2024年2月26日 広島市議会総務委員会(中央図書館、教育勅語、G7サミット記念館設置、平和式典中のデモ規制)
この日の広島市議会総務委員会も、いろいろな市政課題について、予算の審議や市民からの請願などが議論されました。
わたしが特に関心を持っている、
①築50年の広島市立中央図書館を広島市の三セクが経営する築25年の商業ビルに移転させる問題
②広島市長が市職員の新人研修で12年間にわたって教育勅語を紹介している問題
③「核兵器には役割がある」と核抑止の論理を肯定したG7広島サミットを広島の誇りにするべく国名勝・平和記念公園内に5000万円かけて記念施設を建てる問題
④原爆の日に挙行される平和記念式典でのデモを規制する条例案が復活しようとしている問題
の部分を抜粋して、例によって粗いテキスト起こしをしました。
なお、X(旧Twitter)でもつぶやきましたが、ひたすらテキストを起こすこの営みは、市議会の議事録が半年ぐらい経たないと出てこないのに、市民不在でいろんな大事なことがちゃっちゃかちゃっちゃか決まっていくことに対する、わたしなりの抗議でもあります。とにかく時間との勝負なので誤字脱字はご容赦ください。
トピック別に分けてnoteにしようと思ったのですが、時間がないのと、むしろよくわからなくなるので、その都度トピックを見出しみたいに記して、そのまま載せます。おそらく明日の本会議でシャンシャン、といろんなことへのゴーサインが出されると思いますが、その前に読んでいただけたらと思います。
中央図書館の三セクビルへの移転問題
市民局長:第140号議案、財産の取得についてです。提案の要旨は中央図書館および映像文化ライブラリーを移転し、広島市郷土資料館サテライト仮称を整備するため、土地および建物の一部を買い入れようとするものです。土地の一部の買い入れについて、所在地は広島市南区松原町地目は宅地、面積等は議案の通りです。買い入れ価格は3億1503万1374円、借り入れ先は広島駅南口開発株式会社です。次に、建物の一部の買い入れについて、所在地は広島市南区松原町、構造は鉄骨造り一部鉄骨鉄筋コンクリート造り、地下2階付13階建て、他の建物のうち、地下2階、1階、3階9階および10階の各一部並びに11階部分、面積等は、議案の通りで、敷地権の割合は、この面積等に基づき算定される。専用部分ごとの割合、借入価格は65億9499万9075円、借り入れ先は広島駅南口開発株式会社他4人です。なお、参考図として、19ページに三つ、付近見取り図を掲載しております。以上が市民局関係の議案の概要でございます。
中森委員:第140号議案なんですが、広島市中央図書館等のエールエールA館への移転整備のために、今回土地に3億1503万1374円、建物に65億9499万9075円を支払って取得しようということになっております。支払う相手は広島駅南口開発株式会社他4人ということになっています。
この額は昨年問題になりましたおよそ72億円より少ないわけですけれども、つまり、今回は取得することができなかった部分が残されているということだと思いますが、どれだけ残っているのか教えていただきたいということと、話がついていない案件は何件で相手は何人かということと、この大体72億円弱、予定されておるわけですが、この全部決着がつく見通しはあるのかどうか、この3点を教えてください。
生涯学習課長:今回、9月に補正予算を上げてさせていただいて購入するということで、相手方と購入し交渉し、購入できなかった部分の面積というのは約454平米となっております。権利者のうち、13名の方と今回交渉させていただいた結果、8名の方からは、まだ同意をいただいていないという状況でございます。その方につきましては、引き続き早期に取得できるように、交渉を続けていくことにしております。以上です。
中森委員:来年度整備工事に係る予算になっていると思いますけれども、取得できないところは工事ができないんじゃないかなと思ってしまうがその点はどうなのかということと、これはもしかしたら賃貸になるのかどうか。そうなると、元々賃貸で行くことになっていた部分がありますけれども、全体としての事業費が膨らんでいくことになるんじゃないかということについて、お答えください。
生涯学習課長:今回、購入できなかった部分については賃貸賃貸で借りるということになります。基本的には南口開発株式会社が一括して管理をしておりますので、工事をするのには支障はございませんで、全体の金額につきましては、当然賃料がかかってきますので、増えていくことになっていますが、これも早期に交渉を進めていく中で、削減に向けて進めていきたいと考えております。
中森委員:それから、ある方に聞いたことなんですけども、不動産鑑定士に鑑定を依頼して、買取額を決めたということになってます。2名の方にお願いをしたということなんですが、このエールエールA館がある土地は、そもそも国土交通省の地価の基準値になっていた場所だと聞いたんですよね。そうすると、別にわざわざ鑑定をして、2人の方の鑑定には揺らぎというか開きがあるわけですけれども、そういう推計という形で出しているのはどうしてもそういう風になっていくのだろうなと思うんですが、そういうことしなくても、最初からこの基準値の価格を使えばよかったんじゃないかなと思うんですけれども、この点はどうなんですか。
生涯学習課長:今回、2社の不動産鑑定士において額を出させていただいたんですけども、多分その土地の評価、その建物の評価については、要はそういった基準値っていう評価だけではなく、実際にその建物をどのように再度建てたらどれぐらいの経費が必要なのかという手法だったり、その建物がどれぐらいの利益を売るの利益を得る建物なのかと、建てられている建物についての中身も含めて評価をされるものになっております。そういった評価については単純に、その土地の場所の基準になっていることだけではなく、そういったものを含めた総合的に評価をする必要があるというところで、そういう評価になっております。以上です。
高森委員:この2人の鑑定評価では、その土地の評価についても、ちょっと違いがあるわけです。だからその点はちょっと疑問が残ると思っています。それから、昨年の12月議会で議論したところなんですけれども、この土地にも、それから地上権にも、広島市の持ち分が元々あった、広島市が所有していた部分があったということで、それを広島駅南口開発株式会社に現物出資した部分が、あるのに、この価格で取得しようとしていることにも疑義が残る。そういう議論も、一度しているわけですけども、この、市が持っていた不動産を現物出資したことによって、広島市が得たのは、広島駅南口株式会社の持ち株比率が上がったということかと思いますが、その点では、この会社の中で発言力が大きくなったというのが今一般的かもしれませんが、現実はこの南口開発の経営困難の責任を、市が負っている状況。つまり、市民の負担に、場合によってはかぶせられてしまうという状況に変わりはないと思います。つまり、市民の立場からするとこの現物出資のメリットはないんじゃないかなと思うわけですよ。
改めて、この市の持分だった部分を確認しますと、土地については、このエールエールA館からの敷地全体の57.3%を市が持っていた。今回取得するのはその一部ですね。それから、建物の地上権については今回取得する10階フロアの27.7%を市が持っていたわけですよ。
ですから、今回市が取得しようとしている土地は、元々は市が所有していたものですし、10階のフロアの27.7%は元々、市が所有していたものなわけです。いずれも市民の税金を使って取得し所有していたわけですよね。
市は、それらを南口開発の所有に移したことで、今のところ何らの利益も得ていないんではないかと思っています。それにもかかわらず今度は、それらをまた市民の税金を使って取得しようとしております。これは二重投資ということになるんじゃないかと思うわけですよ。今回取得している土地よりも遥かに大きい面積、つまり敷地の6割近くを市が持っていたわけですから、二重投資しなければ新たに税金を使って土地を取得する必要がなかった。これは市民にどう説明されるんでしょうか。
(長い沈黙、理事者の挙手なし)
市民局次長:はい。あの、まあ、言われた通りですね 9、10階の部分の一部、それから土地に関しましては、市が南口開発の経営状況の改善のために建設中止をしたという事実はございます。ただ、そのときそのときの判断で、要はその経営状況を判断し、市が投資として必要だということで現物出資をされたものと考えております。現在それに対して、新たに公共施設である中央図書館を整備をするということで、それに必要な土地・建物を取得することになっておりますけれども、これに関しては、あくまでも、公共施設を整備をするということで、必要な土地建物を取得するということですので、二重投資というご指摘は当たらないと考えております。以上でございます。
中森委員:結果として二重投資になるということについては、市民とすればなかなか納得しがたいことではないかなと思うんですよね。現物出資した際の出資額、これはこの二重に負担するという問題を考えると無視できないということですので、私はきちんと確認しておく必要があると思っているんです。
現物出資したのは確か平成17年だったと思いますけれども、今理事者が言われたような理由でしたんだと思いますが、その際必ず出資額つまり不動産価格が、そのときに、公的に認知されて、その分資本金が増えたはずです。それはそのときの時価だったわけですけれども、その時価はどれだけか。わかれば教えてください。
生涯学習課長:すいません、基本的南口開発株式会社の細かい状況につきましては、その担当課でないことから、詳しいところについては承知しておりません。以上です。
中森委員:元々現物出資してた部分については、現物出資をやめて、南口開発という会社としてその分を減資して、現物出資分は市の持分として再登記するいうことをやった上で、残りを市が買い取るという風にすると、その分だけ安い価格で取得できると思うんですけれども、私はこういうことについては、素人ですから、できるのかどうかということもよくわかりませんが、どうお考えですか。
生涯学習課長:今回、図書館をエールエールA館に移転するということについては、そちらに移転することが、基本的にはその図書館の機能を充実させることができるということや、広島市のまちづくりの方向性に合うということで決めさせていただいた。今回は、それに必要な額をきちっと鑑定評価し出していると考えております。以上です。
中森委員:現物出資したときも、きちっと多分評価をして出資しているはずなんですよ。ですから今の時価はもっと上がっている可能性もあるんですけれども、そういう点を考えても、やっぱりちょっとこれは何もなかったというような形でほっとくわけにいかないんですよ。本当にこの取得額が妥当なのかどうか、やっぱり我々も市民に説明しなくちゃいけないわけですから、そういう点で明日本会議で採決が行われるわけですけど、市民局で回答できないわけですので、今日のうちにぜひ、都市整備局あるいは南口開発に確認していただいて、その数字をまた教えてください。それをぜひやっていただくようにお願いをしておきます。
委員長:他にご質疑等はございませんか。
若林委員:(別件略)それともう一つ、今聞いてはいけないのかもわかりません、予算のときに聞くべきだったんですが、確認の意味でお答えをいただきたいということなんですけれども、中央図書館、これは取得をするという契約になります。賃貸よりも取得をした方が有利だから取得をされるということになるんだろうと思いますが、そこのところを確認の意味でお答えをいただいければ私は終わります。
生涯学習課長:比較の中でですね、期間というところにもよりますけども、長くなれば長くなるほど賃貸料というのはずっとかかってくるものでありますので、要は賃貸する方がトータル的には高くなると思っております。以上です。
(別件略)
委員長:これより討論に入ります。討論がございましたらお願いいたします。
