見出し画像

【感想】水星の魔女 6話までの感想

(機動戦士ガンダム水星の魔女 6話までのネタバレを含みます)

 水星の魔女、面白いですね!
 次の展開が気になって、すごく久しぶりにアニメのリアルタイム視聴をしています。
 物語は6話まで終了、分割2クールという噂を聞いたので、起承転結の“起”の部分が丁度終わったあたりでしょうか?
 次回の放送は「まだ間に合う!『機動戦士ガンダム 水星の魔女』スペシャル特番」とのことで、いや、正気か???6話で視聴者を阿鼻叫喚にブチ落としておいて???という思いでいっぱいです。
 新規視聴検討者は間に合ったとしても、エランくん4号は確実に間に合わないんだよなあ……。
 本記事は、そんな水星の魔女6話までのキャラクターに対する印象とかをふんわりと語る、要するにここまでに抱いた感想の忘備録です。ぶっちゃけほとんどスレッタ、ミオリネ、グエルの話しかしていない。
 ガンダムシリーズ自体が初視聴なので、ロボットの性能とか決闘シーンの展開とかについての言及はほぼ一切ないです。むしろほぼ理解せず観ているといっても過言ではない。

そもそもなぜ観始めたのか

 元々そこまでロボットアニメに親和性がなく、過去にまともに全部視聴したのはエヴァとダリフラだけ。
 水星の魔女も、話題性の高さは知っていましたが初めは全く観るつもりがなく、ふーん流行りそうだなーくらいの遠巻きに眺めるくらいの関心の寄せ方でした。
 観てみようと思ったきっかけは第1話放送後。そう、「水星ってお堅いのね、こっちじゃ全然アリよ」という例のミオリネの発言がツイッターのトレンドに入った時です。
 完全に百合に振り切れているわけではないけれど、女の子が女の子のために戦う、しかも恋や愛という感情が選択肢として存在する可能性を示すアニメって、久しぶりな感じがしたのです。ウテナとか、シムーンとか、もしかしたらまどマギとか。諸説あるとは思いますけど。
 新たな価値観への挑戦というか、そういう制作側の気概みたいなのを感じたので、ニコニコで配信された第1話を後追いで視聴してみて、まんまとどハマりしてしまったと。まあそんな感じです。
 はい、次からが本題。


スレッタ・マーキュリー

 主人公のスレッタちゃん。たぬき眉可愛い。
 水星たぬきとか、またしても何も知らないスレッタ・マーキュリーとか、水星どうでしょうとか、水どうと大泉洋に偏った愛称をツイッター民からつけられまくってる。
 主人公なのになんとなく不憫枠というか、心を折ってくる展開が多くて心配になります。
 スレッタ側からしたら、初めての集団生活に希望をもって編入してきたのにいきなり決闘することになるし、エアリアル廃棄危機だし、デートすっ飛ばして求婚されるし、試験すら受けさせてもらえず再試も嫌がらせ受けるし、いい人だと思っていた人からの突然の悪意に晒されるし、ウーン散々では?本人は目立ちたくないって思ってるのにね。
 6話に至っては、「まだかな、エランさん」って待ち人来たらずエンド確定なのが本当に……つらい……またしても何も知らないネタが笑えない方向に転がるのがまーじで辛い。早くミオミオかグエルくん迎えに行ったげて。
 でも、スレッタは目立ちたくないとは思っていても、正しい方向に進むことに戸惑いはないのだと思います。それが図らずも目立つ結果となり、周囲の人の人生に影響を与えるだけで。
 スレッタの中の人がダリフラの負けヒロイン・イチゴちゃんと一緒と知って、非常に感慨深くもあります……今度は相手からの感情の矢印を集めまくる側か……。
 そういった意味で、スレッタはある種のファム・ファタールなんでしょうね。自分では全く意図していなくとも、自分の行動が他人の運命の歯車を狂わせる。魔性のたぬきとか新種だな。
 ただ、オペラやバレエの題材に挙がるタイプのファム・ファタールは最終的に自らも破滅エンドを辿ることが多いので、そこだけが非常に心配です。頼むよハッピーエンド!!!

