばせなくって」とも語っていたリーからは、今回着用の花柄シャツにまつわるエピソードも紹介されていた。

S: このシャツの面白エピソードね。友達グループの5人くらいが皆、同じシャツ持ってるんですよ。全員同時期に買って、ふざけてお揃いの格好でしょっちゅう集まったりしてた。(下記ツイートのスレッド内に証拠写真あり)

S: 値段は10ドルぐらいだったかな。人生最高の10ドルの使い途だったと思う。

E: いいシャツだよね、どこで買ったの?

S: アマゾン。

E: (爆笑)



◆レオナード理想のバーガー

W: 不思議なんだけど、ハンバーガーのイラストのリクエストって来たことなかったんだよなぁ。

E: あー! でもさでもさ、僕から聞こうと思ってたことある。ほら独立記念日あったばっかだし、シーズン的にも夏だから、みんなバーベキューモードじゃない。レオナードの理想のバーガーって何?

W: 理想のバーガー?

E: そう。材料全部揃ってる状態でグリル台の前にいるとしたら、あるいは夏場の屋外料理をやるとしたら、どんなバーガー作る?

W: つまり、え? でも皆のって──

E: あ、菜食主義者なのはわかってるから。その上で──

W: ああ、自分用にってことか。

E: そう、レオナードの。ベジバーガーでもいいから、作るとしたら何のせる? レタスとトマトとベジ仕様パティとか?

W: ありがたいことにBeyondとImpossibleのパティ(どちらもビーガン用の100%植物性代替肉ブランド)がかなりいけるんで、それ使って。あとはそうだなぁ。全部のせにする。

E: (笑)



「献辞」で何だか紛糾する一同

ここでは仁が竜三にとどめを刺す直前のプリントを選んだファンより、「献辞(dedication)」を一緒に書いていただけると嬉しいです、というリクエストが。

D: 「献辞」って言葉を使う場合って、相手はどういうのを期待してるのかな? 僕は他の誰か宛てに書く言葉だと思ってたんだけど。

S: 僕も「献辞」と聞いて思い浮かぶの、それだな。

E: まあ実質、「貴様は死ぬのが衆生のためだ」なんかも献辞ではあるよね?(笑) こう──

D: はー。って言ってもさすがに実際書くのは気が咎めるような。

E: いやもちろん書けとは言ってないよ!?(笑)

D: (チャットからの提案などをチラ見しつつ) 「カカシと見紛うなりの男、竜三へ捧ぐ」か。あっ。「貴様は生きるのが衆生のためだ」はどう!?

E: おおー!! 物語の流れを変えてくわけね。

D: って言っても、この写真(仁と竜三のラストシーン)とビタイチ関係ないけど(笑)

E: もしかしたらそれ、仁と竜三がお互い、人知れず囁き交わしてた言葉だったりして。

D: 仁が竜三に対して言いそうではあるけどね、「貴様は死ぬのが衆生のためだ」って。

E: 確かに。それか「よお、俺もこんな真似したかないんだけどさぁ」とか(笑)

D: 「貴様は死ぬのが俺のためだ」?

S: 「来世で会おうぜ」とか。

E: 「来世はまだましだといいな」とか、「次はましな道選べよ」とか(刺す仕草)

(一同笑い)

D: このシーンで僕、何言ってたっけなぁ。(レオナードに)覚えてる? 僕はさっぱり。

W: (イラスト書きつつ)どのシーン?

D: 君が死ぬとこ。「僕らが」死ぬとこって言いかけたぞ、僕死なないのに。

W: 覚えてない。「竜三」って言って刀で刺し貫くんじゃなかった? あ、いやこっちが「仁」って言うんだった。

D:(チャットを見ながら)「さらばだ、竜三」か。

結局、購入者がイタリアの方ということでイタリア語で「Dedicato!」と添える形に落ちつくなどしていた。



◆レオナードへ質問: 竜三を演じて楽しかったですか?

W: 西洋諸国のアジアンにとっては──僕の場合はアジア系アメリカ人になるわけだけど──アジア内での方が明らかによりよく描写されているキャラクターを演じさせてもらえるって、思いもよらないことだったんですよ。僕もこれまで生きてきて、自分がサムライを演じることになるとは考えたこともなかったし。思いつきもしなければ、夢見たりもしないようなこと。黒澤映画を観たりはしていても自分がやるとは思わなかったので、願ったり叶ったりでしたよね。



◆リーへ質問: 正は歌を詠んだりするんでしょうか?

