酒脱戦争〜猫のひげ作戦
猫のひげ
大前提は、「お酒を飲まない生活を送り続ける」こと。
今までは酒のやりたい放題にやられていた。
これからは武器を手に入れ、迎え撃つことになる。
さあ、それでどうやったら飲まない生活を続けられるのか・・・
退院してしばらくはどうしたらいいものか、とにかく断酒会や、ミーティングには出るようにした。
仲間たちは、やっぱり「やめ続ける」ことと格闘していた。
みんな同じだ。
やめ続けるためには、努力と知識が必要になる。
猫に生えているひげはいろんなところにあり全部合わせると50本程度あると言われている。
そのひげで猫は自分の通れないスキマや、気の流れなど様々な情報や回避しなくてはならないことを察知することができる。
私もそういう「猫のひげ」を手に入れようと思った。
それが迎え撃つための武器になると思った。
一本目のひげ:恐怖心を忘れないこと
やっぱり、これは「恐怖を忘れない」になる。
「恐怖を忘れない」ために、断酒会やミーティングに出る。
「仲間の存在」は大きい。
先をゆく仲間たちの苦悩や失敗を聞く。
やってよかったこと、嬉しかったことを聞く。
私の通うミーティングには「アルコール依存症の家族」も来ていた。
「家族」も立場は正反対だが、酒害の被害者として「仲間」である。
「家族さん」の言葉は正直聞くのはつらい。
分かってもらえなくて当然だし、分かってもらえると思わないし、わかって欲しいとも思わない。
だけど、自分の振る舞いの酷さがよくわかる。
おかんが、「頼むから死んでくれへんか。」と言った言葉も、今ならわかる。
親にその言葉を言わせてしまうほどのことをしたのだ。
私も親だ。どれほどに苦しめた上での言葉であったのか。
「恐怖」と「不安」は絶対に違う。
ただなんとなくや漠然とした不安と恐怖とではとる行動が異なるのだから。
「ひげ」を増やしていくこと
私の根本は、常に「お酒と縁を切る」ことだ。
そのために、情報を得て学び、成長して行くことが大事になってくる。
簡単に、「ひげ」は生えてきてくれないし、増えてもくれない。
でも何度でも挑戦し、諦めたらダメなんだ。
私は、ラッキーな方だと思う。
家族が諦めないでいてくれたこと、かかっていた病院のケースワーカーさんと先ゆく大先輩との出会い、入院した病院で出会った看護師さんたちと仲間たち。
「気付き」がまだ身体を蝕み切っていなかった時だったことで、命が繋がったこと。
いろんなことが重なり合って、今「私」でいることができる。
これからも、「ひげ」を増やしていく。
これが私の「酒脱」の戦争を勝ち抜くための作戦。
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