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【禍転じて福と為す】上司に意見したら組織を出ることになった

SOPH 代表の瀬戸です。
わたしは SOPH の代表として親支援の活動をしながら、某外資 IT 企業で企業人としてフルタイムで働いています。

さて、7月、例年通り企業人として働く会社が新会計年度へと切り替わりました。

さあ、新会計年度もリーダーとしてがんばるぞ!!と無理やり気合いを入れて迎えた明けまして 2 日目。
マネージャーに意見したら、何かあっという間にわたしが組織を出ることになっちゃった、今回はそんな話。

子どもたちには、"自分を守るのが最優先。やばいやつからは逃げなさい" 
そう教えるつもりでいたし、現時点でもそのつもりでいる。
今回わたしは、それができただろうか。


前会計年度は非常につらかった

リーダーとして 2 つのチームを現場で率いつつ、自分も現場で戦いつつ、
一方で直属のマネージャーにごりごりにメンタルを削られて (管理職は栄養補給してくれるんじゃないんか、戦力削ってどうすんだよと思いつつ) とにかく満身創痍。
特に 2024/1 以降はメンタル クリニックに通い、産業医面談もし、いつでも休職のカードを切れるように備えながらの戦い。

ガラスの天井とか、アンコンシャスバイアスとか、言語化がうまくできないけど "女性だから" "ワーママだから"という偏見を持たれていた気がする。
表立っての話ではなくて、うっすらと漂う、うっすらとうっすらと組織の上、上の世代のおじさんたちに沁み込んだ価値観。

それら全てを焼き払うほどの実力が、わたしはなかったんだろう。力不足。
本当に自分が悔しい。ただ、これが今のわたしの現実。

ここで刺すしかないと思った

さて、新会計年度の 2 日目のマネージャーとの 1on1。
この人と話すことのストレスがすごくて、わたしはこの人との打ち合わせの前には安定剤を飲んで臨むのが常態化していた。

そんな 1on1 の開始時点でわたしが思っていたのは 2 点。

  • 直属のマネージャーが変わらなかったら、今年こそ、わたしは潰れる

  • 刺すなら、物申すなら、今日だ

直属のマネージャーが変わらなかったら、わたしは潰れるだろう

仕事内容は問題ない。リーダーとしてのプレッシャーも問題ない。そんなものは大したことない、わたしは戦える。

適切な采配が振れているか、今はわたし自身が痛み過ぎて自信がないけど、それもわたしを痛めてくるこのマネージャーの下を外れれば、心も回復して、また、のびのびと自分の能力の全てをここに、置いてくることが出来るだろう。

ただ、この人の下にいる限り、搾取されて利用されて痛められて、わたしは潰れるだろう。これまでのキャリアも努力も全部、水泡に帰すだろう。

それだけは確信があった。

そして新会計年度になると組織構造が変わる。伴い、直属のマネージャーが変わることはよくあることで、今回はワンチャンそれに賭けてた。
まぁ、1on1 冒頭 2分でマネージャーが変わらないことが分かったんだけども。

刺すなら今日だ

物申すなら、今日だ。
これまで全体最適化を考えて、リーダーである私の事情は無視し、直接戦ってはこなかったけど、刺すなら今日しかない。

なぜならば、前会計年度のわたしの評価はすでに固まっていて新会計年度の給料なども決まっている状態だから。この時点でマネージャ―の心証を損ねたとしてもそこから評価を覆されたりはしない。
外資 IT の評価についてはこちら。

評価が確定しているのが分かってたから、これまでやって来なかったことをした。
この人に言っても無駄だから、敢えてやってこなかったこと。
マネージャーの説明の矛盾点や、筋が通らないところ、コミュニケーションとしておかしなところを一つずつ指摘した。
過去のコミュニケーションでのおかしなところ、問題点も大きなものをいくつか。

まぁ…想定通りで、何一つ、伝わらなかったのだけど。
いい加減に絶望して、
"ねぇあなたまだここで頑張れる?" 自分に聞いたら、"もう無理だよ" "ここに居たらわたしの中の大事にしたいものが腐っていくよ"  そう返ってきた。

だから伝えた。

”レポートラインを変えてください。あなたの下から外して、別のマネージャーの下にしてください”
"そうではないと、わたしはこの組織でもう頑張れません"
"つきましては、マネージャーが変わらない場合は、休職か社内異動、転職をします"