S: 詠むけど出来はまずいんじゃないかな。やっぱり──

E: はははは! 昔は詠んでたんだけど、仁のママに笑われた、とかありそう(笑)

S: 「もういいや」と(笑)。正も侍であるからには歌の嗜みぐらいあるつもりだったのに、奥方に見せてみたら反応がイマイチで、みたいな。

E: 本気で詠んだ歌だったのに、奥さんは(貼りついたような笑みで)「すばらしい歌ではありませんか。まあ、感服いたしました」って(笑)



◆ファンからのお祝いの言葉①

『ツシマ』2周年記念サイン会ということで、チャット欄にも視聴者からのお祝いメッセージが続々と寄せられていたのだが、以下はその一例。

W: 「最初にリリースされた頃に『ゴースト・オブ・ツシマ』のことをYouTubeで見かけて、」(読み上げていた途中で表示がスクロールされてしまい) あーーたんま!! 読みきれなかったかぁ(笑)

E: お、待ってて(スマホをチェック開始)。

W: でもようは「生涯最高のゲーム」って内容だったかと。

E: (チャット欄を遡り、続きを読み上げる) 「……初耳だったんだけど良さそうだと思って、クリスマスのプレゼントにお願いしました。今では生涯ベストゲームで、もう4回プレイしてます。すばらしい名作の記念日、おめでとうございます!」、ありがとうございます!

S: すごいなー。

D: (サイン中に顔を上げて)僕も! 4回プレイした!

W: ダイスの場合、自分見るの大好きなだけだけどな。

D: なんだとー。

S: (笑)でも美男子だもん、無理もないよ。

W: うん、それはそう。


◆リー宅のネコチャンたちは? からの

リー宅にはスパイクとヴィシャス(元ネタは無論『カウボーイ・ビバップ』)という2匹の猫がおり、今回のサイン会の購入ページでは「もしかしたら当日はうちの猫も出てくるかも」という予告動画も公開されていた。しかし、

S: うちの猫たちは登場するのか質問が来てますけど、今回は会場がダイスケの家になったので、残念ながら──

D: うちのアパート、ペット禁止でねー。

S: なので猫はうちで待機してます、ごめんなさい。でも猫って移動させるのも大変ではあるよね。

E: あー。それねぇ、リー『Stray』って見たことある?

S: ああ、ゲームの?

E: そう。その『Stray』コラボで、中の猫の様子がわかるキャリーリュックが発売されることになってるんだって。11キロから14キロくらいの猫も運べるようになってて、その見かけっていうのも、これなら猫も落ち着けるだろうなーって感じ(笑)

S: へえぇー。

E: で、あわせてゲーム内の猫が実際にしてる猫用ハーネスも発売になるらしいよ。最高過ぎる! ってもうワクワクしちゃった。猫好きなもんだから──

D:(サイン作業に没頭していたが、だしぬけに) ちっくしょお!

E: (爆笑)ダイス大丈夫?

S: 何があったの。

W: どした。

D: え? あ、いやね。日本語の僕の名前を漢字で書いて下さいってリクエストだったんだけど、「境井仁」ばっかり書いてた勢いでつい「境井仁」って書いちゃって。

W: 自分の本名なのに(笑)

S: (笑)

W: (反故プリントを指差して) もう宛名んとこ「竜三へ」って書いとけば。

D: (笑)これ欲しいの?

W: いいから「竜三へ」って。

D: どうしてさ。

W: (笑)やっぱもういい。

D: (笑)


◆みんなでアグロ・コンプリメント

D: チャンネルポイントを「アグロ・コンプリメント」に使ってる人がいる。これって普段の配信だと僕がミスター・アグロ(※)ってキャラに扮するんだけど、今はこの人からゲームに携わったみんなへの褒め殺しみたいだな。てことで読み上げるよ、(野太い声で) よくやった!! よくやってくれた!! ! 大したものだ!!!

(※訳註: ピンクのルチャマスクを被った、声が野太い修造だと思っていただければ良い。人をアグレッシブに褒め殺すキャラである)

S: (野太い声で) あんがとな!!!

E: (野太い声で) お前からのコメントにも礼を言おうじゃねーか!!!

D: (野太い声で)コイツはな、プロ級のゲーマーでいつも『ツシマ』の配信してやがるんた!!! 俺らの装具コンプも手伝ってくれたんだぜ!!

W: (素で)みんなWWEのプロレスラーみたいになるわけ?

E: (笑)「アール様のぉお!! 料理の腕をぉ!! タップリ味わいやがれぇぇ!!」(※)

(※訳註: 元は米プロレス団体WWEの看板レスラーだった「ザ・ロック」ことドゥエイン・ジョンソンの、現役時代の決め台詞。原文は「If you smell what The Rock is cooking」、日本語字幕では「ロック様の妙技を味わうがいい」と訳されていた。決め台詞扱いされる以前は「俺の言っている意味がわかるか?」ほどの意味で使っていたらしい)

D: (そのアールの手作りたまごサンドをもぐもぐしながら)なんかコトゥン・ハーンが言いそ。

S: 「ハーン様の料理」ね(笑)

E: 「ハーン様の料理」って何だろ、ありそう。

D: 自分の馬でしょ。蒙古は馬を料理に使うから。

E: (爆笑)



◆DC版未プレイのファンへの申し送り

D: (リクエストを読み上げて) 『ゴースト・オブ・ツシマ』、大好きな作品です! PS4でトロコンを達成して、今はPS5を入手し次第2度目の通しプレイとDC版の世界に飛び込む日を楽しみにしてるところです。ゲームの詳細についてとか、ダイスケから言っておきたいことなどあれば、何でも歓迎します」。詳細ね。そうだなぁ……。

E: 「呪師はいの一番に倒せ」!(笑)

(一同笑い)

D: そう、真っ先に呪師ね(笑)。

E: 何はともあれ呪師!

