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蝶と花

ソプラノめいちゃんによる歌紹介♪


今日はこの曲を紹介します↓

Le papillon et la fleur(蝶と花)
作詞:ヴィクトル・ユーゴー
作曲:G.フォーレ

こちらの曲も先日紹介した五月と同じくヴィクトル・ユゴー作詞、G.フォーレ作曲です。
ヴィクトル・ユーゴーとG.フォーレについては五月の紹介ページにて軽く触れています。

そして五月と同じくこちらもフォーレ最初期の作品。
16才の頃の最初の歌曲作品だそうです。
16才でこんな素敵な曲を作るとは……やはり歴史に名を残す人物は違いますね。

さて、今回の曲のタイトル の
“Le papillon ”は「蝶」、
“la fleur ”は「花」
という意味です。

この曲の面白いところはお花目線のお話になっているところ。
空を自由に飛び回る蝶々に対して、地面に繋がれているお花が嘆いています。
前奏は華やかで春を思わせるようで、連なる16分音符の音形は蝶が舞い上がる様子からは連想できます。


La pauvre fleur disait au papillon céleste:
Ne fuis pas!...
Vois comme nos destins sont différents,je reste.
Tu t'en vas!

可哀想なお花が空の蝶々に言っていた
「逃げないで!」
私たちの運命はなんて違う物なの、私はここに居るのに、あなたは行ってしまう!

最初は第三者目線での語りなのですが、「逃げないで!」からはお花のセリフとなっています。
お花である「私」は地面に居るのに、蝶は空を飛んでどこかへ行ってしまうことを言っています。

Pourtant nous nous aimons,nous vivons sans les hommes,
Et loin d'eux!
Et nous nous ressemblons et l'on dit que nous sommes
Fleurs tous deux!

それでも私たちは愛し合って、人間無しで生きている
そして人間達の遠くで、
それから私たちは似ていて 人々は私たちをこう言うの
2人ともをお花だって!

お花を客観的に見た私たち人間からすると蝶も花もどちらも素敵ですが、花には花の悩みがあるのでしょうか……。

Mais hélas,l'air t'emporte,et la terre m'enchaine.
Sort cruel!
Je voudrais embaumer ton vol de mon haleine.
Dans le ciel!
Mais non,tu vas trop loin,parmi des fleurs sans nombre.
Vous fuyez!
Et moi je reste seule à voir tourner mon ombre.
À mes pieds.

けど、ああ、風はあなたを運んで、地面は私をつないでいる
残酷な運命!
私はあなたが飛んでいるのを私の吐息の香りで満たしたいの
空の中で!
でもだめ、あなたは遠すぎて、限りない花の中へ
あなたは逃げてしまうわ、
そして私、私はここに残って私の影が回るのを見るだけ
私の足元の。

蝶は自由に羽ばたけるけど、花は地面に繋がれている。
“À mes pieds!” 「私の足元の」のところは空に羽ばたく蝶に憧れを抱きつつ切ない表現で歌えると良いなと思います。
詩の表現を考える時に、文末が「!」なのかどうかを見たりします。
1番の同じメロディーのところでは“Fleurs tous deux!”「2人ともをお花だって!」と、エクスクラメーションマークがついています。
楽譜上では1番と2番で同じp(ピアノ/弱く)の記号がついていますが、2番では「!」でなく「.(ピリオド)」で終わっているところを表現したいです。

Tu fuis,puis tu reviens,puis tu t'en vas encore
Luire ailleurs!

あなたは逃げ、そして戻り、それからまた行ってしまう
他のところで輝いて。

1番、2番は8分休符があってから入る音形になっていますが、3番だけは一拍目から入るようになっています。
ここは少し前のめりになるような言い方で歌うようにしています。


Aussi me trouves-tu toujours à chaque aurore
Tout en pleurs!

いつも夜明けの度にあなたは私を見つける
涙でいっぱいの!

ここが私が1番好きな箇所なのですが、
夜明けの度に涙でいっぱいの私(花)を見つける、という表現が鳥肌が立ちます。
花に朝露が降りている様子を涙でいっぱいと描くなんて……どうしてそんな素敵な見方ができるんだろうとただただ関心するばかりです…!

Ah! pour que notre amour coule des jours fidèles.
Ô mon roi!
Prends comme moi racine ou donne-moi des ailes
Comme à toi!

ああ!誠実な日々にほとばしる私達の愛のために
おお、私の王様よ
私のように根を生やすか、私に翼を与えてください
あなたのように!

最後の“Comme à toi!”「あなたのように!」はクライマックスです。
ここに1番思いが溜まるように歌いあげます。
楽譜上の記載は1番、2番の同じ箇所はp(ピアノ)でしたが、f(フォルテ/強く)となっています。
ここに花の思いの丈を全てぶつけるように最後を花々しく歌いあげたいです。(花だけに!?)

フォーレの蝶と花の楽譜はこちら↓


「蝶と花」は5/18のバースデーディナーショーでも歌います♪
バースデーディナーショーの詳細はこちら↓


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