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「高校生の君へ」3年・羽鳥颯

本題に入る前に、今私たちがサッカーできるよう環境を整えてくださっている大学関係者の方々、サッカー協会の方々、施設の方々や、資金援助をしてくださっているOBの方々など、部の活動にご協力いただいている全ての人に感謝申し上げます。部の活動にご尽力していただいてる多くの方々のおかげで上智大学体育会サッカー部が成り立っていることを肝に銘じて、今後とも活動していく所存です。


さて、今回の部員ブログのテーマは、これまでのサッカー人生と、今季の目標。

何を書くか迷ったが、今回は現役の高校生に向けて書こうと思っている。なぜ高校生なのかは後々わかるので、是非最後まで文章を読んでいただきたい。

大学でサッカーをやるか考えている人、高校で悔しい思いをした人、そもそも大学でサッカーをやろうなんて思ってもいない人。
今サッカーをしている高校生なら本当に誰でもいいので、高校サッカーを日々頑張っている人たちに届けられたら嬉しい限りである。



まず、これまでの自分のサッカー人生について書く。年代ごとにいろいろ転機はあったが、今回はターゲットを高校生にしているので高校時代のことをメインに書きたい。

ざっと振り返ると、5歳からサッカーを始め、中学時代までは主に茨城県古河市のチーム(小:古河AZULSC→中:FC古河)でプレーし、高校では埼玉県の昌平高校に入学した。

昌平高校に入学後、3月の春休みくらいから新1年生の練習が始まった。周りは、J下部、中学の時戦ってきた街クラブの優秀な選手だらけ。中学3年間、茨城県の県トレに選んでいただき、自分の中で高校でもそこそこやれる自信はあったが、そう簡単にはいかなかった。毎日のプレーで評価をされ、スタメンを変えられ、カテゴリーを変えられ、変化が多い日々に翻弄されていた。良い日々もあれば、悪い日もある。特に1年生の頃は、この変化に一喜一憂してしまい、メンタルがかなりやられていた。

長くなるので高校1、2年の話は端的にするが、正直自分のプレーに納得がいかず腐った時もあった。特に1年生の時は、上のカテゴリー、1年Aのスタメンになることばかりが頭を埋めつくし、完全にサッカーというスポーツを楽しむことを忘れ、指導者の顔色を伺いながらプレーをする日々の連続だった。毎日の1プレー1プレーが勝負だった。でも次第にその環境が精神的負荷になり、練習をするのが苦痛で仕方なくなった。同期の選手が何人も上のカテゴリーに上がっていく中、自分だけ取り残されていることが情けなかった。

それでも、2年生の時1番面倒を見てもらっていた、僕の恩師である日野口先生のおかげでなんとかメンタルを持ち直して、サッカーを楽しむことを思い出させてもらった。
「今上にいる選手より、お前らの方が輝いてるよ。」
その言葉に何度も救われた。
カテゴリー変動が少なくて、絶対あいつより俺の方がいいだろと思っていた自分がいた時も、その言葉でまた頑張ろうと思えた。あの時一緒にプレーをしていたメンバーはきっと日野口先生の熱量と優しさに助けられていた人は多いと思う。公式戦がないカテゴリーで、毎回の練習試合でも、あんなにも内容と勝負にこだわれたのは紛れもなく先生のおかけだ。

一生尊敬できる指導者と出会い、魅力的な選手と魅力的なサッカーができた高校生活は人生の財産である。
実力が拮抗し、トップじゃなくても上手い選手はたくさんいて、みんなの技術で相手をどんどん剥がしていくサッカーはめちゃくちゃ楽しかった。

そんな日々も、あっという間だった。
高校3年の5月、決断しなければいけない時が来た。立ち位置的には、トップの下のカテゴリーのスタメン。インターハイのメンバーに入れるかどうか、続けていればもしかしたら何かの運で選手権のメンバーには入れるかもしれない。そんな状況であった。

ただ、自分の所属している高校のクラスが文武両道のクラスだったので、周りはほとんどが受験勉強に切り替えようとしていた時期だ。公式戦のメンバーに入っている同期もいたが、考え抜いた末、自分はそこで区切りを付ける決断をした。