D: えーと、壱岐編はパンデミック下で制作されたので、前より大変なことも多かったかな。リーとも実際に共演する機会には恵まれなかったんですよ。

S: そこは残念だっだよねー。



◆『冥人奇譚』のセリフって?

こちらは「レオナードが竜三以外で声を担当した役は何ですか」という質問の流れでのやりとり。

D: 『冥人奇譚』での牢人のセリフってどんなだったっけ?

E: いや、たくさんあるよね?

D: あの……(手で空を掬いあげるような牢人の奥義のジェスチャーを無言で繰り返すツジ氏に、一同笑い)

E: (笑)仕草はわかるんだけどね!!

D: (チャットのコメントを読み上げ)「どうも、牢人です」(笑)

(一同爆笑)

E: いいな(笑)。そこで煙玉ね。

D: あ、「伊邪那美の」……?

S:(チャットを見て)「Stronger together(ともにより強く)」だ。

E: (牢人の真似で) Stronger together!

D: (レオナードに) ほら言って(笑)

W: ん? ああ、Stronger together! とかでいいの?

E: 今のにリバーブかけて、ちょっと加工したらドンピシャかな。

S:(日本語でチャットを読み上げ)「伊邪那美の息吹」!

W: 音声は加工されてるんだ?(※訳註: レオナードは『冥人奇譚』含めほぼ未プレイ)

D: そうそう。あ、日本語のセリフはたぶんレオナードじゃないよ。

W: そう、あれは日本のキャストの。

D: だね。(チャットを見て)「Don't worry, I'm here(案ずるな、儂がついておる)」もだ。

S: そうだった。

W:(牢人らしい声を作って)「Don't worry, I'm here!」

S: それだー。

W: これで合ってんのかな、実はまだ『奇譚』やったことない(笑)

E: あの、時々なんだけどさ、しかも確証はないんだけど、僕らがやった芝居の声が一部混ざって聞こえてくることあるような気がするんだよね。たとえば断末魔の声とかに(笑)。時たまなんだけど蒙古兵から聞こえてきたりすると、「おっ」ってなってる。



◆キツネのイラリク多めなツジ氏

D: (イラストつきサインをカメラに示して) はい、 キツネ描きましたー。こういうのの絵のリクエストだと、一番よく来るのがキツネだと思うんだけど。

E: 納得だよね。

D: なのに下手になってきてる気がする。

E: (笑)

D: 描けは描くほどウサギっぽくなってくんだよ。(確かに耳が長い)

E: いちおー動物ではある(笑)

D: 動物です。ウサギツネです!



◆ファンからのお祝いの言葉②

W: 「皆さんの素晴らしいパフォーマンスにお礼を言わせてください。『ゴースト・オブ・ツシマ』はひときわ厳しいCOVIDの波のさなか、フィアンセからプレゼントしてもらいました。ナースとして働いていた私が気持ちを保つことができたのは、『ツシマ』のおかげです。本当にありがとうございました!」

(一同、感じ入った様子で声をあげる)

W: エセンシャル・ワーカーとしてみんなのために頑張ってくれて、こちらこそ感謝してます。

D: あ! 僕らみんなね、COVIDの検査受けましたよ!

E: そー! みんなも喜んでくれると思うけど、全員で責任ある大人の対応ができて、僕も本当に嬉しい。今朝みんなとメッセージで話し合って、感染者数がまた上がって危なくなってきてるから、顔合わせる前に検査しようってことになって。以前DandEの動画編集やってくれてた僕のルームメイトも、数週間前にCOVIDになっちゃってさ。

D: えー、そうだったの!

E: 陽性になってたのは半月前だから、今は大丈夫なんだけど。本人は自己隔離、他のみんなも避難したりして2週間半かかったかな。

W: 僕も3月にかかった。

E: やれやれだー。

D: 行動に責任をもつ冥人たち!

E: という心がけでいます!

(※註: PCR検査、抗原検査も含め、現在利用可能なCOVIDの検査方法には常に精度の問題が伴い、結果も100%正確とは限らない。無症状者が検査を行う場合はとくに事前確率が低いので注意が必要。詳しくは国立感染症研究所の資料を参照のこと)



◆リーへ質問: 境井正を演じるにあたっては、どのように役作りをしましたか?

S: 侍映画の名作と、クリント・イーストウッドの『名無しの男』みたいな西部劇の名作を見返して、ストイックな戦士を目指してましたね。正って、千代がいないと自分の武士以外の側面を表現する伝達手段がなくなってしまう人なんですよ。本人の中にそういう気持ちがあっても、どう表に出せばいいのかがわかっていない。だから、傍目には必要以上に厳しい人だと思われていたとしても、正は正で仁のことを愛してはいるんです。ただ、仁を武士にすることでしかその気持ちを表現できずにいる。彼自身も武士であることが全てで、武士の務めを尊いものだと思っているから。仁を一人前の武士に育て上げることが、正にとっては愛の証なんです。もしかしたらそれは最善の途ではないんじゃないか、ってことも、朧げにしかわかってないんですよ。僕の正に対する見方としては、こんなところかな。



