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オンライン化が進んだ2020年のプログラミング授業の振り返り

多摩美統合デザインでcocoponとプログラムを教えるようになって3年目。今年はコロナの影響で春学期は完全にオンライン授業、後期になって対面での授業が解禁されました。そんな1年も今週からは最終課題の制作期間に入るので、このタイミングで一度総括とメッセージ発信。

春学期の振り返り

春学期は3年生と4年生 (全員前年から継続メンバー)の両学年の授業。
まずコミュニケーションの拠点としてDiscordの導入を決めて環境整備をした。Discordの取説を作ってチャンネルをセットアップしてくれた4年生がいて感謝!またオンライン授業解禁の1週間前にはほぼ全員の準備が整い、本来の授業の時間に4年生からLINEでDiscordに呼ばれてプレ授業をしてみたらとても楽しかった。

その後、映像配信は品質の問題でZoomに変更になったが、Discordのリアクション機能で生徒に進捗リアクションをしてもらうのは実は教室よりもコミュニケーションが取れているのは?と思った。前期の期末発表会もZoomで順番に音と映像を繋いで喋って発表してもらう形式で実施した。

もともと全員の名前・顔・性格がわかる4年生とはきちんと発表会まで辿り着けたけど、まだ会ったことのない3年生とは、どうしてもお互い探り合うような感じの学期だったなと思う・・。

秋学期にやったこと

4年生は半期のみなので秋学期は3年生のみ。そしてついに対面での授業が解禁に。教室内の人数や座席の座り方にルールができ完全に元通りではないが、これで昨年までと同じレベル (?) の授業をできる!と思って改めて自己紹介から授業をスタートしたが、開始数十分でなんだか自由さよりも不自由さを感じ始めて失速してしまった…

その日はリアルな空間に我々講師が存在する価値をきちんと定義できておらず、オンラインに慣れ親しんだクラスがものすごくもっさりと進行してしまったことを反省。大学の恩師・脇田先生の「SFCの教員はオンラインで最高の授業をする」という言葉を胸に、オフラインへの幻想は捨てて、オンラインとオフラインの両立前提で授業を進めることにした。

以下、オフライン・オンライン両立授業のために実施したことや、その結果を書いてみます。

1. 受講場所・時間の制約をつくらない

やったこと
前期と全く同じようにオンラインで授業を受け続けられる選択肢を残し、ZOOM配信とアーカイブを続けることにした。結果、授業の参加方法は、
・メイン教室でライブ受講
・密回避のためにできたサブ教室でパブリックビューイング受講
・好きな場所でオンライン受講
・好きな場所でアーカイブ受講 
の4種類になり、かなり自由な選択ができる雰囲気になった。

2. オンラインに負けないオフライン環境を構築

やったこと
一度使った便利ツールがなくなってしまうと不便なだけだったので、ZoomとDiscordをコンピューター室のマシンに予めインストールした。それぞれには以下のようなメリットがあった。

・Zoomを導入して良かったこと
これまでの教室前方にある大きなディスプレイに講師の画面を投影する方法は教室後方の人を考慮して文字サイズを大きくする必要があったが、本当はソースコードの広い範囲を見せておきたいし、少しでも普段プログラマーが見ている景色に近いものを見せたいと思っていた。
Zoom配信を前提とすることで、投影する文字サイズを小さくしても、教室の自席からZoomを見ることができるので、その問題を解決することができた!

・Discordを導入して良かったこと
コピペ可能なソースコードを授業の経過に合わせて配布したり、授業の経過を文字としても残すことで、タイピングが追いつかなかったり、聞き逃してしまったり、遅れて参加してきた生徒をフォローすることができたと思っている。
また、生徒の「できた!」を表明するためのリアクション機能の活用や、DMでの質問サポートは、教室で手を挙げるよりもハードルが低くなり良かったと思う。(前年はLINEを使って授業時間外に質問を受けていて、それも学生に上手に活用してもらえていた)

結果・課題

学習効率・理解度を高めるためにも、ツール面を開拓できたことはかなり良かった一方、利便性を追求した結果、サブ教室は誰も来ないので廃止になり、メイン教室に来る学生もだんだん減っています... Discordのユーザー名とアイコンは覚えられてきたけど、名前と顔を覚えられないのが申し訳ない…

こちらから率先してフィードバックをしたり、一緒にトライ&エラーをする点については現状課題が残っています。

残りの授業に向けて

イレギュラーな一年ですが、最後まで教室のリアル授業&ライブ配信の実験を続けたいと思っています。そして来年に生かします!最終課題がんばってください!!

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