百四十七話 いい匂い

喫茶店『天使の扉』での初めてのご奉仕を終え、帰路に着いている私…。


帰り道もちょっと摩耶といざこざがあったけど、無事?翼さんの部屋まで到達できた…。


その前に一足お先に翼さんの部屋に着いていた摩耶によって、鍵を閉められていた…。


摩耶め…。鍵を閉めたな…。


だけれど、大丈夫…!私も翼さんに借りた合鍵があるのだ…!


私もスカートにある隠しポケットから、合鍵を取り出した…!


翼さんから借りた愛しの合鍵ぃ〜!!


謎のイントネーションで、ポケットから取り出す…。


ふふふ、変なテンションだけれど、やっぱり好きな人に合鍵もらうって一大イベントだよね…!


私は合鍵にキスしそうな勢いだけれど、敢えてそれをしないで玄関の鍵穴に入れた。


なんという意味深で、危ない行為なんだろう…。


そんなこと妄想している私が、一番危ないんだろうけれ


なんか、ごめんなさい…。翼さん…。




そんなことを考えて、鍵を開けて翼さんの部屋に入ると、摩耶がこちらを見ている…。


摩耶は、私がなんで翼さんの部屋にいるのか?そして、合鍵まで持っているのかと聞いてきた…。


私は昨日から、翼さんにご厄介になっていると言い、合鍵も借りたとドヤ顔で答えた…。


摩耶はなにか悔しそうな顔をしている…。


ふふふ、摩耶の悔しそうな顔見てると、溜飲が下がるわぁ…!




摩耶はめちゃくちゃジト目で、こちらを睨んでいる…。


そして、こちらに無言でどんどん近づいてくる…。


うっ、また私に危害を加えるつもり…?


私は咄嗟に身構えた…!


また摩耶の渾身のローキックが繰り出されると思ったのだ…。


「もうお前の相手は疲れたっす…。寝るっす…」


しかし、摩耶はプイッと後ろを向いて踵を返したのだった…。


そして、そのまま翼さんの部屋の寝室に向かう摩耶…。


あ、あれ…?私はそんな摩耶の行動に拍子抜けしてしまう…。


まぁ、なにかされるよりは、ずっといいけれど…。


とりあえず、私は洗面所に行って、手を洗ってうがいをした…。


そして、顔も洗う…。


少しは、スッキリしたかなぁ…?


私は、いい匂いのする洗面所にあったタオルで、顔や手を拭くのだった…。

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