百二十一話 結果オーライ

喫茶店『天使の扉』で働き、休憩を取っている私…。


休憩している控え室には、すでに摩耶がいた…。


摩耶とあれこれ言い合いをしていたら、翼さんが部屋にやってきた…。


どうやら、言い合いの声が想像以上に外に聞こえていたらしい…。


ちょっと怒っているらしい翼さん…。


怒っていると言うか、困っている…?


眉根を顰めている翼さん、なんかかわいい…。


そんなこと思っていると分かったら、余計に怒られそうだけど…。




そもそもなんで、摩耶がずっと控え室にいて、ずっとサボってゲームをしているのか…?


翼さんが言うには、摩耶は両親にネグレクトされていて、可哀想な子だと言う…。


それにまだ中学生なので、お給料を払って雇うことができないそうだ…。


それで、ずっとここにいて、ゲームをしているのか…?


今日は平日だけど、中学校はどうした…?


自分のことを棚に上げて、私は色々聞いてみたい気分がして、モヤモヤするのであった…。


学校休学になって、施設に入れれるのが嫌で、家出した私が心配してしまうのであった…。




色々考え込んでしまっていた私…。


ふと、摩耶の方を見ると摩耶は私の方にあっかんべーをしているのであった…。


私も負けじと、渾身のあっかんべーをする…。


その顔を、なんと翼さんに見られてしまった…。


どうしよう…?




「ノアちゃん…!本当に摩耶ちゃんをいじめていないんでしょうね…?」


翼さんは私の方に顔を寄せて、問いただしてきた…。


怒った翼さんの眉は、かなり釣り上がって綺麗だった…。


そして、私の顔にかなり近づけて言っているのでもう少しでキス出来そうな距離である…。


まぁ、そんな私の感想は置いておいて…。


「いじめてないですよ!この子が笑うかもと思って変顔してただけなんです…!」


私はかなり苦しい言い訳をした…。


そして、私はもっと渾身の変顔をした…。


「うわぁ、ぶっさ!マジでブサイクすぎるっすよ…!」


私の顔を見た摩耶が、ものすごいドン引きをしている…。


翼さんも、かなり呆れた顔をして、こちらを見ている…。


うぐっ、やらなければよかった…。


多分、私の顔は出来損ないの、ひょっとこみたいな顔をしていることだろう…。


私はヤケクソになり、そのまま翼さんにもっと顔を近づけてみた…。


翼さんは、耐えきらず、笑って吹き出してしまう…。


よかった…。翼さん笑ってくれた…。


摩耶は、やれやれと言った表情で、こちらを見ているが…。


結果オーライ!って事で、私は安堵するのであった…。

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