中森委員:討論を行います。第140号議案については反対といたします。広島市中央図書館等をエールエールA館に移転整備するために、ビルの8階から10階と地下2階などを取得し合わせて、そこに関わる土地の一部を取得しようとするものですが、広島市の歴史を背負った中央図書館として、その位置や環境などで、様々な市民の意見があったにもかかわらず、異例にも中古の商業ビルに移転整備することを強行したと認識をしております。ビルの床の取得に当たっても、その取得額に間違いがないのかにも、疑問があります。とりわけ、その一部が、元々市民の税金で取得していた土地やビルの権利を売り手である南口開発に無償で提供しておりまして、その結果、その部分については市民の税金を二重に費やすことになっているのは納得がいかないことであります。以上の理由で、この議案には賛成できません。以上です。
委員長:他に討論はございませんか。それでは以上で討論を終結いたします。これより採決いたします。まず、反対討論がありました。第140号議案を採決いたします。本件は原案通り可決することに賛成の意見、委員の挙手をお願いいたします。
挙手多数であります。よって本件は原案通り可決されました。
次に、ただいま採決いたしました議案を除くその他の議案を一括採決いたします。
本件は、いずれも原案通り可決することにご異議ございませんか。
(異議なしの声)
委員長:異議なしと認め、本件はいずれも原案通り可決することに決定いたしました。
次に、請願陳情の審査に入ります。お手元の請願陳情文書表つづりの表紙をめくっていただき、1ページをお開きください。本委員会には、総務委員会付託請願陳情一覧の通り、請願8件と、陳情2件が付託されております。
このうち、下から3番目以降の請願第18号から第20号については、いずれも今回、新たに本委員会に付託されたものであります。以上ご報告申し上げておきます。それでは、本委員会に付託されております請願陳情を一括上程いたします。
まず今回新たに本委員会に付託されました3件の請願についてでありますが、いずれも請願者から特に趣旨説明を行いたいとの申し出がありましたので、これを許したいと思います。この際、請願の方に申し上げます。趣旨説明に入られる前に、まず住所、氏名を名乗っていただき、趣旨説明は5分程度で簡潔に述べていただきますようお願いいたします。
また、請願者は委員や理事者に対して質疑ができないことになっておりますので、ご了承いただきたいと思います。それでは、請願番号順に順次説明を行い、説明を受けたいと思います。まず請願第18号の楠孝浩さん、発言席にお願いいたします。それではお願いいたします。
広島市新人職員研修での教育勅語引用問題
請願者:失礼します。はだしのゲンファンクラブを共同管理をしております広島市(住所略)在住の楠といいます。広島市内で教鞭を37年間取っていた一市民であります。
昨今の、松井市政を鑑みますと、広島弁護士会、JCJ、あるいは多くの平和団体からいくつもの反対の声が上がっておりますが、広島市職員の研修資料として、教育勅語の使用中止を求める請願について、趣旨説明を行いたいと思います。
まず私どもが今年1月24日付で出しました広島市教育長の松井さんに対する公開質問状に対し、事務局総務から回答をいただいております。
質問。「教育勅語の失効理由について」に対しては、お伝えしますと、教育勅語は昭和23年6月参議院において失効確認に関する決議がなされ、教育勅語等が従来のような効力をこんにちなお保有するかの疑いを抱くものがあることを慮り、それらが効力を失っている事実を明確にするという趣旨で決議されたと認識しておりますと、いただいております。
さらに「教育勅語は現行日本国憲法および教育基本法に違反するものですか」についても、教育委員会としては、法制上の効力を喪失したと認識しております。
さらに、「広島市の学校教育において教育勅語等を教えることは現行憲法や教育基本法に違反するものですか」についても、これらの法令等において、教育勅語を直接扱うことになっていませんと、答えられております。
最後に「広島市長、広島教育長は、憲法擁護尊重義務を課せられていますか」という質問に対しても、言わずもがな、日本国憲法99条により、市長および教育長は憲法を尊重する、擁護する義務があると、答えをいただいております。
以上の回答によりまして、松井市長と松井教育長は、教育勅語に関しては、真逆な見解のように私は思います。これは広島市行政に関して、この点について、整合性を持たせた説明ができるのでしょうか?この点では、松井市政としては破綻しているようにも私は思います。
さて、松井市長は教育勅語にも良いところがあったと繰り返し発言されております。それを12年間松井市政下で職員研修に使用し、今後も続けるとおっしゃっております。
先般のNHKのニュースで語られていたように、この教育勅語の英訳を見ると、なんと民主主義の正しい、素晴らしいことを書いた先端を行くような文章と、べた褒めをされておりましたが、後半の、それを専制政治というか、特定の人のしもべとしてこういうことをやろうとしたことが問題なのであって、そこを明らかにして残すということもあってもいいんじゃないかともおっしゃっております。
ただ、これを反面教師として、職員研修で、特定の人のしもべとして行おうとしたことを明らかにしてこられたかどうかについては、先週の本会議での中森議員に対する松井市長並びに阪谷・企画総務局長の答弁を聞いておりますと、とても納得できるものではありません。
さらに、教育勅語が、松井市長が言われるように、民主主義の正しい素晴らしいことを書いた先端を行くような文書と、英訳までしてさえ主張されるならば、いっそこの素晴らしい教育勅語を、教職員のみならず、広く世界に発信・喧伝され、姉妹都市のハノーバー市や、あるいはボルゴグラード市など、または、もちろん松井市長は世界平和首長会議の議長でもあられるので、国内外を問わずアピールされてはいかがかと。そのときに相手が平和文化都市広島の市長および姉妹提携としてふさわしいかどうかを判断するのではないでしょうか。
このG7を挟んだ1年間というのは、私的には広島にとっても松井市長にとっても、歴史に残ることになると思います。
最後に、今広島と広島市民が問われている。被爆地とは。被爆者とは。ですが本当に嘆き悲しんでいるのは、平和公園慰霊碑に眠る原爆死没者。34万柱の御霊ではないでしょうか。なぜなら、安らかに眠ることはできません。再び過ちを繰り返しつつあるのですから、と。真摯なご審議をよろしくお願いいたします。以上です。
委員長:請願者の方にはご苦労さまでした。それでは発言席から退席してください。(略)
委員長:次に、請願第20号の佐久間邦彦さん、発言席にお願いいたします。
G7広島サミットの記念館を平和記念公園内に建設する問題
請願者:広島市(住所略)、G7サミットを考える広島市民の会共同代表の佐久間邦彦と申します。私は被爆者です。昨年10月13日にG7広島サミット県民会議事務局から報道資料として提示された文書の中には、設置目的として、G7各国首脳等が、広島の地に一度に会した歴史的なサミットを、市民や県民の誇りとして未来に繋げていくため、サミットの開催を想起する代表的な品々等を展示した、メモリアルとなる「G7広島サミット記念コーナー(仮称)」を設置するとしています。
設置場所は、広島平和記念公園内、広島平和記念資料館の東館出口の北側付近に110平方メートル程度のプレハブ工法による建屋、設置場所の選定理由は、サミットの主要テーマと開催地が持つメッセージが一致した過去に例を見ない歴史的サミットとなり、特に各国首脳等が被爆の実相に触れた平和記念公園は広島サミットを象徴する場所であること、としています。
昨年5月に開催されたG7広島サミットの成果については、様々な意見があります。とりわけ「広島ビジョン」では、核抑止論を肯定する宣言を、被爆地広島から発したことは、被爆者をはじめ、市民から、そして全国から批判と怒りの声が渦巻いています。松井市長も湯崎県知事も、昨年の平和宣言で、核抑止論をはっきりと否定しているにもかかわらず、一方的に誇り「歴史的サミット」と評価することに違和感を覚えます。
また、広島サミット記念コーナーも過小に(過大に?)誇り、歴史的なサミットと評価することに違和感を覚えます。また、広島サミット記念コーナー設置を認めることは、被爆地広島が、核抑止を正当化した宣言、広島ビジョンを認めることに繋がります。
G7サミット事務局は、常設記念コーナー、広島ビジョンに関わる展示はしないとし、G7首脳が使用された円卓や椅子、芳名録レプリカ、植樹用スコップ、贈答品などを想定しているとしています。これらのものの展示を、多額の予算をつけてする必要があるのか、極めて疑問です。
どうしてもと言うなら、現施設を活用することで十分可能ではないかと考えます。建設予定地の場所は、資料館東館を出たところです。その場所には、被爆樹木アオギリがあり、峠三吉詩碑もあり、多くの修学旅行生が見学します。
また、資料館から出た人たちが石段に座って一休みする場所でもあり、修学旅行生や、校外学習の児童生徒が弁当を食べる場所でもあり、集合する場所でもあります。常設展示館ができると、集合、休憩、昼食の場所が狭くなり、また、視界が限られるため、引率の先生たちがトイレに行ったり、休憩したりしている児童生徒を把握しにくくなります。
さらに、建設予定地付近には、既に被爆遺構展示館があり、そこに常設記念コーナーが加われば、狭い敷地内に三つの建物が並びます。さらに、峠三吉詩碑では、碑前祭が行われ、県内外から多くの方が参列されています。
被爆遺構展示館が作られて以降、狭いスペースで、碑前祭を行わざるを得ない。常設記念コーナーができると、ますます行きにくくなります。このように公園機能、安全でも問題があります。以上で、請願の趣旨を終わります。
委員長:請願の方にはご苦労さまでした。それでは発言席から退席してください。以上で趣旨説明は終わりました。
次に、審査の参考とするため、請願事項の現況について、理事者から説明を受けたいと思います。また、請願第4号について、理事者から現状に変化があったとの申し出がありましたので、併せて説明を受けたいと思います。
企画総務局長:
本委員会に付託されました請願2件の原因につきまして、着席して順次説明いたします。
広島市新人職員研修での教育勅語引用問題(市説明)
まず請願第18号広島市職員の研修資料として、教育勅語の使用中止を求めることについて説明いたします。本市職員の研修で、教育に関する勅語を使っていることについて、広島市議会令和6年第1回定例会において、市長が答弁している通り、教育に関する勅語については、市長が就任した当初から旧憲法下のもので、誤った使い方がされているものであるから、決して取り扱ってはならないという意見がある一方で、教育に関する正しいことが書いてあるものだから、それを適切に理解して展開しなければならないという意見がありました。
市長は市職員を指揮するという公の立場にある者として、それへの対応を求められた際には、様々な意見に耳を傾けながらも、客観的な分析を踏まえ、公正公平に対処していくことが必要だと考えました。
そこで様々な意見がある物事については、これを画一的に捉えて良い悪いと判断するのではなく、日本が国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を基本理念とする国であり続け、また基礎自治体としてそれを実践していくために、歴史的な事実を知った上で、全体像を多面的に捉え、対応することが大切であると考え、職員にもこうしたことをしっかり身につけてほしいという思いで、市長に就任した平成24年度から、昔のことを研究して、新しい知識や道理を知ること、すなわち温故知新という説明を行っているところです。
なお、政府は教育に関する勅語の基本理念に関し、学校において教育に関する勅語、我が国唯一の根本とするような指導を行うことは不適切であると考えているが、憲法や教育基本法等に反しないような形で、教育に関する勅語を教材として用いることまでは否定されることではない、という答弁書を平成29年3月31日に出しております。
