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LUNATIC WING AND MY WONDER

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冒険者イズミは妹分と共にアラグ艦探索の旅に出る。だがそれは光の戦士をも巻き込む大事件の始まりであった。スーパーロボットアクション百合連作。時系列6.35。暁メン等は出ません。
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記事一覧

LUNATIC WING AND MY WONDER 1

「バフラウ島事件の全容判明」「首謀者は異界の妖異」「更なる被災者支援を求める声」———そんな見出しが踊る新聞紙面をイズミは黙々と読む。終末災害からの復興が続くここサベネア島に降って沸いた先日の大妖異出現事件は人々を大いに恐れさせたが、最終的にはラザハン太守達の迅速な対応により解決をみた。 イズミの視線が本文から挿絵に移る。炎をまとった凶悪な妖異が冒険者達によって討ち倒されている絵だ。その中でひときわ目立って描かれている人物に目が止まる。リボンの髪飾りと外套を纏った騎士風の女

LUNATIC WING AND MY WONDER 2

【承前】 ——遡る事数時間前、メリードズメイハネ。 「宇宙船の部品?」 「そう!月にはアラグのフネがおっこちてるんだ!」 リカバリングウェイは耳をぴこぴこと振りながら鞄を卓に置き、中身をイズミとラディに見せた。そこにはイズミが持っている球体と似たような意匠の物体がぎっしりと詰まっている。 「僕ね!それを直してまた飛ばしてみようと思ってるんだ!」 「えぇ?そんな事出来るんですか?」 「うーん!正直わかんない!」 ラディの驚きにリカバリングウェイは首を傾げながら明

LUNATIC WING AND MY WONDER 3

【承前】 「だぁぁぁぁッ!」 イズミは足に込めた剣気を爆発させて敵陣へ跳躍。必殺剣がひとつ、暁天だ。その勢いに任せて先陣の人型機械兵に刀を突き立てた。角障りな断末魔を尻目に、イズミは骸と化した機体を蹴って更に敵陣奥深くへ跳躍。きりもみ回転に任せてやたらめったらに刃を振り、着地点の機体を貫く。更にそこから跳躍、斬撃、跳躍、斬撃。イズミが跳んだ軌跡に沿って、機械兵達の斬り飛ばされた四肢が舞い上がった。 BLAM!!! 爆発するような銃声が響き、機械兵達が薙ぎ倒される。音を感

LUNATIC WING AND MY WONDER 4

【承前】 思わぬ攻撃を受けて月面に膝をつく鉄巨人。相対するGウォリアーは、熟練の格闘士の如く腰を落とし構え直す。そのコクピットに収まるパイロットスーツ姿の少女——光の戦士ことソフィア・フリクセルは、瞬時に次なる戦闘機動を構築。細い指が操縦桿に備えられたいくつものキーを素早く叩き、己の分身たる白い巨人にそれを伝えていく。 入力完了と共に操縦桿が押し込まれ、全天周囲モニターの景色が一気に後ろに流れた。少女の華奢な身体が増加したGによってリニアシートに押し付けられる。ソフィアは

LUNATIC WING AND MY WONDER 5

【承前】 > 強攻型変形シークエンス進行遅延> 破損部破棄 埋没した構造体を代替> 機体維持に著しい過負荷を計測> 直掩機指揮リソースおよび電子戦リソースカット> 出力全て当機制御を優先> 演算支援要請> 魔科学研究所からの応答無し> 独自対応の範疇と判断> 魔科学研究所への通信を継続> 仮説:本国司令部に重大な事変> 否定:我らが帝国は不滅である> 果てを目指して飛翔せよ> 新たな地平へ到達せよ> 阻むものは全て排除せよ> それが我が主、アモン様の至上命令である ◆◆◆

LUNATIC WING AND MY WONDER 追補編

今回の話は普段にも増してパロディ・引用が多いので、ネタ元を記載しておきます。本編読み終わってから読んでね。 第3話活力の幻薬による弾き SEKIRO: SHADOWS DIE TWICEの弾きが元ネタ。剛幹の飴も黄色い。その後の致命の一撃や前転もフロムソフトウェア戦法。弊作品群ではよくやる。 金城鉄壁 SEKIRO: SHADOWS DIE TWICEの同名アイテムが元ネタ。仕込み傘による防御はとても便利。それをぶん投げる戦法は存在しない。イズミが金城鉄壁を持ち出した