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4年 吉澤祐樹

「自分は下手くそ。諦めず泥臭くやるしかない。」


苦しい時、自分に言い聞かせてきた言葉だ。

一緒に入部した同期にはそれぞれラガーマンとしての武器があった。


その一方で私は足が遅い、身長も体重もない、ラグビーの知識もセンスもない、ないない尽くしの俗に言う下手くそ。

だからこそ諦めず努力する、そう決意し練習に臨んだ。


しかしながらそんな選手に対する期待などさらさらなく、ある部員には「おまえはBの試合にハーフで出れたらいいな。」と言われ、練習でのミニゲームで負けたとき真っ先に敗因になる、そんな日々を過ごしてきた。


正直ずっと悔しかった。


こんな状況の中、上手くなって見返してやる、そしてジャージを着て戦いたいと思い、日々自分よりも格上の選手達と行う練習に食らいつき、嫌いだった筋トレや全体練習では補えない基礎練習は練習外でやり続けた。


その甲斐もあって3年生で公式戦に出場する目標を達成。

ジャージをもらえた時、やってきた事が報われたような気がして本当に嬉しかった。


しかしながらラストイヤー、試合に出ているのは強豪校出身の後輩であり、自分は外から他の選手達がプレーしているのを見ることしかできずにいた。


努力してもうまくいかない現状に嫌気がさして父に愚痴を溢したことがある。

その時、父から返ってきた言葉が今でも忘れられない。



「アホか。上手い奴がセンスだけで上手くなってる訳がないやろ、どっかでお前より努力しとんねん。自分の足りてない部分に目を向けんと文句言ってるだけでそいつらに勝てるわけないやろ。追いつきたいんやったら諦めんと死ぬ気でやれ。」



こんな事当たり前のことだ。誰もが理解している。


しかしどんな状況でも自分の事を信じ、努力し続けることができる人間は果たしてどれくらいいるのだろうか。


自分より上手い選手を見た時、「あぁ、あいつはセンスがあるから自分が試合に出れないのは仕方ない」、「生まれ持った才能が違う、もういいや」などと自分の努力を省みず、その選手を追い越すことを諦めてしまっていないだろうか。


私はラストイヤーという追い詰められた時、「諦めず努力する事」という最初に決めた決意が揺らいでしまった。


だからこそ最後の年、グラウンドの外から戦う選手を見ることしかできなかったのだろう。

後輩達には絶対にこんな悔しい思いをしてもらいたくない。


だからこそ強く言いたい。

自分の努力を信じろ、簡単に諦めるなと。


贔屓目無しに後輩達は良い選手ばかりだ。

入れ替え戦も夢から目標に変わり、強い上智になるために先輩方が蒔いてくださった種は花を開き、実を結ぼうとしている。


今後その過程で今よりもっと苦しい事や悔しい事もあると思う。

後輩のみんなには、どうかそれに屈服せず「諦めないで」前に進み続け、

上智大学ラグビー部という最高のチームの新たな歴史を刻んでいってほしい。


私は心の底からみんなの事を応援しています。

私もラグビー部での経験を生かしてこれからの社会人生活をしぶとく生きていきたい。


最後に4年間応援してくれたOBOGの皆さん、監督、コーチ、一緒に戦ってきた先輩方、後輩、同期、そしてどんな時でも自分をサポートしてくれた家族に感謝を伝えたい。



全員のおかげで4年間頑張り続けることができました。心の底から感謝しています。

本当にありがとうございました。





上智大学ラグビー部4年吉澤 祐樹

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