ビザ申請の結果通知のはがきが到着=日時指定ありならほぼ不許可。自分で不許可理由を聞くのはNG

今回の記事は、不許可の場合の初期対応の重要ポイントについて書きます。

案外知らないでもったいないことになっている方が多いテーマについてです。

ビザ申請が不許可になった場合、皆さんまずはどうしますか?

多くの方は、入管からのハガキに「○○月○○日に本人が来てください」との記載を見て、「許可かな~」などと思いつつ入管に行くわけですが・・・・

行ってみたら不許可と言われてしまいます。

入管からの説明があり=「許可にはできないから、出国準備(日本から出国すること)のための特定活動ビザに申請内容を変更して下さい(半ば強要で拒否はできない状況)」

そうなると、「どうして不許可なんですか?」と聞いてしまうのが普通だとも思います。しかし、待ってください。

その不許可の理由説明は1回しかされません。本当に自分で聞いてしまって大丈夫ですか?

なぜ自分で聞きに行くことが危険なのか。以下詳しくご説明いたします。

(1)入管職員から不許可の本当の理由を聞き出せてますか?

→実際には新聞記者なみにじっくりと事前準備をして、取材をするように色々な角度から入管職員に問いかけや・質問等をすることにより情報収集する必要があります。

しかも、入管ビザ申請制度の知識・経験・審査傾向・問題意識・最新情報等を踏まえた上での質問や掛け合いをしなければ意味のある不許可理由の聞き取りにはなりません。

質問に対する職員の発言はむろんのこと、職員の反応・トーンなども非常に重要で貴重な材料になります。

職員との掛け合いの中から今後の申請方針や在留活動方針などをすり合わせて、こちらから提言して、職員の反応を見ることもしています(もちろんこれは当事務所ならではの独自のやり方・方針です)。

全ては次回の申請のための大事なヒントや気づきを得るためです。職員の感じている点・気にしている点をつかむためです。まさに不許可理由の入念な聞き取り調査なのです。

職員は協力的な場合もあれば、そうでない場合もあります。教えてくれない場合には自分から聞きにいくしかありませんが、何をどう聞いたらよいのか。

何かを言われた場合に適切に回答したりやり取りしたりできるのか。専門的な知識や経験がないと非常に困難と言わざるを得ません。

場合によっては一時的に申請人の方に席を外していただき、私と職員だけで話をした方がよいこともあります。

さらに言えば、入管の職員は申請人本人だけが行った場合には、ありえないほどのあっさり対応をしてくる場合もあります(理由説明一言で終了。いろいろ聞いても濁されて終わり。何をどうつっこんでよいかわからない申請人はそれ以上聞き出せなかったというケースは多いです)。

それなりの経験や知識のある行政書士を同行している場合にはまずそのような対応はしてきませんので、本人だけで行った場合には知識や経験ないと足元を見てきていると判断するしかありません。

また、同行する行政書士の経歴(経験値等)次第でかなり態度を変えてくるのも入管の習性です。

経験値や知識があまりない専門家にはそれなりの対応で済ませてしまいます。

逆に経験値や知識等のレベルが高い専門家の場合には、それなりの深い的確な質問ややり取りができるため、(職員は「あ、知っているんだ」というノリで対応をしてくるようになり)、それなりのより濃い情報をつっこんで得ることができるのは昔からよくあることです。

入管いじわるだな~と言いたいところですが、実際のところ相手次第で対応や言動を変えてくるのは昔から自分でも経験していますし、同業者からもよく聞いています。それだけ老獪な相手だということは間違えないといえます(国防・警察系の役所なので仕方ないのでしょうが・・・)。

(2)入管の職員はある程度の知識があることを前提にして普通に説明をしてきます(一般の方にわかりやすいように説明してくれることもあまり期待できません)。

その説明(専門用語も入っています)を本当に理解できてますか?理解するためのビザ申請の「最新の」「正しい」前提知識はありますか?

(=ネット情報や友人知人情報ではない「正しい」情報・知識はありますか?1~2年前の情報でさえももう使えないほどに流れが速い面もあるのがビザ申請の特徴です)

→入管ビザ申請制度の専門的な知識・経験・最新の審査傾向や情報等を踏まえた上での質問や掛け合いをしなければ、不許可理由をきちんと探って分析して対策を取ることは困難です。

不正確なあいまいな分析をもとにして再申請をしても許可率は上がりません。また不許可が出てしまいます。

特に困難案件や不許可案件になればなるほど不許可理由の正確な丁寧な分析が非常に重要になります。そうした丁寧な対策をもとにして再申請をして初めて許可の可能性が出てくるのです。

(3)自分で理由を聞いて、本当に正しい(再申請の)準備ができますか?

→言い方が不適切で申し訳ないですが、不慣れな専門家や一般の方が不用意に再申請してしまうとさらにダメージが大きくなる可能性が高いです。当事務所のリカバリー案件でもそうした事例は多数見てきました。

ビザ申請の世界での常識は、一般の方の常識とはあまりにかけ離れた部分がありますし、その専門的な知識や経験はあまりにマニアックすぎます(私は10年以上これだけやっているのでわかりますが、普通の人生だったらまず気が付かないことだらけです)。

その理由は「入管ビザ申請=国防や治安の問題」という特殊性等にあります。入管を通常の役所だと思わないで下さい。

困難案件や不許可案件になるほど専門的な知識や経験の裏付けのある丁寧な申請書作成が非常に重要になります。

(4)入管は不許可の理由を全て教えてくれるわけではありません(訴訟対策のため等の理由からと言われています)。

→例えば、理由が3個あった場合、あえて1個しか言わない場合もあります。その為、入管が教えてくれたその1個の理由だけに対応しても再申請で許可が取れない、という事態は普通にありえるのです。

専門家による申請全体のチェックによる不許可理由の洗い出し+職員とのやり取り(不許可理由の調査)をしたうえで、不許可理由をなるべく深く広く探る。

それによって出てきた不許可理由の1つ1つについて対応を検討し、じっくりと再申請の方針を定めて、ようやく申請書類の作成に入る。そうした作成の段取りが欠かせません(もちろんこれは当事務所ならではの作成方針です)。

以上のような理由から、不許可になった場合(入管からのハガキに「○○月○○日に本人が来てください」との記載があった場合)には、自分だけで入管に行くことはおすすめしません。

許可率を少しでも上げたいのであれば、必ず信頼できる専門家になるべく早めに(ハガキが到着した日から3日以内に)電話をして、事情を説明して正しい不許可理由の分析をしてもらってから、入管に同伴してもらってください。

(3日以内の理由=指定期日はハガキの発送日から7日~2週間程度なので、到着日からはほとんど時間がありません。きちんと対策を立てる為に事情をお聞きしてから同伴するとなると、とにかく時間が足りません)。

なお、不許可理由の説明が1回しかなされない理由は色々あるようですが、「大変忙しい入管には、不許可理由を何回も説明する余裕はない為」という説が支配的です。

理由説明後は、「不許可理由説明済」との記録もされるようになっていますので。「まだ説明してもらっていない」などという言い分が通じなくなっています(あからさまなことを言うと、入管からの印象が悪くなるのでやめた方がいいでしょう)。

当事務所では、不許可になった困難案件の再申請を多く手掛け、多くのお客様に良い結果をご提供させていただいております。ご興味おありでしたらぜひ一度ご相談下さい。

(大変恐縮ですが新規のトラブル案件の方に関しては、ご連絡はなるべくお早めにいただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。急なトラブル対応には時間を要しますので!)。

入管・外国人ビザ(在留資格)申請専門 行政書士 横田あずま

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