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4年 中屋裕亮

12 月をもって引退いたしました、4 年の中屋裕亮です。
頼りない代でしたが、後輩たちの おかげでなんとか対抗戦 3 位という成績を収めることが出来ました。非常に小さな一歩で すが、上智の歩みを進めることができたことを嬉しく思います。大したプレーもできない平 凡以下のラグビー選手の自分でしたが、この部活に残せる最後の遺産として、「上智は弱い」 ということを後輩たちに伝えたいと思います。


「10 月 30 日、第五節の武蔵大学戦が終わりました。今シーズン、ここまで 0 勝 4 敗 1 分。大学通算にすると 2 勝 23 敗 1 分。ここまで悲惨な数字って、なかなか見ることない ですね」

自分と入れ違いの同志社国際の先輩、2017 年卒、小沢太郎さんの引退ブログだ。 自分が入部した時、上智はこんなチームだった。というか、今でも根本的にはこういうチー ムなのかしれない。ここ 3 年で順位を上げただけで、最下位になる可能性を大いに含んだ 弱小校だと思う。

今シーズン上智は接戦をものにしてきた。成城、一橋相手にはサヨナラで試合を決め、結果 的に大差のついた武蔵戦も前半は負けていた。当たり前のことだが、接戦で勝ったチームが あれば、同じ数だけ接戦で負けたチームがある。たまたま今年は勝った方に立っていたが、 十数年間上智は負けた方にいた。あと 1 トライ、あと1PG が届かなかった悔し涙はたくさ ん見た。

ではなぜ今年勝つことが出来たのか、なんとなく思い当たる節がひとつだけある。この代の 危機感である。もともと悲観的な奴が多かったというのもあるが、この代は明らかに周りの 代よりもラグビーのスキルも低く、リーダーシップもほとんどなかった。 「どの代よりも劣っている」「自分たちの代で先輩たちが築いてきてくれたものを壊しかね ない」という危機感は口には出さないにしろ全員の心の中にあったと思う。 その危機感、恐怖を解消するためにどの代よりも走ったし、どの代よりもウェイトトレーニ ングに励んだし、どの代よりも飯食って体重を増やした。冨井、吉澤なんかはその典型例で、 1 年生の時から一番早くグラウンドに行くのも、最後まで残っているのもこいつらだった。 自分も、些細なことだが、対抗戦で 1 番キックオフの練習をした自信がある。 この危機感があと 1 トライあと1PG の差を埋めた、縮めたのではないかと勝手に思ってい る。


昨シーズン、今シーズンを経て、上智は勝てるチームになったと思っている者も多いかもし れないし、1 年生は「勝てる上智」しか知らないと思うが、根本的には最下位争いをする弱 小校であることを忘れないでほしい。自前のグラウンドがなく、対抗戦で 1 番環境に恵ま れない我々は、満足のいく練習のできる他校よりも 1 回の練習で積み重ねるものを多くしないといけない。この危機感がなくなれば上智の歩みは終わったも同然で、入れ替え戦なん か夢のまた夢だし、来年の今頃には最下位争いをするチームになっている。

繰り返しになるが、後輩たちには「上智は弱い」ということを絶対に忘れないでほしい。ど のチームよりも多くのものを積み重ねないと、上智は勝てない。


最後に
4 年生の保護者の皆様、22 年間の子育てお疲れさまでした。この素晴らしい環境で、上智 大学ラグビー部でラグビーをさせてもらったこと、4 年生一同心から感謝しております。
4 年間体重を増やし続け、朝 6:30 から筋トレをし、休みの日まで走らされた息子さんの 心と体を癒す卒業旅行を計画しております。皆様のねぎらいのお気持ちを軍資金としてお 待ちしております。
何卒ご検討くださいませ。


中屋裕亮

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