こういった中で、職員に対する研修において、教育に関する勅語を語る際には、まずはそれが作られ、使用された頃の時代背景を知った上で、戦争態勢に持ち込むために用いられたことから、文部行政の中から消えていったという歴史的な事実とともに、記述内容には、現在の日本で通用することを検証して良いものがあるのではないかということを伝えているものであり、今後も丁寧に説明していきたいと考えております。
教育に関する勅語については、こうした取り扱いをしていることから、本市としては研修資料の内容を変更することは考えておりません。また、市長をはじめ本市職員が職務を遂行するに当たっては、憲法を遵守するとともに、法令等に従うべきことは当然のことと考えております。
次に、請願第20号、G7広島サミット記念コーナー(仮称)を設置しないことについてです。
G7広島サミットの記念館を平和記念公園内に建設する問題(市説明)
G7広島サミット記念コーナーは、G7広島サミット開催にあたり設立された官民一体の推進組織である、広島サミット県民会議が設置するものですが、県民会議の解散に伴い、本市が設置後の運営を担うことになっております。
同記念コーナーは、広島サミットの開催を想起する代表的な品々などの展示を通じて、市民県民に歴史的なサミットが広島の地において開催されたことを誇りに感じていただくとともに、若者をはじめとする国内外の多くの来訪者に、G7各国首脳等の核兵器廃絶への思いを受けとめていただき、改めて平和について考えてもらう契機とし、広島サミットを未来に繋げていくために設置するものです。
また、設置場所は平和記念資料館の出口に面し、資料館を見終わった方の動線上に位置し、多くの来館者が見込めること、また資料館から被爆遺構展示館を経由し、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館、レストハウス、原爆ドームへと至る動線上にあり、既存施設の見学者の増加や、公園内の回遊性の向上にも資すること。さらに、木を伐採しなくてもよい場所であることから最適地として判断したものです。
現在広島サミット開催から1年後にあたる令和6年5月19日の一般公開を目指して準備を進めており、設置を取りやめることは考えておりません。
以上で本委員会に付託されました請願2件についての現況説明を終わります。
(略)
中央図書館の三セクビルへの移転問題(市説明)
市民局長:本委員会に付託されています請願第4号、中央公園内の公共施設の集約化等に係る方向性について再検討を求めることについて、の現況につきまして、着席して説明をさせていただきます。
浅野文庫をはじめとする貴重な資料について、その活用の基本的な方向性や保存環境、事業活動の内容、調査研究展示による資料活用の方向性、さらに新たな施設の整備内容や設置場所について取りまとめた浅野文庫等施設(仮称)整備基本計画案を作成し、先月の総務委員会において報告をしたところです。
また本件計画案については、1月23日から2月20日までの間、市民意見の募集を行ったところであり、これらの意見を反映した上で、3月下旬をめどに本計画を策定する予定としています。以上でm請願第4号についての現況説明を終わらせていただきます。
委員長:以上で理事者からの現況説明は終わりました。なお、その他の請願につきましては、いずれも理事者からの現況説明は特にございません。それでは、上程中の請願8件、陳情2件について何かご意見等がございましたらお願いいたします。
中森委員:今日新しい請願が3件、本委員会に付託されておりまして、いずれも私が紹介議員の1人になっておりますので、これら3件と、それから請願10号および請願12号の5件の請願について、時間をいただいて発言をさせていただきたいと思います。委員の皆さんにはしばらくの間、ご協力をお願いいたします。
広島市新人職員研修での教育勅語引用問題
中森委員:まず請願第18号ですが、新規採用職員の研修での市長の講話の資料として教育勅語が使用されていることについて、使用の中止を求めることが一つ、二つ目に、市の職員は全て、憲法99条を遵守することを求めるものとなっております。
今説明がありましたように、二つ目の問題は、これは市の職員としては全く異論を差し挟む余地がないことであります。公務員は全て憲法遵守を義務付けられているわけです。
一つ目の、この請願の件名となっている問題ですが、昨年12月の総務委員会では、市の職員の皆さんに事実関係だけを聞きました。その上で、市長がおられる先日の本会議で、直接市長に質問をしたわけですが、市長は私の問いに正面からお答えになりませんでした。
教育勅語が無謀な戦争に若者を動員する大きな力を発揮したことについての見解は、憲法の原理に反するものとされた教育勅語について語る際には、これはどのような結果を招いたのか、どういう風な役割を果たしたか、どういう目的で、戦前の教育の基本指針として作られたのか。こういったことをですね、時代背景ではなくて、私がこの本会議の質問で問うたことをきちんと認識をされて、そのことを含めて語られなければならないと思いますそれなしだと、単に教育勅語を再評価するっていうことにならざるを得ないのではないか、なりかねないのではないかと思うわけです。
市長が温故知新の題材として、結局教育勅語の中の一部の徳目を評価すべきことがあったと。自ら語っておられることに対して、それへの反論や批判として、この排除決議を行った当時の国会での提案者の発言を示して、教育勅語の中で語るべきではないという風に市長のお考えを聞きました。それの答弁も回避されたということは、教育勅語が歴史的に果たした役割についての教訓を生かす。そういう立場・姿勢がないということになるんではないかと思います。
教育勅語の文脈を考えると、そこに民主主義の理念などは存在しようがないし、英語の翻訳文が民主主義の考え方があったという証明にはなりませんし、それがあったというのは、これは市長の勝手な解釈に過ぎないという意味で批判したんですけれども、それへの回答も回避しておられるので、これは反論できなかったと考える他はありません。私の基本的な批判に対して回答できないということになりますと、やっぱり誤りを認めて改めるべきだと、あえて申し上げたいと思います。
市の責任ある立場の方がこの答弁席にはいらっしゃるわけですから、このことについてどういう風にお考えか。市長ではないので答えにくいかもしれませんけれども、この職員研修を執行する側として、あえてお聞きしておきたいと思います。ご答弁をお願いします。
研修センター所長:先ほども請願の趣旨説明でご説明しました通り、市長は公の立場にあるものとして、今回の教育に関する勅語のような、様々な意見がある物事への対処を、職員にもしっかりと身につけてほしいという思いから、教育に関する勅語を研修教材として使用しているところでございます。
あくまで教育に関する勅語の使い方としましては、物事の見方や対応の仕方をトレーニングする材料でございまして、教育に関する勅語を広めようというような意思は全くございません。以上でございます。
中森委員:そうじゃないならですね、評価するかのごとき発言というのはするべきじゃないんじゃないかなと思うんですよ。本会議の市長の答弁にありました、憲法や教育基本法に反しないような形で、教育に関する勅語を教材として用いることまでは否定されることではない、というこの政府の答弁書、平成29年に安倍内閣が閣議決定したものなんですけれども、この頃盛んに自民党の議員や当時の閣僚が日本の教育に使うべきだという議論や発言をしていた中でのこの閣議決定だったんですよね。
企画総務局は法令に精通した部署もあると思いますが、この国会の衆参両議員での教育勅語排除決議や失効確認決議、これは今の効力を持っているものだと思いますが、これについてはどういう風にお考えですか。
研修センター所長:委員がおっしゃられました通り、そういう事実だということは承知しているところでございます。以上でございます。
中森委員:承知しておられるということなんですけども、国会での排除決議とか失効決議を待つまでもなくですね、天皇主権の国家体制に奉仕する人間をつくることが目的の教育勅語に対して、国民主権と基本的人権を基本原理をしている、個人の尊厳や様々な自由を、それから諸権利、これをこれらを明記した新しい憲法が作られました。そして、それに反する詔勅等は無効だと憲法98条に明記されているわけですよ。だから、教育勅語は当然効力を失ったわけです。
教育勅語にある徳目の一つ一つのどれかが教育勅語の枠から離れたところで、一般的に普遍性を持っているとしても、教育勅語の中のものとして取り上げることになりますと、これは全ての徳目が皇室国家の繁栄のために身を捧げる人間にならなければならない。皇室国家の繁栄のために身につけつけなければならないものだと求めているんであって、だから日本国憲法と教育基本法とは相いれないとされたわけです。
教育勅語の中で、ここの徳目の中に良いものがあるという話になりますと、結局は教育勅語そのものの再評価ということになってしまうんじゃないでしょうか。
その点では、憲法や教育基本法に反しないような形で一部であれ、教育勅語の枠の中で、その中身を教えるために、学校の教材として用いる余地はないと考えるべきではないかと思います。教育勅語をどのように用いようと、教育勅語として教材に用いる以上は、これは憲法と教育基本法に反するのであって、安倍内閣が閣議決定した答弁書は、教育勅語に関する憲法解釈を変更するものになってしまったんじゃないかなと思います。
普遍性がある徳目があるんであれば、教育勅語の枠の外で言えばいいことです。この議論、これは文教委員会でありませんのでここまでにしておきますけれども、その上でなんですが、市長は、教育勅語を職員の研修の題材として使うということについて、本会議で私が問うたことにお答えになりませんでした。
つまり、時代背景を交えて語っておられるということなんですけれども、肝心のあの戦争で教育勅語はどのような役割を果たしたかをきちんと、もし語らないのだとしたら今の日本社会の基本原理となっている民主主義に反する、子どもたちを皇室国家に尽くす人間に育てるためのものだということをきちんと語られないのだとしたら、それこそ、この憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いればいいという言い分にも反するのではないかとも思います。
市長が、民主主義の考え方が盛り込まれているというようなことを語っておられることに対して、民主主義の考え方など存在しようがないと。いったいあの徳目の何を後輩に引き続き引き継ぐべきものたものだということなのか、ということを問いましたけれども、それもお答えになりませんでした。
ご自分が教育長も教育勅語について語っておられることを否定をされて、それに反論できないということだったと思いますけれども、それにもかかわらず市長は教育勅語を使って何を伝えようとされるんだろうか。
今、研修センター所長が答弁をされたところではありますが、私が本会議で、市長が言ってらっしゃることおかしいじゃないかと反論・批判をしたことに対して、反論されなかった。にもかかわらず、相変わらず反論できない論点ですね、民主主義であるとか、そういうことを語るっていうのはおかしいんじゃないかなと思いますし、責任ある態度ではないと思うんですけども、どういう風にお考えですか。
研修センター所長:市長が職員研修において、教育に関する勅語につきましては歴史的な事実とともにですね、記述内容には現在の日本で通用することを検証して良いものがあるのではないかということを紹介しております。ですので、決して教育に関する勅語の評価について、そのものを言及しているわけではございませんので、そういう意味においては、教育勅語の、教育に関する勅語の取り扱いについてはですね、変更するものではないと考えております。
