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空色の犬を連れた『愚者』☆光るくちばしのパフィン

古からあるマルセイユ・タロットですが、その叡智が現代科学で再発見される部分もあるようです。

今回の『愚者』はとても面白いカードです。

空色の犬


腰の辺りにじゃれついている空色の犬らしき生き物を見てください。

『愚者』

目の描かれ方が不思議な感じなのを下の部分挿絵で見て下さい。

口元の描かれ方も。

(挿絵に線を追加)

お持ちの方はぜひカードでよく見てください。

こちらは挿絵ですが、実際のカードではもっとジト目で描かれています。

目に黒線がある空色の犬

目の上に黒線が横一本で描かれています。

以前から、どうしてこういう風に描かれているのか疑問に思っていました。

例えば『月』のカードに描かれた犬の目ではこのような描き方はされていないからです。

それに、この犬の前足の下には飛膜のような黄色い部分も付いています。

飛ぶのかな?空色だし。。。と調べていくと、パフィンという鳥の記事にぶつかりました。

どうやらパフィンの情報や新発見がこの先の解釈のヒントをくれそうです。

パフィンは海のピエロ


パフィンはその際立った顔の様子から「海のピエロ」と呼ばれることがある海鳥です。

その愛称は、『愚者』が道化師の衣装を着ていることにも通じます。

目にも黒線のように見える部分があります。

また、白と黒の羽毛が修道士の僧服を思い起こさせるところから、パフィンの学名は「小さな修道士」を意味するラテン語の「Fraterculaフラテルクラ」なのだそう。

光るくちばしをもつ


パフィンのくちばしの方を見てみましょう。

上から何かを重ねたように見える変わった形状をしています。

以前に、こちらのニュース記事で見つけました。

そのくちばしの一部は、ブラックライトを当てると空色に光るらしいのです。

パフィンの光るくちばしのヒントを『愚者』のカードに当てはめてみると――

空色の犬の「空色」は肉眼では見えないものなのかも知れません。

ブラックライトのような「照らし出す力」がなければ。


空色を照らす力をもつ『隠者』


マルセイユ・タロットの大アルカナ22枚の内で、ライトを持っているのは『隠者』です。

『隠者』はランプを掲げ、弟子となるであろう人物を待っています。

『隠者』

『愚者』と『隠者』には赤い杖をもつという共通性があります。

「小さな修道士」を伴った『愚者』が赤い杖をついて歩いてきて、赤い杖をもって佇む老修道士の姿をした『隠者』と出会うのです。

『隠者』はすでに左手や髪、髯が空色です。

すでに空色の部分をもつ『隠者』だからこそ、おかしな道化服を着た若者が空色に輝く部分に導かれてやってきたことを見抜くことができるのでしょう。

『隠者』の掲げたランプは自分がものとごを調べるための光でもありつつ、他者を導き照らす光にもなります。

タロットの叡智が科学の新発見のニュースでサポートされるのも面白いですね。

『隠者』のように空色の輝きを見抜く目をもった人が、パフィンをシンボルとしてマルセイユ・タロットに入れたのだろうということもとても興味深いことです。

ソフィア







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