その後どうなったか

ここまで伝えた場合、通常は、すぐにレポート ラインが変わります。
ところが。変わらなかった。

ある程度、想定の範囲内ではあったけれど。
わたしが決死の想いで刺しに行ったコミュニケーションは、一つも刺さってなかったということ。

"いやぁ~瀬戸さんが何か怒っちゃって~"
"もう少し彼女と丁寧にコミュニケーション取ってみまーす"
"なので、今期も彼女は僕の下でいいでーす"

こんなコミュニケーションがマネージャー陣の間でされていたらしい。

絶望的に、言葉が通じない。
絶望的に、わたしの声が届かない。
これは覚えがある。幼少期にわたしが抱いていた感覚だ。

ここに居たら、潰れる。
自分を守るために、一刻も早くここから脱出しないとだめだ。
自分のために、家族のためにも、今はなりふり構わず、ここから逃げないといけない。

これが自分の子どもだったら、全力で逃げろと、言うでしょう?

築いたものを捨ててどこへ行こう

この組織にエンジニアとして 15 年近くいました。
技術が好きで、新しいテクノロジにワクワクして、最高の想いも最低の想いもあったけど、一貫して、わたしはエンジニアで在ることが好きで努力をして、心を砕いて、鼻垂れのひよっこの頃から育ててもらって、最後はありがたいことにリーダーとしてチームを率いる立場に上がらせてもらった。
色んな人に神輿を担いでもらった。

そのことに感謝しかなくて、わたしはその立場を活かして、チームやメンバー、お客様に対して、わたしがその時に出来る最高のものを提供しようとしてきた。

ヒリヒリと切実に憧れてきた "エンジニア" という生き物。一流のやつ。
あぁ、わたしは手が届かなかったなぁ。
でも、わたしはもう、ここまで。

わたしは、これまでを、捨てようとしているのだ。
あっけないな。大失恋をした気持ち。

そして現実問題、次何やる?どこへ行く?
選択肢は 3 つ。

  • 社内転職 (異動)

  • 転職

  • 休職

いいや、一旦、これまでの実績も経験も、全部捨てよう。
新しい気持ちで、次を考えよう。
見たことのないものを、見に行こう。

社内転職をした

転職と休職の前にまずは社内転職の線で動き出し。
社内転職は社内とはいえ、履歴書を書いて面接を受けて…という普通の採用プロセスを経ての異動となります。

ありがたいことに、あっという間に社内転職先が決まり。

次は営業寄りのロールで、エンジニアではなくなっちゃうけど、これまで慣れ親しんだ技術領域なので、地続きのお仕事。

"わたし" を再構築する

絶望に深く沈んで、体内でどす黒い炎がぼうぼういって、体や放つ言葉からは黒い煙が立ち上っているような、そんな心象風景に居たのだけれど。
そして、そんなわたしが差し出すものは、愛とは違うものも混ざってしまっている気もしていたのだけれど。

社内転職の選考を通じて、久しぶりに、ものすごくワクワクした。
何者でもない、いちプレーヤーとして、また最初から "わたし" を知ってもらって信頼関係を周りと築いて、新たな戦いに身を投じられること。
どうしようもなくワクワクした。

やったことのないことが沢山ある。
知らないことが沢山ある。一方で、どうやらわたしの中にここでも使える武器もありそうだ。

社内転職を決めたとき、心象風景が切り替わった。
焼き尽くされた場所に希望が見えた気がした。

わたしを信じて迎え入れてくれた社内転職先の組織に心から感謝して、わたしの能力のすべてを、今度はここに置いていこうと思った。

また必要以上の自己犠牲を選択してしまった

悪い癖だ。わたしは今回も途中で、"自分さえ我慢すればうまく行く" と無意識にそれを選択してしまった。

もっと早いタイミングで、信頼できる他のマネージャーに胸襟を開いていたら事態は変わっていたかもしれない。事実、乱を起こしたあと、エンジニア組織にものすごく親身になってくれたマネージャーがいる。
いつか返したい恩が、こうしてまた増えていく。

チームや周りの人のことを考えることと、自分を犠牲しすぎることは違う。
親としてだって、自己犠牲が過ぎれば破綻する。

失敗しちゃったなという思いはあれど、禍転じて福と為るかどうか、それはこの後の動き方次第。
企業人としてのあれこれは必ず SOPH の活動に活きるし、その逆もまた然り。
ここから、新たな戦いをまた楽しもうと思います。

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