◆派生トピック:昔のお父さんと今のお父さん

D: 今のリーの話に、僕からも補足がある。ライティングも一因だと思うんだけどさ。壱岐編はもう2度目ってこともあって、キャスト陣の多くは、前より遠慮のない調子になってたと思うんだよね。僕もそうで、正のことも「もっと感じ悪くていいんじゃ?」ってなってたよ。「僕のリアル父なんかね、正よりずっとそっけなかったよ」って(笑)

(一同笑い)

D:「アジア系、日本の父親の実態わかってる? 子供相手に時間割くとかしないから!」みたいな(笑)。あ、父のことは大好きだよ。本人ただ仕事頑張ってただけだからね。

E: うんうん。

W: まあ、父親のこと好きなのは同じだけど、あるにはあるよなぁ。感情をあまり表に出さないとこ。

E: 根も葉もない話ではないよね。父親が感情を抑えがちだったり、厳しかったりするのって。雑な思い込みや固定観念って言われたらそうかもだけど、元を辿れば自分たちが身をもって経験したことに根ざしてはいるし(笑)

S: ただ面白いのはさ。「アジア系のお父さん」って位置づけにされてる父親像って、普通に世間一般のどこにでもいる父親像と変わらない気が、かなりしてるんだよね。

E: 確かにそう。

W: うん。

D: あー! そうだね、世代的なものかぁ。

S: 「中西部気質のお父さん」にしても、「オーストラリア人らしいお父さん」もそうでしょ。

W: まったく、父親ってヤツは。

(一同笑い)

D: メンタルヘルスの問題に意識的になったり、もっとちゃんと対応するようになったのも僕ら世代って気はする。やっぱり世代的なものでさ──今大人になってみて思うと、なんで自分の親の世代は違ったのかなと。

W: うちの娘にそのへん文句つけられたら、マジたまったもんじゃないわ。

(一同爆笑)

W: もーね、「今どんな気持ち?」「気持ち的にはどう?」「どうなの気持ちは?」ってやってるから。

D: そうなんだー(笑)

W: ただ娘の方は「いいからほっといて」って感じ。

E: 「私の気持ちなら、パパへの憎しみでいっぱいなんですけど!?」(笑)

W: (笑) そこまで行ったら父親のやるべきことをやるだけ。問答無用でセラピーに突っ込む。

D: その通りー(笑)

E: ただしセラピー受けさせた上で、俺がついてるぞ! ってことだよね。

W: そういうこと。

E: そのために側にいるぞ、と。親の方だって気分屋のティーンエイジャーだった時代があっただけに、人から何言われようとまともに取り合うわけないってわかってたとしても(笑)

D: (笑)

W: まぁそう。

E: でもこっちはもう大人だから。

D: (サイン書きながら) それに完璧だからー。

(一同笑い)

E:バランス感覚に優れた大人なんで!

D: (笑)



◆累計ほぼ1000万本セールス達成おめでとう?

サイン会も後半になって、ビールからウィスキーへ移行しようとする一同。

D: (ショットグラス、おちょこ、ぐいのみなど小ぶりなサイズ感の器を持ってきて、まずアールに) はいこれ……あ! やっぱシェイクスピアのやつあげる (キッチンへ逆戻り)

E: (爆笑) ダイス認定「ウィスキーにふさわしい容器」があるのね(笑)

S: (レオナードの赤い顔を見て)けっこう赤くなるんだねぇ。

W: そう。でもまだまだ赤くなる余地あるから。最近全然呑んでなかったんで、それも祟ってるかも。

D: (リビングに戻り、アールにシェイクスピア柄ショットグラスを渡し) はい。

E: おーー。(笑)シェイクスピアだ!

D: (レオナードに黒のシンプルなおちょこを渡して) 一番つまんないのやる。

W: (普通に受け取って)はいどうも。

D:(リーには金色のぐい呑みを渡す) パパには金色のあげます。

(両手で受け取ってお辞儀するリー)

E: パパは金色、竜三は黒なのいいわぁ(笑)

D:(自分の分のグラスは自コミュニティのグッズ) 僕のはDandE Sagaのグラス。

E: イエーイ!

D:(またキッチンへ戻り、画面外から声が) 昼呑みだー!!

E: 昼呑みだねー。っていうかみんな、ハッピーサンデー。

S: (『冥人奇譚』マルチのエイムに自動補正を使うのはアリかナシかというチャットの話題を見ながら) ゲームはやっぱり裾野広く楽しめないとね。自動補正使おうと何だろうと、みんなが遊べるように。

D: (日本の「神息」ウィスキーの瓶と、台湾の「金車」ウィスキーの箱両手に、キッチンから戻ってきて)ウィスキー、2種類あるけど。ひとつは日本のウィスキー、もうひとつは……台湾のかな?