自分がこのまま続けても、トップチームでの公式戦のピッチに立つことは極めて難しいと思ったことと、大学も現役で行きたいところに行きたいと思った(浪人は絶対自分にはできないと強く感じていた)。要するに、サッカーでも、勉強でも、中途半端になるのではないかという危機感を覚え、受験勉強一択に絞ったのだ。

受験校は、当時都リーグでも上の方にいて私大の上位でもあり、国際性が高い大学となると、上智一択に絞られ、結果的に合格することができた。今こうして大学でも部活でサッカーを続けられ、公式戦の舞台を味わうことができているのは、ものすごく幸せなことだと感じる。あの時の選択は間違っていなかったと思う。

ただ、やはり高校生活に悔いがないとは言い切れない。むしろ悔しさは大きく残っている。トップチームで試合に出れなかった悔しさはずっと心の中にある。

ここで終わりたくない。
最後サッカー選手として笑って終わりたい。
スポーツ推薦なしの大学から関東昇格できるレベルまでチームとして強くなりたい。

極々単純な理由だが、この思いが大学サッカーの1番の原動力になっている。

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ここからは僕が1番伝えたい本題、今年の目標に移っていきたい。目標に加えて、今サッカーを頑張っている高校生に対しての思いも書くので、もう少々お付き合いいただきたい。

目標は、オンザピッチとオフザピッチで1つずつある。

目標の1つ目は、ピッチで結果を残し、1部復帰に貢献することである。今季は南出(学生監督)を中心に攻守における戦術、システムを毎日のようにゲームをやりながら確認して、チームとしての積み重ねを意識して取り組んでいる。これまでの上智大学体育会サッカー部はきっと積み重ねが1つもなかった。シーズンごとにフォーメーションを変え、上手くいかないとすぐこれではダメだとやり方を変え、迷走状態だったと思う。信じるものがそもそもなかったのかもしれない。選手の質が高ければそれでも上手くいくのかもしれないが、うちはそうではない。組織力を高めないと上には絶対にいけない。ピッチに立つ11人の力が最大化されなければ、強いチームに勝つのは難しいだろう。個人的に今年は、11人の中での自分の役割、ポジジョンの役割をしっかりと認識し、毎回の練習で出来たことや出来なかったことの積み重ねを大切にしていきたい。そして、1試合に何回来るか分からないゴールやアシストのチャンスを確実に仕留めたい。


目標の2つ目は、サッカー以外のところを更に活性化させることである。部内ではそれなりに認知されていると思うが、僕はオフザピッチに特に力を入れている。
ピッチ内と同等、またはそれ以上、ピッチ外で頑張らないとうちは強くなれない。
なぜなら、スポーツ推薦がなく、グラウンドも基本的に外部の施設を利用する上智は、とにかく高校生にとって魅力のあるチームでなければならないからである。部に対して熱意のある高校生が毎年のように入ってこなければ、組織として衰退を辿る。また、資金面でもかなり運営が厳しい面もあり、OBの方だけでなく、地域の人たちにも応援されるチームでなければならないと強く感じる。社会に価値を与えられる集団、入部する選手が一人間として成長できる組織でなければいけない。

先程、部に対して熱意のある高校生が入って来なければ、組織として衰退を辿ると言ったが、高校で燃え尽きてしまうプレーヤーは多い気がする。あくまでも僕の体感でしかないけれど。
大学で、部活で、サッカーをやろうか迷ってる高校生が最終的にサッカーを辞める決断をしてしまう人は多い、きっと。

その理由は、大学サッカーの魅力を伝えきれてないから。これ一択だと僕は思う。

大学入学と同時に、その先を見据える人も増えてくる中で、ただサッカーだけやってる部活に入りたいと思うか、、、

僕は、将来社会に出て必要なスキルは部外で自分でやればいいと思ってたため、そんなことは全く考えなかったが、単純に部活をやりながらもう1つ何かをやるのは大変だという考えになるのが普通な気がするし、プロになるわけじゃないんだからここでサッカーは辞めようという考えになるのは必然かもしれない。

大学でも部活でサッカーをやる意味をもっともっと創出していかないと、上智大学体育会サッカー部が長期的に強いチームになるのは難しい。

部員全員が5年後、10年後の上智大学体育会サッカー部のあるべき姿を想像し、それに向かって日々活動していけるのがベストだが、なかなか全員にそこまでの考えが行き届かないのも現実。

