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ようやく香港へ 再度の凱旋

日本へ一時帰国してから3ヶ月半かかってようやく香港へ戻れた。やっぱり香港に住みたい、戻りたい、と思う方(いるのか?)への情報提供として私がどのように準備したのかを書いておく。

香港に戻る準備その一 資金

カナダ留学でお金を使い果たしてすっからかんで日本に帰国。香港に戻る為のチケット代はもちろん、香港で部屋を借りる為のお金を作らなくてはならない。まずは仕事探しから。

できるだけ早く香港に戻るつもりでいたので正社員や長期の仕事には応募せず、短期バイトや日雇いの仕事を探すことにした。しかし日雇いの仕事は法令で原則禁止され、例外として応募できる対象にはへんてこりんな条件が課されていた。
1. 60歳以上か学生
2. 副業でする場合は生業収入が500万円以上
3. 非世帯主の場合は世帯の収入が500万円以上
ちょっとざっくりなので正確なものは厚労省の資料をご参照されたく。https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000644420.pdf

日雇いバイトには応募できないとなり、短期バイトを探す。派遣のシステムがよくわかっていなかったのでとにかく派遣会社に片っ端から登録した。というか、バイト求人サイトから応募してみたら派遣会社だった、というのが実際のところ。

今回採用された主な仕事は下記(一日で辞めた現場は除外)

1. 会社の直接雇用短期バイト(交通費は実費支給)
・洗濯屋の洗濯物捌き:時々重い物あり、申請制で残業可
・サンドイッチ工場のライン:ラインに入るとそうそうトイレに行けない
・家具屋の品出し:初日から売り場でお客さんにいろいろ聞かれるがどこに何を置いてあるのかさえわからずストレス

2. 派遣会社経由のバイト(交通費自腹なのでチャリ通勤した)
・100円ショップのレジ:フランチャイズなのでシフトによって別店舗勤務あり、店舗ごとにレジのシステムやポイント・カードの扱いが違って複雑

それぞれのシステムに長所があるとは思う。会社直接雇用のバイトの最終日に「このまま長期でどう?」とお声掛け頂いた。長期に変更できる状況なら、次のバイトを探さずとも決まるのは樂でいい。派遣会社経由の場合も、上がってきたスケジュールを見て自分が入りたいシフトの日時を申請するシステムだったので、自分の都合でフレキシブルに働けるのはありがたい。働き方としてはどちらにも利がある。

しかし日本の時給は本当に安い。カナダから帰国した当初は物価の安さに片っ端から驚いたのだけれど、働き始めてからは稼げるお金と物価のバランスの悪さに驚くことになった。カナダに留学する前に比べて、時給は上がっていないのに物価がえらく上がっている。必死で働いても食費や生活費を払えば手元に残るものは少ない。結局3か月半ほど日本であれこれバイトして香港での資金として手元に残ったのはHKD10,000(約20万円)ほど。

香港に戻る準備その二 Air Ticket

香港へ戻る為には、まずはAir ticket。旅行サイトなど見たけれどAir Lineのサイトで直接買うのと同じ値段ばかりだったので、何かあった時に直接問い合わせしやすいと思い、Cathay Pacific直接購入にした。ほぼ引っ越しなので預け入れ荷物23kg x 2個のプランにして、機内持ち込みには制限ギリギリのボストン・バッグと小さめ(実は全然小さくない)バッグをそれぞれ一つずつ。

香港に戻る準備その三 住居

そして部屋を借りる準備。日本に戻って早々から28.HseやFB Market Placeなどで相場を観察。ホテルの月租も案外安いと聞いていたけれど、HKD8,000程度でさがしていたので、そんな価格帯のホテル月租は無し。

魅力的な物件は28.Hseなどにもあったのだけれど、一般の業主物件だと「在職証明書」か、それが無ければ「残高証明書」を要求される。まぁ業主からすれば定収入もしくはある程度の貯蓄のある人にでないと貸せないわよね。

カナダと日本の生活ですっからかんの私は「残高証明」など出す方がまずい。まだ日本にいて香港での仕事を始めていない状況で在職証明書など取れるわけもない。在職証明書が取れるまで安ホテルで繋ぐのもなんだかもったいない。なので両者の不要な物件を借りることに。

2019-2020年に暫く戻って来ていた際に利用していた会社を今回も利用。
All Inn One
いわゆる劏房という住居を運営している会社。自社で唐樓の部屋を買い、それをいくつかに分割して劏房を作って賃貸している。主に灣仔、銅鑼灣の物件が多いけれど九龍側にもいくつか物件を持っている。自社物件を直接賃貸しているので不動産屋のようなコミッションは不要。在職証明書も銀行残高も不要。Depositは、3ヶ月契約なら1ヶ月分、半年以上の契約なら2ヶ月分。All Furnished(家具、布団、冷蔵庫や電子レンジといった家電付き)、水道電気代wifi代込み。浴室付き。トイレとシャワー・ブースが自室にあるので共用しなくて済む。ドラム式洗濯機付き。洗濯機が部屋の中にあるのでいつでも好きな時に洗濯できる(一部、廊下に洗濯機が設置してあって共用になっている部屋もあり)。本当にスーツケースだけで飛び込んでも生活を始められる。お金に余裕の無い私にとって、初期投資ゼロで生活が始められるのは実に助かる。私は前回滞在時に担当者ととても仲良くなったし、賃料の遅延も無く、部屋を綺麗な状態で返しているので優良顧客。そんな私がリピートということで大歓迎してもらった。対応も良いし、物件も綺麗なので、とても快適。こちらで部屋を探しているという友人には必ず紹介している。

日本にいる時から連絡をして、私の予算に合う部屋の写真をたくさん見せてもらい、その中からチョイス。うまい具合にその時ちょうど新しく作っている部屋を紹介してもらったので、こちらに戻って入った部屋は新品の部屋。とても狭いけれどロケーションが超良かったので、それはそれで満足していた。その後暫くしてまた新しく出来た部屋があるから、そちらへ移らないかと声を掛けてもらって現在の部屋へ。少し大きくなって賃料も少し上がったけれど、この大きさでこの賃料はありえないというお得物件。隣の部屋の住人がドアの開け閉めが手荒くて音がうるさい以外は問題無し。

香港に戻る準備その四 仕事

JobDBなどでローカルの会社も探しつつ、日系の人材会社にもあたってみた。CVはカナダで使っていた英文のものをそのまま使えたのがラッキーだったと思う。日本語のものしかなければ英語にするのに時間がかかる。香港で仕事を探そうと思われる方は英語のCVも先に用意しておいた方が良いと思う。

日本と香港を繋いでのオンライン・ミーティングで登録し、仕事の紹介を受けた。探した期間は案外長かったけれど、仕事はいつからでも始められますよ、決まればすぐに飛びますよ、という条件を提示していたので、とある一社とミーティングしてその日のうちに決定して数日後に香港へ飛ぶ、というまあまあ順調な運びで香港へ戻って来れた。

この会社は1ヶ月半で辞めた。映画の現場通訳の仕事が入ったから。やはり自分が一番好きな仕事をやりたい。辞職を願い出た際も「大好きな映画の仕事から声がかかったのなら仕方ないね」と気持ちよく送り出して頂いた。ここでは香港在住日本人の方たちとの素敵なご縁も頂いた。

ということで、三度目の正直の香港。多分もう暫くここで生きることになる。やっと帰ってこれたのだから。

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