中森委員:いやですから、市長は自分でも言われたわけですよ。あの勅語のあの徳目の中にはなんと民主主義が盛り込まれようとしてあったという風なことをね、あえて言ってるんですみたいなことを記者会見でも述べていらっしゃったんじゃないかなと思います。しかし、そんなことはない。私は否定したわけですよ。そんなこと、おかしいじゃないかと批判したわけですよ。それについて、お答えにならなかった。
にもかかわらず同じことを相変わらず、また研修で話されるのかと思うわけです。これはやっぱり責任ある態度ではないんじゃないかなと思います。市長がやめるとおっしゃらないので、この問題を引き続き議論していく必要があると思っております。
(略)
G7広島サミットの記念館を平和記念公園内に建設する問題
中森委員:次に、請願第20号ですけれども、G7広島サミット記念コーナー(仮称)を設置しないよう求めるものになっております。この問題は、後で門田議員も発言されるということですので簡単に申し上げておきたいと思います。
G7サミットが行われた都市で、今回広島市が設置しようとしているような記念コーナーをわざわざ設置する例が、日本以外であるのかどうか、わかっていれば教えてください。
G7広島サミット推進室長:過去の開催都市におきまして、前回の伊勢志摩サミット、前々回の北海道洞爺湖サミットともにですね、サミット記念コーナーと同様の記念館を設置してるところでございます。以上です。
中森委員:私が問うたのは国内の話じゃなくて、海外の話です。日本以外のG7のあとの6カ国の話です。
G7広島サミット推進室長:申し訳ございませんでした。海外につきましては私の方で把握はしておりません。以上です。
中森委員:日本では、経済効果を上げようということで大騒ぎするんですけども、外国の都市で、自分たちの町でG7サミットを開いてほしいと誘致する運動があるのかどうか知りませんが、G7各国間の結束を誇示する以外には、政治的には対して成果を上げれていないという問題もあります。
このイベントをわざわざ記念する事業を行うところはあんまりないんじゃないかなとに思うんです。後でまた調べて教えていただければと思うんですけども、このイベントが終わった後に、経済活性化に繋げようと考える日本だからこそじゃないのかなとも思います。
市が設置しようとしているところは、先ほども説明縷々ありましたけれども、平和公園を訪れて資料館を見学したり、公園内の様々な碑を見学した修学旅行生たちとか、校外学習の児童生徒が集まる場所なんですよね。
それから、弁当を食べたりする場所であったり、というわけですよ。そういう場所を奪うことになる。昨日、被爆アオギリとか峠三吉碑の見学にも大変邪魔になるという説明がありました。様々な問題があると批判をしておられるわけです。
子どもたちの活動の一番邪魔になるところだというご意見、私はその通りだと思います。市の方針は、平和公園に新たな施設は設置しないという風にしていたと思うんですよね。広島の名を使って、核抑止論を正当化したことには直ちに国内外の核兵器廃絶運動から厳しい非難の声が上がりました。
それに対して「歴史的なサミット」だとか、「広島の誇りだ」という風に大騒ぎする様子というのは、これは広島市の平和行政の変質さえ感じさせると私は思っております。広島にとって重大な問題があったということに目をつぶって、G7広島サミットを記念する施設を新たに設置する。これは、広島市が核抑止論を容認したかのようなことになりかねません。規模も、これまでの例を考えても、極めて異例ではないかなという風に思います。
しかしどうしても設置したい、ということであるなら、先ほどもあったような形とかですね、あるいは中学生、修学旅行生の邪魔にならないような場所、例えば国際会議場、その北側の方とか、あまり子どもたちが集まらない場所になっているようなところを選ぶべきじゃないかなと思いますので、そういう点で、やっぱり今回やろうとしている場所、これは非常に問題がある。そのやること自体の問題と、場所が問題。この時点で私はこの請願20号のご意見には全面的に賛成であります。
中央図書館の三セクビルへの移転問題
あと、請願10号ですけれども、こども図書館の再整備のことなんですが、いくつか質問をさせていただきたいと思います。先日、こども図書館とこども文化科学館の建物や展示のリニューアルについての説明が各会派に行われました。今回のリニューアルは、建物の耐震化とあわせてリニューアルということで、フロアの使い方が変わるということです。必要なことをいくつか確認しておきたいと思います。
今回の案では、廃止される青少年センターの機能を一部移転することも含めて、かなり窮屈なレイアウトになるのではないかなと私は最初から思っておりました。
こども図書館では、1階のフロアのみとなりますけれども、現在のこども図書館の面積と、リニューアルで1階のみとなったこども図書館のフロア、これは今から、今のよりも拡大されていくのかどうか。どれくらい拡大されるのか、それをお答えください。
生涯学習課長:今のこども図書館の面積は約1000平米です。新たなリニューアル後の図書館についても、同程度の面積を確保するようにしております。なので、拡充というか内容の拡充をしていきますけども、面積的には同じような面積になるということでございます。
中森委員:拡充は基本的にはない。面積の拡大はないと思うんですね。耐震化をやるんだということなんですけれども、耐震化はどのようなやり方で行われるのか、耐震化工事を施工することによって、利用できる面積に影響があるのか、それから耐震化工事を施工することによってレイアウト上影響があるかどうか、あるいはどのような影響があるのか、まとめてお答えください。
文化振興課長:こども科学館等につきましては、耐震改修計画を既に作っております。その計画によりますと、管内に鉄骨の補強材、耐震補強壁が必要となりますけれども、有効面積に大きく影響を受けるものではございませんでした。以上でございます。
委員長:中森委員、まもなく12時になろうとしておりますけれども、あとどのぐらい...。
中森委員:後15分ぐらいかなと思います。
委員長:では一旦、ここで休憩...と思っているんですが、今のものが終わるまではちょっと続けていただいて、この議題が終わったら休憩、この質問が終わったら休憩で。
中森委員:耐震化の問題を聞きました。簡単なレイアウト図が今回示されておりますけれども、今後細かい寸法も入った図面が示されることになると思うんですけども、それはいつ、どういうタイミングで示していただけるのかということと、それから基本設計と実施設計、その前を含めて、利用者市民の意見を聞いていただく機会を、を設けていただきたいと思ってるんですが、これはどのようにされるお考えか。そうしたことを含めた日程スケジュールはどのように考えられているのか。これについてお答えください。
文化振興課長:今回のゾーニングの関係でございますけれども、青少年センターの一部機能を移転することにつきましてはこれまでに都市活性化対策特別委員会におきましてご報告させていただいております。3施設の導入につきましても、今回行いましたアンケートの意見とともに、その意見を踏まえて整理したプランを同委員会の方に報告するように考えております。ちょっと時期的なものをちょっと今の段階で、申し上げにくいというところでございます。以上でございます。
中森委員:だから、日程スケジュールはまだここではお示しできない、示していただけないということでよろしいですか。はい、わかりました。
それから、こども図書館が全て1階ということになるんですけれども、そうなると災害時の重要図書の書庫の安全性というのが問題になりますがこれはどのようにお考えなのかということと、それと今回のレイアウトでは、階段とトイレの設置箇所数が減るという風なことに、なってるんじゃないかという指摘もあるんですが、どうしてそういうことになるのか。安全面、利用者の利便性に問題があるんじゃないかなと思いますが、これはどう考えているのでしょうか。
生涯学習課長:図書館を1階の方に全部集約するという方向で案を作らせていただいて、意見を聞かせていただいたところです。つきましては基本的にものが1階に置くことの安全性ということですけども、一応1階にあっても、基本的にはそういった水害とかのことを想定されるんだと思うんですけども、そういった本を避難できる方法は今後の運用の中で考えていきたいと思っております。以上です。
中森委員:運用の中で考えていくっていうことなので、基本的にそれが保障されてるわけじゃないと思うので、これはこれでちょっと問題があるかなと思います。これまた議論をしていく問題かなと思います。それから階段とトイレの設置箇所数の問題を、答えになってません。
文化振興課長:このたびの3施設の導入につきましては、建築基準法とか、消防法等による法的な制約も踏まえながら検討してございます。防災の観点から不都合が生じないようにと考えております。また、各フロアにバリアフリーに配慮したトイレを設置することなどによりですね、利用者の利便性にも考慮してまいりたいと考えております。以上でございます。
中森委員:これまた具体的に議論していきたいと思います。それから青少年センターの一部機能、この建物の中に移設するという案なんですけども、開館時間についてはどうなるのかっていうことと、青少年センターと他の機能との利用時間が違うということになると、どう区分けをして運営していくことになるのか。それから、全体の事業費、現時点でどの程度を見込んでいるのか。これについてまとめてお答えください。
文化振興課長:青少年センター一部機能入ってきますので青少年センターのですね、こども図書館等の閉館後に青少年センター利用があることは想定をしております。両施設の閉館後の運用のことも踏まえたゾーニングとしており、その上でですね、防犯性や安全性を考慮した動線が確保できるよう、例えば、シャッター等で仕切るなど対策を検討していきたいと考えております。全体の事業費でございますけども約30億円。耐震、長寿命化、改修工事はですね、30億円を見込んでおります。以上でございます。
中村委員:シャッターで仕切ることでそれでうまいこといくのかどうか、これはまた検証していく必要があるかなと思います。これから耐震化およびリニューアルということをやっていくということなんですが、このことで、この建物の使用年限、あとどの程度伸びることになるのかということと、それから、こども図書館元々中央図書館と一緒に、駅前の商業ビルに移転整備することにしておりました。
その際に示されたこども図書館のビジョン、施設のあり方を変更して、こども文化科学館との併設ということになったわけですけども、このことによってビジョン、こども図書館のビジョンってのが変わってくるのかなと思うんですがそれはどういうタイミングで示されるんでしょうか。
文化振興課長:先に耐用年数のことについて申し上げます。一般的にですね今回耐震改修によりまして、耐用年数は20年から30年程度伸びるものと考えております。以上でございます。
生涯学習課長:この度、こども図書館とこども文化科学館にも一緒にするということですけども、それぞれの強みを生かして、こども図書館とこども文化科学館と、子どもたちが気軽に行き来できる空間の整備だったり、科学絵本の読み聞かせと、その絵本に関連する実験こども科学館との連携のイベントの共同開催こども文化科学館の企画展示に合わせたこども図書館での関連コーナー設置などを、そういった連携した活動を展開していきたいと思います。またこういったものをどういう風に示していくかにつきましては、今後の関係者で協議しながら、また考えていきたいと考えております。以上です。
中森委員:このリニューアル、いつまでやるのかっていうのがありますが、いつ完成するのかっていうのがありますけれども、この新たな使い方ですよね。ビジョン、これはその工事との関係でどういうタイミングで示されることになるのか、もう一度教えてください。