E: 「金車」かぁ。日本のでいこ。

W: うん日本ので。

D: オッケー。

W: (チャットを読み上げて)「レオナードが調理済みのロブスターになりかけてる」(笑)

E: (爆笑)

W: そう、呑むとねぇ。

S: (金のぐい呑みの縁を指差して)僕もフルでここまでとかは必要ないな。

この後「販売累計ほぼ1000万本達成おめでとう」と乾杯するにあたり、ツジ氏が何やら「僕らには1セントも入ってこないけどな!」的な冗談口を叩いたらしく、キャスト一同が軽く笑い死んでいたのだが、音声が飛んで詳細がよくわからなかったのは残念だった。



◆白人版竜三はグレン・パウエル?

こちらはサイン会の数日前、ツジ氏とアールの雑談中に生まれたネタ質問「もし『ゴースト・オブ・ツシマ』が中世ヨーロッパ風ファンタジー作品になって、キャラも移植するとして、それぞれ自分の役のキャスティングを一任されたとしたら、誰を白人版の自分にする?」という話題。自キャラ以外でも誰が誰に良いかめいめい考えるうちに、

S: 竜三にいいの思いついたかも。(確認のためにスマホをポチポチしだす)

W: うんといいやつ頼むぞ、リー。

S: (確認終了) グレン・パウエル。

E: おー!

W: (笑)面白い! いや正直、出演作は『トップガン(マーヴェリック)』以外まだ見たことないけど。

S: 『トップガン』ね、うんうん。

W: 面白いなあ。

E:(スマホで情報チェックしながら) おっ。あの人『ダークナイト・ライジング』出てたんだ?

W: 小さい役?

E: うん、小さい役だけど。

S: 記憶にないな。

E: 僕も。彼のIMDb見てるだけ(笑)

S: (白人キャスト版『ツシマ』のタイトル大喜利中のチャットを覗いて)『ゴースト・オブ・ビバリーヒルズ』に『蒙古の用心棒』(笑)

E: (笑)『蒙古の用心棒』はなんか別の種類の映画っぽいなぁ(笑)。……あの(笑)なんかさ、グレン・パウエルってシルヴェスター・スタローンからアドバイス受けたことあるらしいよ。「前腕と僧帽筋さえ筋骨隆々にしときゃ、カメラ映りがガッチリして見えるぞ」って(笑)

(顔を見合わせ声もなく笑うのは、レオナードとリーのワークアウト頑張ってる組)

E: 前腕と僧帽筋か、頑張んなきゃだよレオナード(笑)

W: 笑える(笑)

(※訳註: グレン・パウエルはデビュー作である『スパイ・キッズ 3』や『エクスペンダブルズ 3』でスタローンと共演しており、俳優、脚本、プロデュース、監督業までこなすスタローンのマルチな活躍ぶりを尊敬しているそう)

ちなみに典雄には『ゲーム・オブ・スローンズ』サム・ターリー役ジョン・ブラッドリー、同じく『GoT』繋がりで仁にはジョン・スノウ役キット・ハリントン、正には40代当時のクリント・イーストウッドの名前があがっていた。



◆派生トピック: レオナードによる『トップガン』考

W: (何やらしみじみと) あの映画でのグレンさ、つくづく感じ悪い奴だったよなー……。

E: (大爆笑)

W: すんごい良い仕事してた。

S: うん、出色の出来で。

W: 映画最高だったもん、ほんと最高。出演者みんな良かった。

S: (前作の)『トップガン』超えたでしょ。

W: 公平を期するために言うとさ。自分よりずっと下の世代の子らと話してみたら、彼らは「前作観てなくて」って感じなんだ。僕は「いや、別に観る必要もないよ」と。でもそれ以上に、『トップガン』のいちファンとして罰当たりな言い草かもしれないけど、こうも言ったんだ。「リアルタイムの時代に見てないとわからない映画だし」って。だって典型的な80年代映画じゃない。テーマらしいテーマがないって意味じゃ(笑)

S: (笑)

E: 悲劇を軸に展開する話にはなってるんだけどね。ある意味。

W: ある意味ね。でも80年代要素がとにかく強いでしょ。冷戦下だったり、アメリカ的な強さの誇示だったりってまさにその時代のものだし。

E: 雰囲気映画みたいなとこはある、すごく。

W: そう。その意味ではほとんど、あの作品なりの形でのミュージカル映画になってるんだよ。文字通りピアノ弾いて歌ったりもしてるけど、それにも増してミュージカル曲っぽいのって、たとえば──誰だっけ、「Take My Breath Away」歌ってるの。

S: Take my breath away〜♪(笑)

E: (笑)

W: 使われてる歌の全部が、ある意味ミュージカルなんだよなぁ。




◆アイスマン推しだったレオナード

ワークアウト中にもハロルド・フォルダーメイヤーによるテーマ曲を聴いているというレオナードの『トップガン』語りは、まだまだ続く。

S: (トム・クルーズを起点に、時代時代のセックスシンボルが誰だったかという話題でひとしきり盛り上がった後) ヴァル・キルマーだって相当な色男だったよねぇ。

E: ああ、ヴァル・キルマーね!