ミオリネ・レンブラン

 本作のヒロイン。スレッタが可愛い系なら、ミオリネは綺麗系だよね。ところでミオリネパッケージのエアリアルコラボはまだですか???
 視聴するキッカケとなった「水星ってお堅いのね」から始まり、「ダブスタクソ親父」「ロミジュリったら許さないからね!」など、話題に事欠かない名言、迷言?製造機。美人で地頭いいのに汚部屋とかキャラクター立ちすぎなんだよな。
 経営戦略科のお姫様、トロフィーとしての価値しか求められていない、自らの意志は尊重されない、典型的な籠の鳥。その割に人生悲観せずにガッツあるというか、反骨精神が搭載されているというか、流れに逆らおうという意志がちゃんとあるのが良いし、その一歩を引き出したのがスレッタというのが大変よい。
 進めば二つと言ってダブスタクソ親父に啖呵切る場面も大変好きなんですけど、6話までの中で一番好きなのは、再試中に泣き出したスレッタに発破かけるシーン。あの容赦のなさは見ていて気持ちいい。
 ミオリネは相手の本質を見抜く力がすごいというか、良くも悪くも相手の心をクリティカルに抉っていくイメージがある。あの短時間でメンタル立て直してべそべそしつつもスタート地点に戻っていくスレッタもすごいけど、前の日の夜に話した内容に触れつつ発破かけて立ち上がらせようとする手腕やべーと思います。
 スレッタの中の人曰く、ディレクションで“イオンモールで泣いてる子ども”という指定を受けたそうですが、確かに愚図る子どもを引っ立てていくママの構図だわねこれ……。意外とスポ根というか、猪突猛進ガールというか、嫌いじゃないよそういう子。是非このまま全てを薙ぎ倒しつつ突き進んでほしい。
 ミオリネは地球に行くことが今の大目的で、そのためには決められた将来のレールをぶち壊すことが必要であって、御三家でもなんでもないスレッタがホルダー=花婿・婚約者であることが現状最も都合がいい。そのための手段であることもスレッタに対しては隠していない。スレッタの結婚観に女同士の選択肢がないことも、水星に学校を造りたいという将来の夢も、ミオリネ自身との利益に衝突しない都合の良さに拍車をかけている。だからスレッタがホルダーで居続けるためのサポートはするし、無断で決闘沙汰になると怒るけど、スレッタの自由恋愛までを束縛するつもりはない。
 今のこのスタンスのミオリネの心情が、どれくらいの期間をもってスレッタ自身に対する執着というか、愛着に変わっていくのか、今から楽しみですね。割と早い段階で絆されそうな気はするのだけれども。百合という枠組みに囚われない、互いが互いにとっての唯一無二、“たった一人の大切なあなた”に育っていってほしい関係性である。
 ただそうなると、二人が共にいるエンディングのためには、どちらかがどちらかの星を諦める展開になるのよね……いっそもののけ姫エンドか?エアリアルに乗ってミオミオに会いにいくのか?

グエル・ジェターク

 今期のおもしれー男枠。毎話おもしれー男度が前回を上回っていくのはどういうことなの???放送終了後に毎回トレンド入りする、6話後となっては最早視聴者達の心のオアシス。
 横恋慕ケツビンタ(される)DV男→まさかの決闘後即プロポーズ→からのツンデレ→好きな子のために決闘→惨敗して勘当→からの優雅なキャンプって面白すぎるでしょどうなってるんだこの人。グエキャンなる造語まで出来ちゃったしやっぱり水どうじゃねーか!!!って視聴者からツッコミ食らってて草。でも流石に寮追い出されてすぐテント張って優雅なコーヒータイム楽しみつつ好きな子の決闘観戦はおもしれー男過ぎるんだわ。環境に対する順応性が高すぎる。
 今週のグエキャンみたいに毎週お茶の間に癒しを届けてほしい思いもあるけれど、そのうち地球寮に合流してくれないかなー。チュチュ先輩とかミオミオとか一筋縄ではいかないと思うけれど、共闘からの合流展開とかあると嬉しい。期待しています。
 彼のキャラクター性に対しては、ヘイト管理がよく出来ているなーって印象。きちんと因果応報を受けているというか。視聴者側からはそれが全部見えているし好感度が毎話上がっていってるけど、スレッタ側からは一切わからないから「訳わかんないです……」の印象に留まっているのが切ない。ただでさえ機微な心の変化とかまだあんまりわからない情緒バブちゃんに、思春期男子のツンデレは読解が難しかろうて……おそらくこの件に関してミオリネの助力は期待できないだろうから、頑張れグエルくん。一視聴者は応援しています。
 6話までの中で一番好きなのはやっぱり3話のラスト、「人が恋におちる瞬間をはじめてみてしまった」ハチクロ真山の気持ちを味わえる例の場面な訳ですが、身近な人たちからも自分の実力を信用されていないとわかってしまったグエルにとって、自分の強さを真っ直ぐに見つめて肯定してくれたスレッタの存在は、それこそ思わずプロポーズしてしまうくらいの、自分の人生や運命を変えてしまうだけの価値があったのではないかと思うのです。父親から躾として叩かれ続けていたから、彼はミオリネを躾けようと手を上げた。それがこれまでのインプリンティングによる表出ならば、進めば二つのスレッタに感化されたグエルがこれからどんな選択と行動をとっていくのか。これからが楽しみですね。
 それにしても、エランからの突然の悪意に傷付くスレッタの元に颯爽とやって来たのは本当に格好良かった。曇らせ展開に呻く視聴者の心も救われた。今後も是非、スレッタと視聴者達の心のオアシスでいて……ずっとおもしれー男でいて……。
 グエルくんの恋路に関しては、上手いこと想いが実って幸せになってほしい光の自分と、スレッタの心に永遠に消えない傷を残して消えてほしい闇の自分と、うるせーーーミオリネも合わせてハッピー重婚エンドしろ!!!!!と吼える治外法権の自分が殴り合い場外乱闘しているので、心の中の結論が出るのは大分先になりそうです。最終回までに決着するといいね。