生涯学習課長:こども文化科学館との一緒にやっていくということについて、どのようにこども図書館の整理をしていくのかということだと思いますけども、またこういったものについてはですね、どういった形でやっていくのか、どういう方法で作っていくのかっていうことを含めてですね、広く検討していきたいと思っております。
中森委員:まだ示して戴ける状況ではないという風に理解しておきます。2月のはじめにリニューアルのパネル展示がこども文化科学館で行われて、見た方に対して市民アンケートが行われたようなんですけれども、その結果はどういう風なものだったのか。それは、リニューアル案に反映されるのかどうかということを教えてください。
文化振興課長:いただいたご意見につきましては、今現在整理をしているところでございます。件数は73件でございますけれども、整理が終わり次第、検討して進めてまいりたいと思ってます。以上でございます。
中森委員:それはリニューアル案に反映されるんですか。
文化振興課長:はい。今、いただいた内容で整理しているところでございますので、それを踏まえて検討をさらに加えて深めていきたいと考えております。以上でございます。
中森委員:もう一つ、今回のリニューアルは、こども図書館に関しては当初の方針と違うわけですから、中央図書館と同様に、図書館協議会とか社会教育委員会議にこの案を報告をされて、両会議から意見を聞く必要があるんじゃないかなと思うんですけども、既に聞かれたのかどうか。それから聞かれてないのであれば、これはいつどういうタイミングで聞かれるのか。
生涯学習課長:こども図書館の再整備につきましては、昨年度から図書館協議会や社会教育委員会議で議論していただいて策定した広島市図書館再整備方針に沿って整備を進めていくことになっております。今後進める中で、必要であれば、再度皆様にご意見を伺いたいと考えております。以上です。
中森委員:必要があるっていうのはどういう風なことが考えられるんですか。
生涯学習課長:今お示しさせていただいております、広島市図書館再整備方針に沿って整備を進めていくということにしておりますけども、それが大きく変わることが今後あれば、ということになると思います。以上です。
中森委員:この建物全体に関しては、73件の意見が寄せられておるということですけども、中央図書館と同様に広島市の子どもの文化に関わる重要な施設だと思います。そういう点ではですね市の内部で検討されるだけではなくって、やっぱり市民からもさらに広く意見を求めてですね、取り組む必要があるということを申し上げておきたいと思います。
(昼休憩)
厳粛な平和記念式典の開催について
中森委員:請願についてはもう1件、請願12号について発言をさせていただきたいと思います。昨年の8月6日に行われましたアンケート結果が、昨年の9月議会に報告されておりますその中で、昨年の式典当日に、原爆ドーム前で行われていた団体等の方、集会の中で、負傷者を伴う暴力事件が発生したことから、再発防止と厳粛に式典を行うための対策について検討するというふうにしておりました。今年の式典に向けて具体的な検討は行われているんでしょうか。
市民活動推進局課長:はい。現在県警でありますとか、市内部、緑政課などとですね連携しながら、具体的な再発防止策の検討を深めているところでございますけれども、現時点ではその内容についてちょっとお答えはできません。再発防止策の内容はですね、式典の安全な挙行に直結することから慎重に検討を進めているところであり、公表が可能となった時段階でですね、広く周知していきたいというふうに考えております。以上です。
中森委員:式典当日の原爆ドーム前の状態について、建設委員会に付託をされておりました請願第13号、平和推進基本条例に則した厳粛な平和記念式典の開催に伴う原爆ドーム前の現状の解消についてと、いうのがまず採決をされました。
昨年の式典当日に、暴力事件まで発生した実態に鑑みて、公園条例に基づいた適切な対応を行う必要があるという立場から、我々としてはこの請願第13号には賛成をいたしました。ただ、請願13号と、この総務委員会に付託をされております請願12号は、いずれも厳粛な式典を求める趣旨は同じですけれども、対応する内容が違っております。
原爆ドーム前の集会は、公園は誰でも自由に利用できるという趣旨を阻害する行為に対しては、現に公園条例がありますので、それに基づいて厳正に対応する必要がありますが、この際、この総務委員会に付託された請願が要請する内容は、一般的に表現の自由に関わる重要な問題をはらんでいると考えております。
昨年9月議会で報告をされた式典参加者へのアンケート結果についての報告では、引き続き団体による自主的な取り組みを促すために、自ら意思を表示した取り組みの完全履行と、拡声器を使用する間は音量を85デシベル以下に抑制することを目指す必要があると考えておりまして、今年の式典に向けた事前協議を団体に要請するとしております。
問題は、この団体が約束したことをきちんと守ってくれていない、というところにあるわけですけれども、その辺りのことについてはしっかりと「守っていない」ということについて批判を行い、やっぱり反省を求める必要があると思いますけども、どうお考えでしょうか。
市民活動推進課長:はい。デモ行進を行う団体に対しましては、平和推進基本条例の趣旨にのっとりましてですね、話し合いの場を設けて、市から要請をしておりますけれども、その中で、今委員の方からありました、その自主的な取り組みの履行について検討していただくように市から要請をしているところでございます。
中森委員:やっぱり向こうがその約束をしたわけですからね。約束をきちんと履行していないということについては、これは当然これ反省をしていただく必要があると思うんです。やっぱりこれはきちんとやっぱり向こう側に、伝える約束を違えたよ、ということについてはちゃんと言う必要があると思うんですよ。
改めて伺うわけですけれども、今回のアンケート結果を踏まえて、この団体との事前協議を要請してやるということなんですけども、今回のこのアンケート結果についてはどう受け止めていますか。
市民活動推進課長:はい。例えばですけれども、式典中に拡声器から音が聞こえる状況について、という設問に対して、音の内容に関係なく悪影響があると答えた方が70.3%で、音の内容に問題があるから悪影響があるという方が6.1%、これ合わせますと76.4%の方が悪影響があると答えているという状況はですね、式典主催者として、式典が慰霊を目的としたものということを考えると、望ましくないと考えておりますので、こちらについても改善が図られるように協力を要請しているところでございます。以上です。
中森委員:昨年のアンケートの結果を見ますと、広島市が取り組んできた、この団体との粘り強い働きかけが適切であるとする回答が76.4%、およそ4人に1人となっております。適切ではないと回答した回答は9.7%、その適切ではない、の理由の中で規制条例などが必要とした意見は27.8%ということですが、全回答者でみると結局2.7%ということになると思います。
また、団体への要請が適切ではない、と回答された方の中で、規制条例ではなくてこういう働きかけをすること自体がやっぱり表現の自由への制約になるというふうに、理由を挙げている方が36.1%となっておりまして、このこともやっぱりこれからの対応ということを考える上で大事な点ではないかなと思っているんです。このアンケート結果に関してはね。
請願が求めております、8月6日の一定の時間、一定の場所での静謐を求める条例となっておりますがこういう形はですね、これまでの最高裁の判例では、おそらく合憲とされてきた範囲だと思うんですが、憲法21条の表現の自由に関わる微妙な問題をもはらんでいると思っております。
確か、最高裁では合憲とされた訴訟案件でも、下級審では問題があるとされた例もあったんではないかと思うんですよね。それから、一旦、こういった条例が制定をされていくと、結局その1人歩きをするといいますか、その拡大解釈されたりとか、様々な問題が派生していくということも、考えられるんではないかなと思います。
ここはやっぱり今回、昨年行われた市民アンケートの結果を尊重して、市としての取り組みを一層進めていただくことが私は必要だと考えております。
そういう意味で今回の総務委員会では採決を要請するということを事前に聞いておりましたのであえて今回意見を述べさせていただきましたけれども、そういう立場であるということを申し上げておきたいと思います。以上です。
委員長:他にご意見等はございませんか。
広島市新人職員研修での教育勅語引用問題
平岡副委員長:では、請願第18号について、いくつか質問させていただきます。報道では市長が職員研修において教育勅語を使用していると、また引用してると、そういった報道がなされておりますが、これだけを聞きますと、何となくイメージでは、あたかも松井市長が職員に対して教育勅語を教えてると、また教育勅語をベースにして研修を行っていると、そういった印象を受けるんですが、実際のところはどうなんでしょうか。松井市長自らが教育勅語全部を紹介したりとかまた解説をされたりしてるんでしょうか。
研修センター所長:はい。教育に関する勅語のうち、教材に引用しているのは、「爾臣民兄弟に友に博愛衆に及ぼし学を修め業を習い知能を啓発し進んで公益を広め世務を開き」という部分でございます。市長はこの資料につきましては、教育に関する勅語が作られ使用された頃の時代背景を知った上で、戦争態勢に持ち込むために用いられたことから、文部行政の中から消えていったという歴史的な事実とともに、記述内容には、現代の日本で通用することを検証して良いものがあるのではないかということを紹介している。以上でございます。
平岡委員:はい、ありがとうございます。教育長については、様々な意見また賛否がございますが、松井市長は教育勅語そのもの自体に対して、例えば是非であるとか評価について言及をされてるんでしょうか。例えばですねわかりやすく言いますと、教育勅語は素晴らしいとか、また逆に間違ってるとか、また教育長から皆さん何かしら学ぶようにとか、そういった言及はされてるんでしょうか。
研修センター所長:はい。市長は教育に関する勅語の評価につきましては言及しておりません。また、委員が指摘されたような説明も一切しておりません。以上でございます。
平岡委員:はい、ありがとうございます。ちなみにこちらがですね、新規採用職員研修で使用されているパワーポイントの教材の現物です。これ見ますと、全体で19ページにあります。そして問題となっております。教育勅語に関するページは1ページです。全体的にはですね、まずは新しく同志となった皆さん、35年間の役人経験を踏まえて、行政の使命は人を大切にすることである、との松井市長の言葉から始まってですね、例えば、主権者は国民、公務員は全体の奉仕者、公務員としてのあり方が説かれていたり、また、真心込めて人のために働く、人様を楽しくさせる、苦労は自ら引き受けるとか、仕事は自ら作り出すであるとか、また明けない夜はない、必ず日は昇る、とか、仕事をする上での心構え、また心の持ち方に関して説かれております。あとはまちづくりとか、また平和文化の振興、また広島市の財政状況などについて書かれております。
問題となっておりますページは、こちらなんですけど、生きていく上での心の持ち方と題して、我々の先輩が作り上げたもので良いものはしっかりと受け止め、また後輩に繋ぐことが重要だと書かれた後に、教育勅語と思われる部分が一部掲載されております。
英文と原文が掲載されております。OUR SUBJECTS, BE AFFECTIONATE TO YOUR BROTHERS AND SISTERS EXTEND YOUR BENEVOLENCE TO ALL PURSUE LEARNING AND CULTIVATE ARTS DEVELOP INTELLECTUAL FACULTIES PUBLIC GOOD AND PROMOTE COMMON INTERESTS、爾臣民兄弟に友に博愛衆に及ぼし学を修め業を習い知能を啓発し進んで公益を広め世務を開き、とあります。
