見出し画像

ウィーンエナジー(熱供給公社)へ

ヘルシンキからフィンエアーで2.5時間、ウィーンへ。レンタカーを借りて、ウィーンエナジーという地域熱供給+発電事業者を訪問し、その後ザルツブルグへと3時間以上かけて車で移動。そんな1日でした。

ウィーンエナジーは、1902年創業のエネルギー供給公社です。今回の訪問で最大の会社。数百MWの発電機と熱供給を行なっていて、200万都市ウィーンの35%の熱供給を行なっているそう。ともかくでかいです。以前、都市ガスで、ガス供給と発電事業を行う大阪ガスの泉北発電所を訪問しましたが、その時以来の巨大感。

ここは木質バイオマスを燃やして蒸気タービン回している箇所もあります。ただ、この日はチップはサイロに全くなく。どうやら、補助金がきれているので、いまはやっていないそう。年間3500億円の補助金が入っていたそうですが、それがいまは止まってるようで、ランニング補助を必要としているんですね。彼らでさえ、純粋にPLを黒字化するのは難しいのだなと思いました。ちなみに、会社全体としては1200mWの発電能力がありますが、バイオマスは25MWで、大したことはないそう。

画像1

彼らのプライマリー配管の送る温度は冬季で160度。夏季で100度。いまや、デンマークなどは第4世代地域熱供給といって、行きは70度、戻り40度と低めに設定しているのが普通だそうなので、なぜかと聞いたら、ウィーンは古い家も多く、断熱気密性能が低いため、そうした低い温度だと熱が不足するのだそう。やはり、地域熱供給と住宅はセットで考えるべきですね。

一方で、熱を基本とする発想はフィンランドと同じで、熱需要にあわせた運転をしているとのこと。電力単価、7¢EUR/kWhですから、8円ぐらいですか。やすいですもんね。ちなみに、電気代の単価は上がっているようで、20円/kWhぐらいだと言っていたように記憶しています。

外観はこんな感じ。中では写真撮影禁止でした。

画像2

文責:井筒耕平

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?