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4つ目の名前

名前を変えました。

先月末に会社を辞め、大きなトランジションを経て、次のステージに向かうこのタイミングで、4つ目の苗字にしました。

本名、園田恭子です。

生まれた時の苗字は、山本。

その後、27歳で結婚し、品川に。

夫は結婚して4年で亡くなりましたが、そのままずっと品川で通し、10年後再婚した時に、園田に。

でも、個人事業主として独立する時、ビジネスネームとして美園恭子を名乗りました。

本当は、仕事をしている自分は品川でいたかった。でも前の夫の苗字ですしね。なんとなく遠慮もあるから名乗れませんでした。

んじゃ、本名で良くない?ってことなんですが、3つの理由があって芸名を選択しました。


理由は、

①再婚のタイミングで転校した次男と長女が、自分の実の母は亡くなり、今の母は継母であることを友達に内緒にしていた。

②独立当初、私が通っていたイメージコンサルタントスクールではビジネスネームを使うことが推奨されていたし、普通だった。一緒にプロジェクトを組もうとしていたメンバーが全員名前に「美」がついていた。

③屋号の相談をしに行った命名の先生に、「そうね、園田って堅いわよね。漢字が二つとも全て四角で囲われているから。」と言われた。


一番重要な理由は①です。子供の世界を守りたかった。

当時、自宅をサロンとして使い、イメージコンサルタントの仕事をしていました。集客のために書いていたブログには子育ての苦労や自宅の写真も載せます。

航空会社で20年近くバリバリと働いていた私が、突然会社を辞めて15歳、13歳、9歳の母となり、子育てに苦労しながらも、一から起業し、輝く女性を目指してチャレンジをしていることも正直に書きたかった。

そもそも、私の雰囲気は自分で3人も産んだっていうのに無理がある。辻褄が合わない。

でも、そういう自分と、本当の親子のふりをしてひた隠しにする子供たちを切り分けるため、子供たちの世界と私の世界がリンクしないようにビジネスネームを使うことにしました。


そして自分の中でゾッとしたのが、③

「園田って、囲われているよね」という先生の何気ない一言が、本名でいくかビジネスネームでいくかを悩んでいた私の心を即決させました。


私は再婚後しばらくして20年勤めた会社を辞めて、専業主婦になっていました。

中学2年の頃から憧れ、その後8年間目指し続けた航空会社。11年続けた客室乗務員から総合職へ転換し、管理職にもなっていた私は定年まで続けるのが当然だと思っていました。

結果的に子育てに専念しようと決めて辞めたものの、人生の全てだった仕事を離れ、コミュニティをなくし、大きな会社の看板をなくし、名刺をなくし、アイデンティがなくなったような気がして、「何者でもない自分」を受け入れられず、私にとって専業主婦時代は暗黒時代でした。(今は全然楽しめますけどね〜)


最悪の精神状態からの脱却を図るため、子育てしながらできる仕事で起業することを決めた私には、「囲われている」という言葉が「家庭にいなさい」と強制されているようで、過剰に反応したのでした。

外の世界とつながりたかった。子供の母という役割だけでなく、自分の価値や貢献によって作られる世界で、誰かと繋がって一人の人間として生きて行きたかった。


そんな私もその後イメージコンサルタントからコーチへ、コーチから変革コンサルタント企業へ入社。

自分のフィールドに戻ってきたと思えたビジネス世界でのコーチング、さらに会社に入社し大企業を訪れる時には昔の法人営業時代を思い出し、ワクワクしました。

ただ、クライアントと名刺交換をする時・・・

 「あぁ、この名前はイタい・・・。」

何度、思ったことでしょう。

まさかね、名前をつけた時は大企業の人と名刺交換すると思っていなかったのですよ。でも途中で変えるわけにもいかない。。。


そして、この春、晴れて長女は大学生。

もう、自分の一生に起きたことを自分で選択して語れる年齢になっています。

私も、偶然、同じタイミングで離職。


名前変えるの、今でしょ。


ところで、「家庭に囲われている」問題はどうなったのか?

今は、ぜ〜んぜん! 私は私、と思えています。

仕事がなんであろうが、会社の看板があろうがなかろうが、園田恭子という人間が園田恭子という以外の何者でもないと受容し、そこから何を作っていけるのか、大いなる力によってどこにいざなわれていくのか、今は楽しみでもあります。

名前は大事だけど、今の私にとっては記号。苗字が二つあることによる手続き上の面倒臭さの方が嫌。他者にお手数をおかけしますしね。


お疲れさん、美園恭子。

あなたの時代、あなたの役割、あなたのこだわりは終焉を迎えました。

次のステージは伸びやかに軽やかに。


*1年間、放置したnoteをこれからは少しずつ書いていこうと思います。





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