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【外資IT勤務フルタイムワーママ】年俸提示が今年もやってくる

SOPH 代表のわたし。
わたしは普段、1 歳 4 歳の子供を育てる母で、某外資 IT 企業でフルタイムで働く企業人でもあります。

毎年恒例、年棒提示がそろそろマネージャーとの 1on1 で行われる時期になりました。毎年この時期は少しふわふわする。

年棒提示。つまりは一年間の年収がマネージャーから提示されます。(昔は交渉ができたらしいけど、今はあくまで "提示")

"あなたの企業人としての価値について、会社としてはこのくらいの対価が妥当だと思ってます" を聞く場です。

この時期ふわふわするのは、わたしの中で "前年度、結構がんばったぞ。評価軸に乗ることをたくさんしたつもりだぞ" と思っているから。
それに対して提示される年棒が納得できる額かどうか。
入試の結果発表を待つようで、どきどきします。

それに備えて、心の整理をば。


評価を獲得するには

相手にとって価値あるものを提供する

会社にとって、わたしが価値を提示できたかについては、年棒とそして一緒に提示されるインセンティブ ボーナスの金額がそれを表すわかりやすい指標になります。

何事においてもそうですが、価値を出すためには、相手のニーズを正しく認識して、ニーズに合うものを適切に提供する必要がある。

つまり、年棒はわたしの能力とは直接的に関係ない
わたしが物凄い優秀でキレッキレの世界一のエンジニアだったとしても、会社のニーズに合うものを提供できていなければ年棒は低く提示されます。

もちろん、ニーズを満たすために能力を上げる必要はあるのだけれど、年棒と能力が相関関係があるように認識してしまうと本質を見失う気がしていて。

いま、年棒提示を控えてドキドキしているのは "わたしの能力が高いから年棒上がってるはずだ" では決してなくて、"会社のニーズを汲んでいい具合に振る舞ったはずだ" という気持ちがあるから。

相手のニーズを正しく認識する

相手のニーズ。これが、難しい。

わたしが勤務している外資 IT 企業に関しては、各ロールに求めるニーズが期が変わるごとに結構がらりと変わります。それを如何に汲み取れるか。
ニーズか変わる。すなわち、ルールが変わる。

毎年思うんですが、特に期が変わって情報が落ちてくる 8 月時期は
"あれ?野球やってたつもりだったんだけど、気づいたらサッカーになってるまじか" という気持ちになります(野球もサッカーもよく知らないけど)

''あれ、これまでボール手で投げてたんですけど…え、それ今年は反則です? ボールを今年からは足で蹴る?…そうですかそうですか……..了解です!"

ほんとこんな感じ。

こないだまでのルールが、ルールじゃなくなる。
こちらが提供する価値も、変わってしまったニーズとルールに合わせてチューニングする必要がある。

この点はこの会社の特徴だと思いますが、わたしは好きで。まじかーそう来たかー!こないだまでと言ってたこと全然違うじゃーん!
つい、わくわくにやにやしてしまう。多分、わたしも立派な変態なんだろう。

ただ当然、これらが突然変わると摩擦が起きます。
"いや、これまで手で投げてたんだから、今年も投げさせろよ"

そういう人もいる。正直、わたしもそう思うこともある。
”去年あれだけボール投げる練習させといてそりゃないよ" って。

でもそういう人は、どんなに優れた能力を持っていても前述の通り、会社のニーズに合うものを提供できなくて、それなりの評価になります。

そして、どうしても変化に納得できない人は会社から去っていく。

そろそろルールを作るほうに回る?

実は、組織の中でいつまでもルールを守るだけのいちソルジャーでいいのか?と心の中でささやく声はずっとしています。

ルールを作るほうに回るのはどう?って。
会社のニーズを定義して、それを満たすルールへ落とし込む方の立場へ。

いまわたしは 2 つのチームをリードをしていて、チームに対してルール変更を伝えたり皆が変化に対応しやすいように、情報を翻訳したりしている。
つまりは物言うソルジャーではある。

一方で、上に行けば行くほど情報量も増えることを思うと、その情報戦の中に身を置くのも楽しいと思う。

ただ。勤務している外資 IT 企業は、マネージャーになるならエンジニアは辞めないといけない。マネージャーというロールを選択したら、もう現場に出ることはない。

まだ、わたしはこの会社でエンジニアをしていたい気持ちがある。AI が出てきて、また働き方も戦い方も変わる。面白そうが過ぎて、離れられない。

わくわくしたい
見たことのないものをみたい
心を震わせたい

わたしを動かすのはこういう単純な気持ちで、エンジニアで居続けるか、マネージャーになるか、どちらが心が震えるのかを見極め中です。

ルールを守るだけじゃ評価されない

ルールを決められると、それを守りさえすれば評価されるのかと思ってしまうけど。

違う。
ルールを守るだけじゃ、評価されない。
厳密にいうと、並みの評価しか得られない。

クリエイティブであること

評価されるためには、ルールを守りながら、クリエイティブであること。
工夫をすること。
相手のニーズを見極めて、ルールの中でそこを鋭利にピンポイントで刺しに行くこと。先回りして、こちらから押しに行くこと。

わたしはもっともっと、鋭い刃が欲しい。精度高く刺せる能力が欲しい。
そうして、今日もまた必死で一日を過ごす。新しいことを学ぶ。

ルールとクリエイティブ。制約の中で創造せよってそんな無茶な!とも前は思ってたけど、トリプル P を学んでから考えが変わった。

子どももルールがないと自由に振る舞えない。
大人のわたしたちだって同じだ。ルールは守らないといけない範囲でしかなくて、その中で自由に遊べばいい。

AI が出てきて、ルールを守る・決められたことをやるだけのエンジニアを会社が淘汰し始めたなという気配を感じています。
おそらくクリエイティビティを、人間らしい泥臭い対応を、余韻を、残せる人が残っていくんだろう。

同じことをやってたって名人の芸は名人の域。
茶道の先生と同じお点前をしていても、わたしは先生みたいな粋な空気は出せない。

企業人として、わたしはどこへ向かうのか。
わたしは淘汰されるのか。どこまでも行けるのか。

自分たちで思うようにふるまうこと

ずっと企業人をしていて、"会社が決めたルール" に沿ったゲームをずっとしてきたのだけれど。
一方で、いつまでこんなことをし続けるんだろう。この先に何があるんだろう。何も残らないかもしれないな。とも思っていて。

自分が、本当にしたいことを自由にやりたい。
わたしたちが思う世の中のニーズを自分たちで考えて、そのニーズを満たすルールや方法も考えて、実際にやってみるところまで。

これだ!と思うものへ。自分の力を誰かのためにまっすぐに使いたい。
そんな欲が出てきました。

わたしは上野千鶴子さんの数年前の東大入学式祝辞が好きで。
これでぼんやり思っていたことが明確に言語化されたのもある。

あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。

平成31年度東京大学学部入学式 祝辞 | 東京大学 (u-tokyo.ac.jp)

色々思うことはあるけれど、恵まれた環境で努力ができたから、わたしが今ここにいることは事実で。
それを自分が勝ち抜くためだけに使うのは…嫌だ。(この、恵まれない人を助けるために…ていうくだりは何だか上からで好かん。恵まれない人を…なんて思ってなくて、ただ、自分の能力が世の中の役に立てたらと思っている)

※ 生育歴について思うことの詳細はこちら

だれかのために。
そんな思いで縁あって SOPH を仲間と始めました。

さあ。お盆明けからまた SOPH の活動も色々と始まります。
エゴではなくて愛を撒き散らしながら。心を込めて活動していきます。

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