D: そうだよねー。

W: 面白いんだけど僕の中国名、ウー・リーピンって言ってさ。「ピン」の字が「冷たい氷」って意味の漢字と同音異義語になるもんだから(※訳註: おそらく「冰」。ちなみにレオナードの中国名の漢字表記については以前、台湾の視聴者の方より「吳禮斌」ではないかとご教示いただいた)、メルアドの中にも「iceman」を使ってるのがあったりして。

E: あらー!!(指をスナップして大喜び)

W: アイスマンTシャツも多分まだどっかにしまってあると思う。ぶっちゃけ、十代後半あたりにはアイスマンを気取ってた時期もあるくらい(笑)

S: (あったかい目で頷いている)

E: (同じくあったかい目で)え〜いい話だなあ(笑)

W: 彼のカッコ良さ、ハンパなかったもん。

E: 僕さ、『Val』すごい観たいんだよね。

(※訳註: ヴァル・キルマーの半生を描いたAmazon Primeのドキュメンタリー映画。制作はA24、日本では残念なことに未公開である)

S: あれ良かったよ。

W: うん良かった。

S: 悲しい映画だけど。

W: そう、悲しいんだよなぁ。……ヴァルのパフォーマンスや、これまで成し遂げてきたことを考えると、あんまり世間の話題にもなってないし。『トゥームストーン』のヴァルなんか絶品だよ?

(※訳註: 1994年作の西部劇『トゥームストーン』でのヴァル・キルマーは、カート・ラッセル演じるワイアット・アープの親友ドク・ホリデー役。肺病病みで終始顔色が悪く、破滅的な一面がありつつも友情には厚い男を演じた)

S: あれもまたヴァルの、100%間違いなしの男前っぷりがすごい役だった。

W: 100パーそう。100パーそう。

ここからさらに他出演作『ウィロー』(1988年作のファンタジー映画)の戦士マッドマーティガン役にも話が及んだのだが、レオナードはヴァルが演じた役の中でも、とくにニヒルだが非情になりきれないサブキャラに感銘を受けていたらしい。ついには先程の「自キャラの白人版は誰に演じてもらいたいか」という質問に絡めて、

W: 自分としては、竜三はヴァルに演じてもらいたい!

とまで。レオナードの中にあった竜三の要素には、もしかするとヴァルが演じたアイスマンやドク・ホリデー、マッドマーティガンが混ざっていたのかもしれないな、と大変興味深く思った次第であった。



◆一方その頃のツジ氏は

『高い塔の男』の皇太子プリントを猫のイゴール仕立てにする作業に没頭していた。

W: (ヴァル語りにきれいなオチがついたところで、ツジ氏の手元を覗き込み)……とか言ってるうちにダイスが自分を猫にしてるな。どうなってんの?

S: だね(笑)

D: いや、イゴールをリクエストされてさ。

E: おっ、イゴールタイムね。

D: あとなんかセリフを言ってもらいたいみたい。「コロス」(日本語)って。

E: コロス(笑)

D: そんなことしていいのかな、とも思ったけど、問題なさそう。殺すとか言っても。

E: 殺してやるー! かぁ。でもこれ見てみると──

D: ダメ?

E: いや(笑)、かなりイケてる猫化だと思うよ。

W: それ、視聴者のみんなに披露とかしてた? 放ったらかしになってごめん。

D: いやあ、大丈夫だって。

E: (ウソ解説開始)えー、最近のキャスティング資産のうち最大の部類がダイスのことでして、彼『キャッツ』にキャスティングされました。

D: ですね、『キャッツ』に。

E: こちらはデザイナーからシェアされたデザイン画となっておりましてぇ、って(ツジ氏が完成図をカメラ前に示し、爆笑)いい新デザインだなぁ(笑)。新プロダクションの『キャッツ』デザイン案になりまーす。

D: 皇太子になったイゴールです。 皇太子になるのも納得。

E: まさに「猫神の仮面」(笑)

D: ありがとうございますー。コロス(笑)

E: コロス(笑)。イゴールならそのセリフ、どんな風に言う?

D: ん? 普段は英語だからなー。(イゴール声になり) そー。こんな話し方でぇ、コロス。(なぜか目を閉じて)コロス。……って感じ(笑)

E: (笑)

D: (やはり目を閉じて) コロスゥ……。

E: なんかさらっとしてんのね(笑)。「殺す」って。粛々とお知らせしてる感じ(笑)

D: 殺すこと自体はやることリスト入りしてて、やらなきゃとは思ってるけどやる気が出ない、みたいな感じ。いずれ殺るけど。



◆派生トピック: 『キャッツ』ケツ穴カット

2019年の実写映画版『キャッツ』は、近年稀に見る「クソ映画」として何かとネタにされているのだが、一番問題になったのは「擬人化された猫のキャラクターにはもともと肛門がついていたのに、公開直前にデジタル修正が入り抹消された」という話。公開に間に合わせるため無理なスケジュールでの労働を強いられたVFXアーティストからの暴露があるやいなや、SNSは怒りの「#ケツ穴カットを公開しろ」ハッシュタグで溢れかえった。なおこのハッシュタグ自体、『ジャスティス・リーグ』の監督交代劇にまつわるハッシュタグ「#スナイダー・カットを公開しろ」が元ネタであったりする……と、ここまでが前置き。

W: (チャット欄に例のハッシュタグが現れたのを見て) 「ケツ穴カットを公開しろ」? って何のこと?