これ、あくまでも教育勅語のごく一部なんですね。さらにはこれ抜き書きというか、前後の脈絡はほとんどないんですが、私がこれを見て思ったのは、先人たちの作られたものとして、あくまでも一例として紹介をされているに過ぎないと思ったんですが、あえてここで松井市長が教育勅語を紹介されている意図はどういったところにあるんでしょうか。また、英文も紹介されておりますが、これについては何かしら意味があるんでしょうか。教えてください。
研修センター所長:先日の総括質問におきまして、市長がご答弁しております通り、市長は公の立場にあるものとして、様々な意見がある物事への対応を求められた際には様々な意見に耳を傾けながらも、客観的な分析を踏まえ、公正公平に対処していくことが必要だと考えております。
そこで、様々な意見がある物事については、これを画一的に捉え、良い悪いと判断するのではなくて、日本が国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を基本理念とする国であり続け、また基礎自治体としてそれを実践していくために、歴史的な事実を知った上で、全体像を多面的に捉え、対応することは大切であると考えて、職員にもこうしたことをしっかり身につけてほしいという思いから、教育に関する勅語の一部を研修教材として使っているところです。また、漢文と合わせて、英訳の一部を紹介しているのは、漢文で読むよりは、英語で読んだ方が内容や意味がわかりやすいのではないか、という意図で説明しているところです。以上でございます。
平岡委員:ありがとうございます。価値観って時代によって変化をしてまいります。正義であるとか常識についても同様に変化をして参ります。例えば同じ時代であっても、価値観というのは国によって異なります。また、何が正義か何が常識かについても、国によって異なります。ただ普遍的なものもあります。ちなみにこの教育勅語いつできたんでしょうか。
研修センター所長:1890年でございます。以上です。
平岡委員:何時代ですか。
研修センター所長:明治時代でございます。以上でございます。
平岡委員:ありがとうございます。明治22年ですね、教育勅語が制定されました当時、我が国は大日本帝国でした。国家元首は、明治天皇です。その明治天皇が国民に語りかける形で作られたのがこの教育勅語であります。ですから朕思うにとか、爾臣民とか、今聞けばずいぶんと違和感を感じるような表現ではありますが、ただつぶさに内容を見てまいりますと、親孝行しましょうとか、または兄弟同士助け合いましょうとか、また夫婦仲良くしましょうとかそういったことが書かれております。
ただ、一旦緩急あれば義勇公に奉じ、以て天壌無窮の皇運そ扶翼すべし。かつて日本が戦争に突入するにあたって、この部分がですね、当時の日本の国民に対して、国民の意識に対して深く、また大きく影響を与えたと。さらには、悲劇をもたらした、そのことは決して忘れてはならないと私は思っております。
敗戦後、日本はGHQの占領下に置かれました。その際、戦前の日本はすべからく否定をされました。日本の歴史伝統文化も否定されました。例えば剣道であるとか、また歌舞伎なんかも禁止されました。神楽なんかも禁止されました。また教科書は墨塗りとなり、多くの書物は発禁処分、禁書となりました。また報道に関しても、ずいぶんと規制がなされました。広島市の原爆投下の事実もしばらくの間は伏せられておりました。
そしてこの教育勅語については、GHQの占領下であった昭和23年、衆参両院の決議によって学校教育の現場から削除がなされました。以来ですね、この教育勅語は私達の目に触れることはありませんでした。
今でこそネットで検索をすれば全文出てまいりますが、私自身この全部を見たのは、まだそんなに昔の話ではありません。私は、この教育勅語、ぜひに関して語るつもりはありませんが、ただ今は多様性の時代です。いろんな考え方、いろんな意見、いろんな価値観がございます。当たり前と思っていたことが、今じゃ当たり前じゃなかったりとか、または常識だと思っていることが、そうじゃなかったりとかそんな中にあって、個人の個人的な意見であるとか習慣また、価値観または既存のイメージに固執することなくですね、自分の目で見て、自分の頭で考えてほしいと。
特に行政においては是非が分かれるテーマが大変多いと思います。様々な意見が市民の皆様方から寄せられてまいります。それに対して、多面的に捉えてほしいと、そういう力を身につけてほしい、そういう思いがこの研修に込められてるかと思うんですが、そういった理解でよろしいでしょうか。
研修センター所長:はい、委員がおっしゃった通りでございます。市長としましては、歴史的な事実を知ってですね、全体像を多面的に捉えて対応することが大切であるということでございますから、教育に関する勅語につきましては、こうしたことに資する資料として引き継ぎ実施をしていきたいと考えております。以上でございます。
平岡委員:はい、ありがとうございます。引き続き使用していくということなんですが、ただそうは言ってもですね、やはりこの教育勅語、今の日本においては、やはり未だに大変センシティブなテーマの一つだと思います。なので例え参考資料として紹介するにしても、言葉を尽くしていただきたいです。職員の皆様方に誤解を与えないように、また市民の皆様方に誤解を与えないようにですね、丁寧な説明を心がけていただきたい。そのことを強く要望して、私の質問は終わらせていただきます。
委員長:他にご意見等はございませんか。
中央図書館の三セクビルへの移転問題
沖本委員:はい。自民党市民クラブの沖本です。請願のいくつかの部分に関わるんですけれども、中央図書館の移転についてお聞きしたいと思います。まず先月、総務委員会でかけられた浅野文庫当施設、仮称整備基本計画について今回エールエールA館がこども図書館、そして浅野文庫、仮称ですけれども、その3館にて新しい図書館の計画が出ておりますが、この浅野文庫につきましては、こども図書館、エールエールA館と少し毛並みが違うように思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
生涯学習課長:はい。浅野文庫につきましては、広島の文化伝統を後世に伝えることができる貴重な公文書等保存整備するための重要なものであることを鑑み、その保存環境確保と活用について中央図書館等の再整備とは切り離して、新たな図書館として今後整備をすることとしたものでございます。以上です。
沖本委員:浅野文庫の寄贈受けて、ずいぶん時間が経つとは思うんですけれども、現在のところ、どのような資料があってどのような貴重性があるかっていうのは、解析というか分析は終わってるんでしょうか。
生涯学習課長:浅野文庫につきましては、はい、あの貴重な和書とかですね、和漢の書物とか保存しているんですけども、約1万点の書籍があります。そういった書籍についてはこれまで中央図書館においてはしっかりと研究するような体制だったりとかいうことができてないというところもありまして、一定部分は進んでおりますけども、完全にそういった研究が進んでいるというような状況ではございません。以上です。
沖本委員:今のところこのような古文書を研究したりする学芸員の方は今1名だというふうにお聞きいたしました。なかなか1名ですと、浅野文庫だけでも1万点以上作品がある中で、なかなか分析等は進んでないのかなと思われます。また浅野文庫、浅野藩、長く広島を治められたということで行政文書等多いと思うんですけれども、行政文書となりますと、広島県立文書館というものがあります。その辺との協力等は今後どのように考えていらっしゃるでしょうか。
生涯学習課長:広島県の文書館とは今後ですね、いろいろ話をしながらどういった形でそれぞれが役割を果たしていくのかっていうのは引き続き話をしていきたいと思っております。
沖本委員:しっかりと県との調整をしていただきたいんですけれども、あと平成23年度策定、広島市立図書館サービスのあり方についてというところで1、2、3と、基本方針が示してあります。その中で、1知の情報拠点、2読書の習慣づけを働きかける場、3身近で利用しやすく役立つ図書館、というのがあります。今回浅野図書館はどの点、この3点のうちどの点を重要視して、図書館の機能を発揮させていく予定でしょうか。
生涯学習課長:あり方検討につきましては、10年前に策定されまして、それを踏まえて今回図書館の再整備方針を策定させていただいて、その中で今後整備をしていくということにしております。浅野図書館については、その再整備方針の中で、先ほどの繰り返しになりますけども、重要な資料ということを考えてですね、別の図書館として整備し、その中で、要はそういった資料の保存活用をもっとしっかりやっていくことで、皆さんにしっかりとか見ていただくようにしていくというようなことを考えております。以上です。
沖本委員:今回、1月に整備基本計画がこの総務委員会で発表されましたけれども、場所の選定もそうですけれども、予算の方が38億かかるということで、なかなか結構拙速に出てきた感が否めないと思うんですけれども、今後その辺もしっかりと説明していただきながら、整備基本計画を進めていただきたいと思っております。
厳粛な平和記念式典の開催について
沖本委員:次になんですけれども、請願12号、平和推進基本条例に則した厳粛な平和式典の開催について、私も紹介議員になっておりますけれども、こちらの採決を求めたいと思っております。その前にいくつか確認させていただきます。先ほど、中森委員からも発言がありましたけれども、これまで長年にわたりデモ団体とのやり取りをされてきたと思います。
実際にどのようなやり取りをされてきたか、という部分と、あと昨年度、暴力行為が起こりまして、今回やり取りも非常に変わってきたと思います。この点をお聞かせください。
市民活動推進課長:はい。まずどのようなやりとりをしてきたかという点ですけれども、昨年の式典が終わった後の話。今ちょっと限りますと、昨年の11月と今年に入りまして、2月に入りまして、そのデモ団体と協議をやっておりまして、主には先ほど、中森委員からも質問ありましたけれども9月の総務委員会でお示ししましたアンケート調査でありますとか、音量、測定の結果こういったもの、とか、あと自主的な彼らが自主的にやるといった、自主的に取り組みますよと言ったことについての市の評価をお伝えするでありますとか、そういったことであったり、あとは負傷者が出たということに対して、再発防止に努めてほしいといったことを市の方からお願いをして、また今年の式典に向けて、取り組みを改善してほしいとお願いしているというところでございます。
沖本委員:それから、もう一つは、そのやり取りの中で、でも団体からのリアクションっていうのはいかがだろう。
市民活動推進課長:現時点で今年の式典に向けて、どのような取り組みをするかというのは示されていない状況でございます。
沖本委員:また令和3年に策定された広島市平和推進基本条例、これの後でも団体とのやり取りは変わったんでしょうか、変わらなかったんでしょうか。
市民活動推進課長:はい。やり取りは毎回、違うものなんですけれども、平和推進基本条例の前から市としてはデモ団体との話し合いは継続しておりまして、令和3年6月の平和推進基本条例の策定時に、平和記念式典を厳粛の中で行うためには、その方々の表現の自由を尊重する必要があるので、規制といった強制的な手段によるものではなく、話し合いによる調整により、その方々に協調の必要性をご理解いただいて協力をしていただくというような、そういうのが、あの条例の趣旨でございましたので、むしろ、今までやった市がやっていた取り組みをですね、条例の方で明文化していただいたというか、改めてお示しいただいたものと考えておりますので、特段その市の姿勢としては大きく変えているものはございません。
沖本委員:それを長年やり取りをされてきたと思うんですけれども、このやり取りを通してデモ団体が厳粛な式典に協力をしてくれるようになったんでしょうか。また、それについて、広島市、式典に参加されてる方の方のアンケート結果は向上してるんでしょうか?