 ここまでで思いの丈の8割くらいは話し尽くしましたので、あとはさっくりまとめます。スコーン生地かよ。

エラン・ケレス

 ここでは4号君を指します。スレッタちゃんの淡い憧れ、多分初恋を奪っていった永遠の勝ち逃げ野郎。その勝ち逃げパターンはずるいのよ、誰も追いつけないやつじゃん。
 学園ラブコメとしてゆるい導入と初デート展開を和気藹々と楽しんでいた視聴者層を阿鼻叫喚のどん底に叩き落とし、これはガンダムだったと現実を突きつけた6話ラスト。視聴者の情緒を叩き落とす手腕の鮮やかさが、まどマギの3話みたいでした。褒めてはいない。悲しんでるんだよこっちは。
 それにしても6話放送後のツイッター民の語彙の切れ味やばくないか?エアリアルコラボの直火で炙った焼きとうもろこし味は処分方法の伏線とか、大喜利力鍛えられすぎだし容赦なさすぎる。誰よ焼きとうもろこし4号とか言ってるのは!要素を圧縮するんじゃないよ!
 アーシアンとスペーシアンとか、企業間の地力と動かせる駒の数とか、妨害や不正行為の容認とか、戦う者同士の立場の不平等さは作内で大分明確に描かれている要素ではあるけれど、対エラン戦は現状最たるものとして示されたのが辛かった。事情を知らない他人からは恵まれた立場にいると思われているその実、誰よりも不平等さを噛み締めているという。最期に祝福されていた記憶を思い出せたのは、彼にとっての何よりの手向だったのかな。
 4号君は紙一重のところで助かっていて欲しいけど、どうかな……。今後出てくるのが5号君か本物エラン君かはわからないけど、どこかのタイミングでスレッタが4号の結末を知って曇る展開が来そうで慄いています。

シャディク・ゼネリ

 ここまであまり掘り下げがなかったし、7話以降の展開としてシャディクとの決闘は普通にありそう。
 話の緩急としては一旦この辺りで負けを挟んで主人公を成長させて再戦して勝たせるのは考えつく範囲だけど、ウテナの二番煎じになりそうだし、そもそも同一人物との再決闘ってありなのか?グエル戦は一回目無効判断だったしな……?理解力が乏しいからこの辺よくわかっていないです。スレッタを籠絡してエアリアルごと自陣に引き入れようとする展開もまあありそうではある。
 既にグループ幹部候補として経営に首突っ込んでいるみたいだし、とんでもないシリアス爆弾ぶっこんできそうで非常に怖いです。

エアリアル

 ロボについて全然わからなくても、こいつはヤバいとわかるやべーやつ。ニカ姉からの極太矢印を一身に受けている無機物。え、無機物だよね???かなりあやしい。
 中に何か取り込んでるんじゃねーか疑惑がありすぎで視聴者達が常に慄いているイメージ。エヴァかな?ガンダム有識者が一番の厄ネタ機になるんじゃないかって震えているのが何よりも恐ろしい。
 6話の決闘シーンで撃墜されそうなビットを他のビットが庇いにいく挙動とか、いつもより声が聞こえたスレッタちゃんとか、どう考えてもなんかいるのはわかるんですが、“何人いるか”も問題ではあるんだよな……。ガンビットの数だけ人柱がいる展開は地獄の濃度が上がりすぎるので本当に勘弁してほしい。ガンビットの数+エアリアル=占いで示されたきょうだいの数とかいう考察も見てしまったけれど本当に勘弁してほしい。いや12等分されているのもそれはそれで嫌なんですけども。
 エアリアルくんがスレッタちゃんの幸せを願っているのはわかるので、人機一体で幸せを掴み取ってくれ。


 地球寮のみなさまの事とかも書きたかったけれど気力が尽きたので今回はここまで。
 7話以降の展開も楽しみだなー!シリアス要素少ないといいね!
 以上です。

#アニメ感想文 #機動戦士ガンダム水星の魔女 #水星の魔女

この記事が参加している募集