ただ、1年生が4年生になる3年間で部を大きく変化させることができるのも事実だと思う。現に、入部当時と今の部のあり方は、良い意味でかなり変わってきていると思う。
変わらなければいけないことが明確化され、リーダーシップを取れる人間がそれを実行できる組織に変化している。そして、それについて来てくれる部員もいる。
練習においても、企画1つにおいても、確実に質は高くなっている。

入部当時の2年前、こうなると誰が予測しただろうか。どうあるべきかを考え、日々の時間を無駄にせず、考え抜き、行動し続ければ、変わるべきものは変えられる。


ロジックと熱量さえあれば、変えられない組織はない。僕はそう信じている。


良い変化を続けていけば、自然と魅力を感じてくれる高校生は増えていく。それこそが部にとって欠かせない、最大の好循環材料になる。

入部を希望する人が多いとは言えない現状に危機感を感じる人たちが行動を起こし、

サッカーやってて上智入るなら、
体育会サッカー部しかないでしょ!
こんなに魅力ある組織ないでしょ!

というところまで持っていかなければ、この組織の未来は高が知れている。

もっと社会に自分たちの価値を提供し、たくさんの社会関係資本を生み出していかなければならないと強く感じる。


ここからは高校生へのメッセージ。
上智大学体育会サッカー部に入れば、サッカーだけじゃなくてなんでもできるよ、ということを伝えたい。

部の資金を調達するためのマーケティングや営業も、

部費や外部の企業と金銭的なやりとりをする経理も、

毎週行われる試合の分析も、

部の価値を高めるという組織理念にフィットすれば何でも自由にできる企画も、

部の活動を発信するビデオ、ポスターの作成やSNSなどの広報も、

全部考えたいなら、部の経営も、経営戦略も、ブランディングも、

なんでもできる。
そして、たくさん失敗できる。
社会に出て活かせることは、部の中にたくさん溢れている。

サッカーを本気でやって、自分のスキルの幅も広げることができる環境は他にはない。
まだまだ僕たちが部の内情を発信しきれていないけれど、大学サッカーにはこんなにもポテンシャルがある。

だから、「大学サッカーの魅力は何?」と聞かれたら、「サッカーを本気でやる前提で、サッカーじゃないところ」と僕は即答する。

極端なことをいうと、もうサッカーだけやっている大学の部活は時代遅れだと思っている。もっと周りを巻き込んで大学サッカー、大学スポーツを価値あるものにしたい。そして注目されるものにしたい。世間から注目される大学スポーツが箱根駅伝くらいしかないことに違和感を覚えないだろうか?ここまで行くと話が行き過ぎてしまうが。

ただ、例えばアメリカの大学スポーツは、ほとんどの大学にスポンサーがつき、チームのサポートをしてくれている。
そして驚くべきことに、大学スポーツのプロ化まで検討されている。
それだけ大学スポーツに魅力、集客力があるのだ。

国は違えど、これだけ大学スポーツにはポテンシャルがある。その国の文化、大学側がスポーツに力を入れる、入れないの差はあるかもしれないが、それを言い訳にしててもしょうがない。

大学スポーツをしている本人たちがその魅力を伝え、新たな価値を創出し、大学や企業との連携を密に図っていく他に、大学スポーツを盛り上げる手段はないのではないかと思う。

残り2年もない学生サッカーをできる時間。
今後味わうことができないこの時間を一瞬たりとも無駄にしたくない。

やれることはこれだけか、僕は毎日自分に問う。


将来上智に入るサッカーを愛する高校生、
上で書いたように、上智大学体育会サッカー部に入れば自分次第でなんでもできるし、あなたが成長できることを保証します。
素晴らしい組織をつくる一員になってくれる方、待ってます。

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p.s. 上智大学体育会サッカー部のオフザピッチの活動に支援してくれる企業を募集してます!
サッカースクール、SDGsプロジェクト等、興味をもって頂ける企業の方がいましたら、公式アカウントまで気軽にご連絡ください!
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次の部員ブログは、声を思い出せと言われても思い出せない、根崎竜介くんです!

#上智大学 #サッカー #昌平 #部員ブログ

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