市民活動推進課長:はい。先ほど中森委員も言われましたけれども、9月の総務委員会での報告でもお示しをさせていただきましたが、あくまで彼らがその自主的に取り組むということが非常に大事だと市として思っておりまして、例えば昨年の式典であれば、自ら取り組むこととして三つほど挙げておりますけども、黙祷終了後に元安橋に到達するまでは拡声器を使用せずに地声でデモ行進を行いますよ、でありますとか、平和への誓いの間は拡声器を使用しないと増えたふえや太鼓は平和大通りに到達するまでの間は使用しないとこういったものをそれぞれ、守られたものを守られてないものはちょっとあるんですけれども、まずはこういった取り組みが市からの強制ではなくて、自主的に示されたということは大きな成果だというふうに思っております。
アンケートについてはアンケート結果であるとか音量測定の結果については、ちょっとコロナで規模縮小していた兼ね合いもありまして単純な比較はできないんですけれども、概ね例えば式典への悪影響があると答えた方が大半を占められているというような傾向は、大きく変わってないかなというふうに思っております。以上です。
沖本委員:あくまでデモ団体の実施、自主的なこの取り組みによって約束が守られる、守られないというのがあって、また試験参加者へのアンケート結果についても、それほど向上してないっていうか、音量についてそれほど、厳粛な式典が守られてないと、認識は変わってないという中で、今後、被爆80周年をまもなく迎えますけれども、それに向けて新たな取り組み等は考えていらっしゃるでしょうか。
市民活動推進課長:はい。80周年に向けてという必ずしもそういうわけではないんですけれども、まず昨年の式典当日に、衝突事故が起こって起こりまして負傷者が発生したということは非常に市としては重く受け止めておりまして、先ほど中森委員にも答弁しましたけれども県警等と連携しながらですね、その実効性のある再発防止策については検討を進めているというところでございます。
ただ本市としましてはですね、その平和推進基本条例で示されている規制といった行政的な手段ではなくて話し合いの調整を行うという手順が憲法で保障された表現の自由を守りつつ、式典の挙行に適した環境を確保するための最善の方法であるというふうに考えておりますので、引き続き対話による解決を目指すべきではないかというふうに思っているところでございます。以上です。
沖本委員:平和記念式典の影響というか、世界に発信するものとしては、ますます非常に、こんにちは重要度が増してきていると思います。また被爆者の方が高齢化に伴いまして、なかなか原体験を身近に接する機会も少なくなってきました。また私の幼いときは、平和記念式典がある8月6日8時15分には、どこにいようとも、原爆ドーム、平和記念公園の方へ向いて黙祷をしておりました。今後平和を担っていく子どもたちにとっても、厳粛な式典に参加できないとなると悪影響を及ぼすと思われます。より踏み込んだ広島市の取り組みを今後求めたいと思っております。そして本日、この件について採決をはかりたいと思います。よろしくお願いします。
委員長:他にご意見等はございませんか。
それでは次にお手元の発言通告者一覧表の通り委員外議員から発言の通告がありますのでこれを許します。効率的な委員会の運営のため、質問答弁は簡潔的確にお願いいたします。
門田議員:
無党派クラブの門田よし子です。請願受理番号18と20についていくつか述べさせていただきます。まず請願受理番号18、教育勅語の使用中止を求めることについてです。
広島市新人職員研修での教育勅語引用問題
先ほど請願内容をご説明してくださった市民の方以外からも、2月16日には、元教員の方たちで作られている「教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま」それから、報道関係者などで組織されているという「日本ジャーナリスト会議広島支部」から質問状と要請が出されています。
街角で、私も対面で、「いったい松井市長はどういうつもりなのか」「非常に不安を感じる」といったお声を日々直接伺っております。市民からの関心はとても高いです。そして懸念は非常に大きいです。
私は昨年12月14日の総務委員会でも、この教育勅語について質疑いたしました。そして教育勅語の使用に抗議いたしました。まず、その際に近々幹部会議があるということで、市長の研修資料での使用について幹部の皆様でよく議論をしていただきたい。市民のために決断していただきたいと述べました。
そうしましたところ、阪谷企画総務局長がとても力強く、「市長にはなかなか職員が物を言いにくいのではないかということですが、そんなことはございません。私ども、市長の考えがおかしいと思えばきちんと市長と議論し、その中で結論を出すといったことは、我々市の幹部職員がそういった気持ちを持って仕事に臨んでおりますので、その姿勢を見ていただきたい」と述べられました。
実際、12月の幹部会議で、この教育勅語の取り扱いについて話し合いをなさったのか。もしそうであれば内容について教えてください。
研修センター所長:はい。先ほどもご答弁させていただいた通り、研修指導は、様々な意見がある物事については、これを画一的に捉えて良い悪いと判断するのではなく、歴史的な事実も知った上で、全体像を多面的に捉え、対応することが大切であることを職員にしっかりと身につけてほしいという思いで使用しているものであり、引き続き丁寧に説明して使用することにしておるため、幹部会議の場では議論しておりません。以上でございます。
門田議員:幹部会議ではそもそも議論もなされなかったというお答えでした。次に、2月21日の総括質疑で中森議員への企画総務局長のご答弁で、「物事の見方、あるいは対応の仕方をトレーニングする材料として使っているに過ぎない」とおっしゃっていました。研修資料は先ほどもう、研修資料そのものが示されていましたけれども、何で臣民などと書いてある資料、その引用元も示されておらず、温故知新の例としていきなり爾臣民と始まる文章が日本語と英語で出ているわけで、これは大変苦しい答弁をなさっているなと感じました。
12月の記者会見で松井市長は、「当時民主主義を導入しようとしたことは評価し、知っておくべきだ」と述べられました。これについて、広島大学の石田雅春准教授が1月15日の中国新聞で、「戦前の国家体制でも帝国議会は開設されたが、主権在君の制約のもとでの仕組みである。正確に言えば、立憲君主制の考えである」と述べられています。教育勅語に民主的主義的な考えがあるというのは間違っているとご指摘されています。
1月18日の記者会見で松井市長は、「私の説明とは違った形での議論になっている気がする。物事を判断するときに、何を基にどういうことを言っているのかよく確かめようと言っているだけだ」と述べておられます。ちょっとトーンが変わってきているなと感じました。松井市長としましても、不本意な事態になっていると感じています。
もし、松井市長が座右の銘温故知新を示されたいのであれば、先ほど示されたパワーポイントの資料5、生きていく上での心の持ち方、のページは、ごくごくシンプルに温故知新、我々の先輩が作り上げたもので良いものはしっかりと受け止め、また、後輩に繋ぐことが重要という意味です、私の座右の銘です、などとして、紫に白抜きで示されている教育勅語の一部分となぜか一緒に示されている英語訳、これらを外せばいいのではないでしょうか。こういったことを市の幹部が市長に進言することさえ、難しいのでしょうか、教えてください。
研修センター所長:はい。教育に関する勅語教育に関する直後につきましては、市長が就任した当初から旧憲法下のもので、誤った使い方がされたものであるから、決して取り扱ってはならないという意見がある一方で、教育に関する正しいことが書いてあるものだから、それを適切に理解して展開しなければならないという意見がありました。市長は、市職員を指揮するという公の立場にある者として、それの対応を求められた際には、様々な意見に耳を傾けながらも、若干的な分析を踏まえ、公正公平に対処していくことが必要だと考え、職員に物事の見方や対応の仕方をトレーニングさせるための教材として使用しているものであり、こうした使い方については問題はないと考えています。
なお、市の幹部が市長に進言するといったことは難しいのではないかということにつきましては、12月の総務委員会において、企画総務局長が申し上げている通り、職員が市長に物を言いにくいようなことはありません、ないと考えております。以上でございます。
門田議員:様々な意見に耳を傾けること。本当に重要ですよね。松井市長が昨年、四選を果たされたときに、被爆地の市長として、世界情勢に良い影響を及ぼす広島でありたいと述べられました。2023年12月21日、朝日新聞の声欄に渡辺さんという方がこのような投稿されていました。「引用ではなく、自分の言葉で堂々と職員に伝えればいい。10年以上市長の大役を務め、世界的にも評価されている日本を代表する市長の一人ではないか。新人職員も、市長自らの言葉を期待しているだろう」とのことです。松井市長を評価している方でさえ、このように強く求めておいでです。誤解を招く引用はやめて市長自らの言葉で語っていただきたい。市民の気持ちです。
市長のご英断に向けて強い幹部として働きかけていただきたい。企画総務局長のご答弁を求めます。
企画総務局長:今、研修センター所長の方がご答弁しておりますけれども、この使用については間違ってないと考えておりますので、必要なことがあれば市長に進言しますが、この職員に関する研修については問題ないと考えております。以上です。
門田議員:「広島、その哀れな姿」という言葉を市民の方からいただいています。引き続きのご検討を求めてまいりたいと思います。
G7広島サミットの記念館を平和記念公園内に建設する問題
門田議員:次に、請願受理番号20番、G7広島サミット記念コーナー(仮称)を設置しないことについて、です。当初から広島サミットの予算に組み込まれていた5000万円を使って、7年間限定で記念館を設置する。場所は、先ほど皆様お示しの通り、資料館北側、被爆樹木アオギリの西側、峠三吉詩碑の南側が建設予定地ということです。資料館から出てこられた方が一休みしたり、修学旅行生や校外学習の児童生徒が集合したり、お弁当を食べたり、そういった場所を潰してしまうことになるという重ねての情報ですけれどもそのように私も認識しております。
本日請願を出された方以外からも、平和公園でボランティアガイドをしてくださっている様々な市民の方から、同じご意見を頂戴しています。G7そのものについての様々な受けとめを横に置いたとしても、この場所は不適切だというご意見です。こういった市民の方のご意見についてどうお考えでしょうか。
G7広島サミット推進室長:冒頭のですね、現況説明でもご説明させていただい通り、G7広島サミット記念コーナーの設置を決めた場所は、平和記念資料館の出口に面し、資料館を見終わった方の動線上に位置し、多くの来館者が見込めること。また資料館から被爆遺構展示館を経由し、原発死没者追悼平和祈念館、レストハウス、原爆ドームへと至る動線上にあり既存施設の見学者の増加や、公園内の回遊性の向上にも資すること。さらに、木を伐採しなくてもよい場所であることから最適地として判断したものでございます。
記念コーナーの周辺にはですね、他にも使用できる場所があるため、記念コーナーのスタッフ等を通じまして、修学旅行生の引率者等にですね丁寧に案内していきたいと考えております。以上です。
門田議員:記念コーナー以外にも使用できる場所があるので、そこを案内していきたいと今お答えがありましたが、どのような箇所か教えていただけますか。
G7広島サミット推進室長:集合場所等々でしてですね、活用できる場所については、今記念コーナーを設置する場所、と例えば公衆トイレの間ですとか被爆アオギリ、被爆遺構展示館の間の土地等のスペースがございますのでそちらを活用いただけるのではないかと考えております。以上です。
門田議員:大変驚いております。そのような狭い空間をご案内する。それも、修学旅行で来てくださった方や、児童生徒に対して。本当に驚きました。日本では、広島を含め過去7回サミットが行われましたけれども、記念館を作ったのは2008年の北海道支笏湖サミットと2016年三重県伊勢志摩サミットのみということです。東京で3回、2000年には九州沖縄でサミットが行われましたけれども記念館はございません。さらに、北海道支笏湖サミットの記念館は、バスターミナルの3階にあります。三重県伊勢志摩サミットの記念館は、近鉄賢島駅2階に設けられています。