E: 『キャッツ』のだよ(笑)

S: そういうことね。

W: あー! 『ゴースト』の方で何か見落としてることでもあったのかと思った(笑)

D: 『ゴースト』ケツ穴カット?

E: 『ゴースト・オブ・ケツ穴カット』……(ツボにハマってしばし大笑い)



◆レオナードよりステキなお知らせ

W: (チャットでマーベル映画の話題を見ながら) 『シャン・チー』の話してる人がいるみたいなんで、ちょっと発表したいことがある。自分で公にするのはこれが初めてになるんだけど──

D: (サイン書きしつつ) ああ、うんうん。『シャン・チー』のオーディション受けたの?

E: (笑)

W: いや違う、『シャン・チー』の話じゃなく(笑)。

S: それはわかる(笑)

W: 噂とかフェイクニュースはこうやって作られるんだろな、って違うんだよ(笑)。じゃなくて、自分で公にするのはこれが初のことで、みんな(ツジ氏たち)はもう知ってるんだけど──僕、(Disney+のドラマ)『American Born Chinese』のキャストに参加しまして。

(歓声をあげて祝福する一同)

D: イエーイ! って言って大丈夫なの?

W: 大丈夫。それ以上のことは言わないけど、『シャン・チー』のキャスト、スタッフがたくさん関わってる作品なんだよ。監督も『シャン・チー』のデスティン・ダニエル・クレットンで、エグゼクティブ・プロデューサーも兼ねてる。スタントチームも『シャン・チー』と同じ面子で、アクションがとんでもないことになってます。

D: イエーイ! レオナードが出ます。公開がいつかはわかってるの?

W: えー、来年の1月。

E: 1月ぅーー!!

S: 何だよー、もっと早くてもいいのにな!(笑)

E: 公開まであと5、6ヶ月かー。

W: うん。他のことは言えないけど、ここにいる仲間うちには撮影の様子の写真類を見せたりしてて──アールにはビデオも見せたっけか。

E: うん、見た見た。

D: 僕もあのドラマ、ある役でオーディション受けたんだよねぇ。

W: あ、そうだったの?

D: 他の人に決まったけど、あとで誰か知ったらそりゃそうなるよなって人で(笑)

W: どの役の話か、わかるよ。何かこう、納得のキャスティングではある。

D: うん。そう。そうなんだよ。(小声)そうなんだけどね……。

(一同笑い)



◆サインリクエスト:「境井家一門の最後の言葉をお願いします」

こちらは『ツシマ』のエンディング関連のリクエスト。ネタ元はもちろん最終ボス戦間際、志村に和歌を記すよう促されるシーンで、原文では「It's time. Write the last words of clan Sakai.(今こそ境井家一門、最期の言葉をしたためるがよい)」、日本語版の志村のセリフでは「受け取れ。最期の言葉をここに記すがよい」となっている部分だ。

D: 「境井家一門、最後の言葉を書いて下さい」っていうリクエストが来たんだけど、ふた通りの可能性を考えたんだよね。「境井家一門最後の言葉は何だったでしょうか」的なクイズなのか、それとも僕の解釈で考える「最後の言葉」でいいのか。で、そのふたつの組み合わせで考えてみることにしました。両方のエンディングを確認してみたら、志村殿の撃破後に仁が言ってる最後のセリフって、殺す場合を選ぶと──

E: ネタバレだ!(笑) 知らない人がいるとアレだから言っておくけど(笑)

D: 確かにネタバレ(笑)。ここに来てる人ならもうわかってるだろうけど。で、志村殿を殺すと、何て言われるんだっけ。"Find me in the next life."(「来世で会おうぞ」、日本語版では「浄土で待っておるぞ」)か。で、仁は"I will."(「そういたします」、日本語版では「はい」)って返すんだよね。それで助命すると "The Ghost will be hunted for the rest of his days."(「冥人は生涯追われる身となるのだぞ」、日本語版だと「これから先 罪人として追われることになるぞ」)と言われるので、仁の最後の言葉も"I know.(「存じております」、日本語版では「承知の上」)になる。ということで、僕は"I know I will."(「きっとそういたします」、または「必ずやそうなりましょう」)って書こうと思います。

E: (笑)「きっとそうする」かぁ。

D: それが境井家一門、最後の言葉ね。意味は何だかわかんないけど、何か詩的な響きになったので。



◆派生トピック: 赤白エンディングアンケート

D: あ、ここで簡単にアンケートとってみるね。前からやってみたかったんだけど、『ツシマ』にまつわる、ごく基本的な質問。「(志村を生かすか殺すか)どっちのエンディングがいい?」です。基本中の基本だけど、このチャットの意見を聞いてみたい。「どっちがよりいいか(better)か」ね、「どっちがより正しいか」じゃなく。

W: どっちの方がいいか?

D: そー。

E: 「どちらをより楽しみましたか」とか?

