「引退ブログ」阿部勝矢
こんにちは。阿部勝矢です。
11月26日の試合をもち、ラグビー部を引退しました。この4年間、辛い事、しんどい事は多かったですが、それを上回る良い思い出と経験が出来たと思っています。
4年間、長かったようで、あっという間で、やっぱり本当に長かったです。引退して、2週間。もう4時50分に起きて九段下に向かったり、6時半に起きてグラウンドに向かったりする必要がないのは幸せです。部活の疲労がなく逆に朝まで寝付けないこともありますが、老後のような気分で毎日過ごしています。
4年前、ラグビー部に入部し、毎日のハードなラグビー練習に初めは身体が悲鳴を上げついて行くのが精一杯でした。コロナの影響で失われた練習期間を取り戻すために、この練習がほぼ毎日あり夏休みの最長オフが2日間だと知った時は失禁しかけました。熱中症アラートが出る中、マスクをして練習し、急激に増やした体重と共に取り組み続けたフィットネス練習は間違いなく人生で一番きつかったと思います。そういえば4年間で最高体重110kgだった自分は、大学入学時は72kgでした。40kgの増量って頭おかしいですね。食べるのが大好きで筋トレも歯磨きのように習慣化されている自分にとって、ただお腹いっぱい普通に生きているだけで無限に増えていく体重に恐怖を抱いたこともありました。しかし引き換えに猛烈な生きづらさ(自宅の便器を何度も破壊しました)と息苦しさ、週一の視界のブラックアウトを経験しダイエットを決意しました。体重減少を怒られることもありましたが、控えのいない最終学年の公式戦はほぼ全試合フル出場することができたので結果的には良かったかもしれません。
しんどかった部活ですが、本当に楽しかったです。先輩たちも、同期も、後輩も、コーチも監督もみんな大好きです。大好きな仲間たちと切磋琢磨できるって素晴らしいことだと思います。大幹さんも現役時代のブログに綴っていましたが、大切なものが違う数十人が、同じ目標に向けて頑張る姿は輝いていました。ラグビー部に入る決断は自分の人生を変え、人間として多少なりとも成長できたのかなと思います。
小中高を海外で過ごし、部活動というものを経験した事がなかった自分にとって、この4年間はかけがえのない経験となりました。何かにここまで本気で打ち込み、仲間のために全力で我武者羅になることができた経験は一生の財産だと思っています。
世界一無秩序な国、インドから来た自分は、規律に厳しい体育会組織への順応に膨大な時間を費やしました。最後は、やるべき時にやり切ることは多少なりとも出来たのかなと思っています。帰国生が多い上智では、同じような境遇の選手もこれから入ってくると思います。部活外の時間で目につくような選手は、部活という組織で揉まれてきたみんなには良く思われない事もあると思います。でも、試合中に一番頑張っているのがそいつなら、認めてやって欲しいなと思います。やる時やればいいと思います、試合のための練習ですから。やるべき時にやる事ができる選手は、見えない所でなんだかんだやってきています。試合中に全力で地味なキックチャージやジャッカルに入り続け、4年生にも吠え続ける、宇條の姿とか個人的にとても心に残っています。
背中で見せる選手、練習から鼓舞してくれる選手、ムードメーカー、頭脳系プレイヤー、脳筋、地味なプレイに全力で向き合い続ける選手、体を張り続ける選手、頭のネジを飛ばす選手、心の熱い選手、本当に色んな選手がいる中で、全員がチームのために一歩でも前に進むため体をぶつけ続ける姿は、心の底から誇らしかったです。全ては、グラウンドに立つみんなに直向きな想いを託してくれるスタッフ、チームに関わる全ての方々の応援、家族、愛によって成り立っていると思います。本当に全てに感謝しています。
長くなってしまいました。最後に後輩達に伝えたい事があります。
4年間で、自信がなくなったり、ラグビーが楽しくなくなったり、悩んだりする事は絶対あると思います。そんな時のために、一つだけでいい、誰にも負けない何かを持っていて欲しい。一つだけ、本当に何でも良くて、タックルでも、フィットネスでも、セットプレーでも、足の速さでも、体重でも、声の大きさでも良い。何でも良いから、たった一つ、誰にも負けないと思えるものを持っていて欲しい。それがいつか自信に、成長につながって、見違えるほど頼もしくなる仲間の姿をたくさん見てきたから。
僕が一年生の頃、4年生の引退ブログでこの言葉を目にしました。今、心の底から同じ気持ちでいます。それは当時の自分の心に刺さり胸に刻まれ、思い悩んだ時の原動力になっていました。4年間やりきって、改めて自分の言葉として、後輩にも伝えたいと思いました。
上智大学ラグビー部に関わってくれた全ての方々、4年間本当にありがとうございました。これからも応援の方、宜しくお願い致します。
阿部勝矢