読売新聞等の2017年の報道によりますと、近鉄賢島駅2階に開設された伊勢志摩サミット記念館、愛称サミエールの展示物は、サミットで使われた尾鷲ヒノキ製の円卓、椅子、G7首脳のサイン、メッセージ、首脳らに提供した料理の写真と、そして使われた三重県産の食材を紹介するボードなどとなっています。
広島の記念館も、円卓、椅子、芳名録のレプリカ等々を展示予定とのことですので、似たような内容だと思います。どうしても記念館を作りたい。県産品のアピールも兼ねてやりたいということでしたら、国際会議場の一コーナー、またひろしまゲートパーク、バスセンターの一角、などに設けてもいいのではないでしょうか。広島駅や広島空港の一角という点もあると考えます。いかがお考えでしょうか。
G7広島サミット推進室長:G7広島サミットではG7各国および招待国の首脳など多くの皆様が平和記念公園を訪れ、平和記念資料館を視察し、被爆者と対話され、原爆死没者慰霊碑に参拝献花されております。各国首脳等が訪問した平和記念公園は、広島を広島サミットを象徴する場所であることに加え、修学旅行生や平和学習などで、県内外の多くの若者、若者が訪れる場所であることから、G7広島サミット記念コーナーの設置場所は、平和記念公園内が最もふさわしいと考え、平和記念公園内に設置することにしたものでございます。
平和記念公園内の設置に当たりましては、既存施設の活用も検討いたしましたが、長期間スペースを確保することが困難な状況であったことから、建屋を建てることにしたものでございます。以上です。
門田議員:請願も行われた方も被爆者の方でしたけれども、広島ビジョンにも触れて、先ほどお話がありました。私はそこには触れずに、あくまで利便性というところで今日いろいろとお尋ねをここまでしてきたんですけれども、そうですね、とても残念な判断としか言いようがありません。
公園の美観を損なう、そして修学旅行生や児童生徒といった、これから平和を担っていくと言っていいと思います、そういった公園利用者に不便を強いる狭いところに使っていただくように案内すると先ほどお話がありました。たとえ7年限定といっても、平和公園の価値に大きな影響を与えると考えます。
今年1月には能登半島地震があり、今現在もお困りの方が多数いらっしゃいます。いっそ、G7広島サミット記念館の費用をそのまま義援金などに充てれば、広島の名声は高まると思います。再検討についてお聞かせください。
G7広島サミット推進室長:はい。G7広島サミット記念コーナーは現況説明でご説明させていただい通り、広島サミットの開催を想起する代表的な品々等を展示を通じてですね、市民県民に歴史的なサミットが広島の地において開催されたことを誇りに感じていただくこととともにですね、若者をはじめとする国内外の多くの来訪者に、G7各国首脳等の核兵器廃絶への思いを受けとめていただいて、改めて平和について考えてもらう契機とし、広島サミットを未来に繋げていくために設置するものでございますので、再検討は、設置を取りやめることは考えておりません。以上です。
門田議員:核抑止論を肯定してしまったと言われる広島ビジョン、そこで核兵器廃絶への思い云々とかなり混乱するご答弁だったなと思います。はい、以上です。以上で質疑を終結いたします。
委員長:それでは沖本委員より、請願第12号について、本日採決すべきというご意見がございましたので、請願第12号を採決することに。賛成の委員の挙手をお願いいたします。その後に討論....その後、はい。はい。
若林委員:まだ継続した審査にしていただければありがたいと思います。
もう一度、請願第12号を採決することに賛成の委員の挙手をお願いします。挙手多数であります。よって本件は採決することに決定いたしました。これより討論に入ります。討論がございましたらお願いいたします。
厳粛な平和記念式典の開催について
中森議員:はい、採決ということになりましたので、討論させていただきたいと思います。先ほども発言したところでありますけれども、私、我が会派の中原議員が、建設委員会に付託されておりました請願第13号に賛成した通り、8月6日に原爆ドーム前の公園を占拠している団体のあり方、まして昨年は暴力事件まで起こしたということでありますけれども、こういったあり方は問題があるというふうに考えております。公園条例に基づいて、公園を誰でも自由に使用できるように、きちんと対象対応していくことが必要だと考えております。
ただこの請願第12号は、新たな規制条例の制定を求めるというふうにうたっているところが、請願13号とは違うところであります。先ほど申し上げた通り、市が昨年、式典参加者に行ったアンケート結果では、引き続き団体側への粘り強い働きかけが適切であるとの回答が多かったことと、表現の規制に対する危惧の声が多いこと、また、表現の自由を制約してはならないという憲法21条の規定との関係で、規制条例が制定されると、今後新たな問題も生じる可能性があるということから、今後も議論は必要ですが、昨年のアンケート結果に基づいて、粘り強く団体への働きかけを進めていただきたいという考えから、採択には反対するということにいたします。以上です。
委員長:他に討論はございませんか。
若林議員:市民連合・市民の声の若林でございます。討論をさせていただきたいと思います。まずこの案件につきましては、広島市これは松井一実市長ですけれども、平和記念式典を厳粛に行うために、当該団体と協議を続行されておられます。この厳粛な平和記念式典の実現ということについては、広島市の努力も改めてお願いしたいと思います。
この関係について当該団体も、広島市との協議に協議のテーブルについておられまして、話し合いに応じておられます。昨年度の取り組み結果、先ほどありましたが、三つの約束といいますか課題がありまして、一つについては履行されている。もう一つについては概ね履行されている。3点目については履行されていないということでありました。
そういうことを受けまして、広島市も、完全な履行に向けてさらに協議を進めるということで、先ほどもご答弁があったのではないかなと思います。そういう意味で、今回のこの案件につきましては、話し合いで解決をしようとするされておられます広島市の姿勢、これを是認をいたしたいと思います。またこの取り組みについては先ほど来ありました通り、平和推進基本条例にのっとって、対応されているものであります。そういう意味から、この請願については賛成することができません。
委員長:他に討論はございませんか。
平岡委員:私は、請願第12号賛成の立場から討論をさせていただきます。例年8月6日には、全国からデモ団体がこの広島市に集結をいたします。極左暴力集団、中核派を中心とした様々な団体が早朝より原爆ドーム前を占拠して、無許可のデモ集会を開催しております。
昨年も同様に、彼らデモ団体は、早朝6時前から数百人規模で、原爆ドーム前にやってきました。その際スクラムを組み隊列を組んで突入。そのうち数十名は中核とか、全学連とか、広大とか大きく書かれた白いヘルメットを着用しておりました。完全に戦闘モードでした。そして、そこに立っておられた静かな式典を求める市民団体の方々や市の職員を押しのけ、押し倒しながら、強引に占拠をいたしました。数名の方が負傷されました。その後2時間以上にわたって、横断幕やのぼりを掲げ、または拡声器を使ったアジ演説デモ集会を行いました。
その後、原爆投下時刻である8時15分を境に、デモ行進をスタート。式典会場のすぐそばの元安川沿いを、拡声器を使って「岸田は帰れ」などスプレーコールを上げながら、デモ行進をしました。その声は確実に式典会場内にも響き渡っておりました。
明らかに、式典を妨害しておりました。ちなみに式典参列者を対象としたアンケート調査の結果によりますと、デモ行進団体の拡声器の声が聞こえたと、回答された方は全体の88.7%実に9割の方です。9割が聞こえたと回答されております。
さらにはその回答されたと、聞こえたと回答された方のうち、式典に悪影響があると回答された方が76.4%、多くの方は不快に思われております。平和記念式典にデモ集会、デモ行進がつきもの、そういった間違った形で後世に伝えることは決してしてはならない。そういう思いで私もこれまで5年以上にわたって、この問題に取り組んでまいりました。
その間、令和元年6月25日には広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が、厳粛の中で挙行されるよう協力を求める決議案が全会一致で可決されました。さらに令和3年6月29日には、平和記念式典は、市民等の理解と協力のもと、厳粛の中で行うと明記された広島市平和推進基本条例が、賛成多数で可決されました。
にもかかわらず、にもかかわらずです。未だ彼らでも団体は、拡声器を使ったデモ集会また、デモ行進を行っております。それどころかですね、彼らの行動はますます過激化しております。もはや暴力行為もいとわないと、そういう状態に至っております。
請願第12号には、8月6日は一定の時間、一定の場所の性質を守る条例策定を検討するなど、実効性のある対応に取り組んでいただくよう請願するとあります。これまで広島市としても、拡声器の使用を制限するような条例の策定を模索してこられました。
ただ、拡声器の使用を制限するような条例となればですね、憲法第21条、表現の自由の問題が出てまいります。我が国は民主主義国家です。いかなる主義主張をしようともそれは自由です。ただそうは言ってもですね、いつ何どき、どこで何をやってもいいのか。何もかもが許されるのか。そうではありません。実際憲法には、表現の自由をうたっている一方で、憲法第12条には、このように書かれております。憲法で保障されている自由および権利は、濫用してはならないと明記されております。
請願者は具体的に、拡声機の使用を制限してくれと、そういった条例を作ってほしいと明確に書いてるわけではありません。また求めているのは条例の策定一択でもありません。求めているのは、とにかく一定の時間、一定の場所の静謐を守るための具体的な実効性のある対応です。その対応の一つの例として、条例の策定の検討などと書かれてるだけです。今のままであれば、今年の8月6日も、なんら変わりはないです。
おそらく、喧騒と騒擾の中で平和記念式典が開催されます。何かしら実効性のある対策は絶対に必要です。特に来年は被爆80周年という大きな節目の年を迎えます。被爆者の平均年齢は86歳を超えてまいります。この被爆80周年にはなんとしてでも、厳粛かつ静謐な平和祈念式典を実現していただきたい。慰霊の場にふさわしい式典にしていただきたい、そう願っております。我々は広島市の議員です。あの状況を是とする方は、おそらく一人もいないと思います。誰もが何とかせんといかんと。心の中では、思っている。同じ思いを抱かれてると思います。
先日は建設委員会において、請願第13号、平和推進基本条例に則した厳粛な平和記念式典の開催に伴う原爆ドーム前の現状の改善について。これが賛成多数によって採択されました。この問題については、そろそろ終止符を打つときはやってまいりました。
拡声器による大容量が響き渡る平和記念式典で果たして本当にいいのか、喧騒と騒擾混乱の中で開催される式典でいいのか、また国際平和文化都市・広島市が平和記念式典を誇ることができるのか世界に誇ることができるのか。今この請願が採択されるか否か、まさに広島市議会の良識が問われる。私はそう思っております。縷々述べてまいりましたが、どうか皆様方、ご賛同のほどよろしくお願いいたします。以上です。
委員長:他に討論はございませんか。それでは、以上で討論を終結いたします。それでは、請願第12号について、ただいまから採決いたします。本件は、採択することに賛成の委員の挙手をお願いいたします。挙手多数であります。よって、本件は採択することに決定いたしました。
次に、ただいま採決いたしました請願第12号を除くその他の請願陳情についてでありますが、引き続き調査研究をしていく必要があると考えますので、本日のところはいずれも閉会中の継続審査にしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
異議なし。
異議なしと認め、本件はいずれも閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。本日予定しておりました案件は全て終了いたしました。それではこれをもちまして総務委員会を閉会いたします。