D: うん。でもただ──

E: 「よりいい」ね。「よりいい」の定義は何であれ(笑)

D: そう。わかんないけど。回答時間は5分内ね。(笑)なんか、ゲームのエンディングを配信でやってる感じだなぁ。これで今日の配信しめくくってもいいかも。

アンケートの結果は、75%が赤エンディング派(白派が13人とのことなので、母数は少ないだろうが)。自身赤エンディング派のツジ氏的も納得いったようだ。

D: 僕も同じで、やっぱり志村殿を放免するだろうし。「生かす」の方がいいエンディングだと思うかな、うん。

E: まあでも実質的には、Sucker Punchもそっちが公式エンディングって言ってたりするしね。

D: 実質的って、Sucker Punchがそう言ったの?

E: 確かネイト(・フォックス、クリエイティブ・ディレクター)が言ってたはずだよ。じゃないっけ?

D: ネイトはね。

E: だっけ? ネイトが、だった気がする。じゃ「Sucker Punchが」は言い過ぎかな(笑)。でも僕も「殺す」エンディングでの通しプレイやったけど、満足感あったよ。




◆改めてスタチュー鑑賞

アンケート結果を待つ間、席を立ったレオナードがまじまじと仁スタチュー鑑賞タイムに入る傍らで、

E: 僕、この仁に帽子作る気でいるんだよね〜。

D: 帽子?

E: トンチキなやつをシリーズでさ。ちっちゃいカウボーイハットとか(笑)

W: (スタチューを鑑賞しつつ)今後あったりするのかな、「ジャグジーに浸かる境井仁」スタチューとか。

E: 「温泉の境井仁」?(笑)

D: 「温泉の境井仁」(笑)

E: いや、このレベルのディテールで「温泉の境井仁」はちょっと危険なんじゃ? わかるでしょ(笑)

(一同笑い)

D: うん、どっちからも見れちゃうからね。

E:もうすでに温泉に浸かってる風にして、泡で誤魔化したりとかしないとかも(笑)

D: なるほどだ(笑)

E: あとミニどくろも用意したいんだよね。手に持たせて(ハムレットが旧知のヨリックの頭蓋骨を見つめながら言うセリフを引用して)「ああ、哀れなヨリック。こいつは俺の知り合いだったんだ、ホレイショ。際限なく冗談を飛ばす奴さ」(笑)

D: それいいなぁ。

E: あ、これ面頰は着脱できるのかな。

D: それができないんだよー。

E: ああ、じゃあ別の腕と手パーツがあったりするやつ?

D: うん、別の腕と手つき。面頰つけてる方の顔パーツ用のね。

このあたりで、ツジ氏よりあらためて説明が。

D: これね、Prime 1が1体送ってくれたとかじゃなく、僕が自費で購入したやつだから。値段は高いよ(笑)

E: 投資したわけだよね、自分の息子にそうするように(笑)

D: そう。ただ経費にしとく。だから後ろに置いといてんの、見せとかないとだから。商用で使ってるってことで。

S: (隣のレオナードに)竜三にこういうのってないの? なきゃおかしいんじゃ?

E: だよねー。

W: いやいや。

S: ファンの間では人気キャラなんだし。

E: Funko Popとかならありそう。

W: Popとかなら全キャラやりやすそうではあるけど、どうかね。

E: 何か起こるかわかんないからねぇ。

S: (アールに向かって) でもFunko Pop化されるっていったら典雄も入るでしょ。

E: そうねぇ。ここまで来たかって気になりそうな、ってダイスはもうその域に到達してるわけだけども。

D: (笑)

E: (レオナードに向かって) でも君は多分なるでしょ。

S: うん、なるなる。

E: 『American Born Chinese』の方で。

W: あ、『ABC』のか。

E: ならない理由がないじゃん。

ということは、『ABC』でのレオナードはかなり目立つ役を演じているのだろうか? 『ツシマ』にしても公式ライセンス商品としてグッズ化されたキャラクターは、仁以外だと今のところゆな(ピンバッジ)と狐(ぬいぐるみ)だけのような気もするので、よいニュースを待ちたいところだ。




◆終わりに

D:(複数人サインのプリント数などを確認し終わって) OK。じゃあこれで配信はおしまいかな。終える前に何か、やっとくこととかある? 仕事のこととか。

S: (カメラに向かって)今日は皆さんと一緒できて、楽しかったです。

E: あ、リーもだけど、みんな今やってる仕事なんかで何かあれば。話しときたいこととか。

D: 何か売りたいとかでも(笑)

E: 『Hot Ones』のエンディングみたいになってるな(笑)。「このカメラでも、このカメラでも、このカメラでもいいので、何でもどうぞ〜」って。

(※訳註: 『Hot Ones』はショーン・エヴァンズ司会の人気YouTube番組。激辛ソースをかけたホットな手羽先を食べながらホットな質問をするインタビューが名物)

W: 次にまたこういう機会あれば、自分たちなりの『Hot Ones』やろ。

S: うんやろう。

E: あー。僕も考えたことある。昔ながらのパネル・ゲームみたいなの。日本や韓国のトークショーであるやつなんだけど、お寿司とかシュークリームとかをたくさん並べて、他のは普通の味なんだけど1個だけ大量のワサビ入りなの(笑)。やるんならああいうのとか良いかも(笑)

という不穏な話が出ながらも、最後はにこやかに手を振って配信をしめくくった4人であった。