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6.今回の絵本製作への想い

ごきげんよう!
西島颯乃(にしじま その)です。

前回、子どもたちと先生の為に製作した【特別な絵本】が完成したことを書きました。

今回は、その絵本製作での私の想いを綴ろうと思います。
出来るかわかりませんが、可能な限り簡潔に(笑)。

何故、別ページを用意してまで想いまで綴ろうかと思った理由ですが。

元々、私は我が子が想像する世界の断片を日々の生活の中で受け取り、それを新たな物語として創り出していました。
絵本作りの最初の動機は、単純なものでした。

我が子の発想・想像が……もっと広く言えば、子どもたちが日々考えている想像の世界がとても豊かだったから。
それを絵本にしたら、きっと楽しいものになるだろうと思ったから。
そして、その豊かな発想・想像を何かしらの形で残したかったのです。

遊びひとつにしても、どの子の頭の中に物語があって、それをおもちゃや折り紙、クレヨンなどを使い、自らの手元で具現化しているんだと思います。
絵本作りをする内に、遊びにしても、生活するにしても、子どもたちの想像する世界を知る為には、会話や独り言がヒントとなるということに気付きました。
思わず発した子どもたちの言葉が、何よりも重要なのです。

しかし、このコロナというものが重要視される世界となり、それを大人たちはあっという間に摘んでしまいました。
「人に感染すから喋ってはいけない、口を噤みなさい」と、ずっと言われてきました。

”口を噤むこと”

それは想像を具現化できず、吐き出したい想いや言葉を内側に溜めていくことに近いのではないかと思います。
物を使い、言葉を発し、自分がどうしたいのかを表現したいのに、制限がついてしまう。
自由に歌を歌うことすら許されない。
そんな厳しい世界に子どもたちはいます。
想いや言葉を発することを子どもたちにとって、どれだけ辛いことか……。
にも関わらず、その状況を受け入れ、子どもたちと現場にいる先生たちは何年も耐えています。
更に、そこに気付いてあげれない大人はいるのも事実なのです。

今回の絵本は、そのゴールが見えない状況下において行われた発表会の創作劇が元になっています。
劇自体も子どもたちが自由に物語を考え、友達と共に話し合いや意見交換をし、先生たちと道具や衣装を作り、毎日練習を繰り返し、最後の本番までやり切った証でもありました。
その劇は、子どもたちの想像がたくさん溢れている作品だったのです。
自分たちの手で何かを作り出せること、それを自由に表現できること、全力で言葉を発せれること……その全てが凝縮されていました。

私はそのことに凄く感動し、その証を残したいと強く思いました。
こんな状況にさせてしまった大人の一人として、残さなくてはいけないとすら思いました。
今までの単純な動機から、更に強い動機が加わることになりました。
そんな私に出来ることは、このオリジナル劇の原作本を作ること。
幸運にも原作者さんからの提案もあり、直ぐ製作に着手し、先日無事に1冊の絵本として完成しました。

このコロナという世界は、私たち大人が勝手に作り出した世界だと私個人は思っています。
そして、その世界を終わられるのは大人の役目だとも。
そろそろ周りに目を向け、真実をみる時期にきたのではないでしょうか。

今回の絵本は、”子どもたちの力強さ”を秘めた作品です。

絵本として形に残すことによって、子どもたちはもっと色んなことを経験して、楽しく輝きたいのだという想いを知ってほしいのです。
これからも素敵な笑顔をたくさん作れる世界にしたいのです。
子どもたちには頑張ったこと、自分の力でやり遂げたことを覚えていてほしい。
大人たちには、そんな未知なる可能性を秘めた子どもたちの世界を知ってほしい。
そんな想いを込めて製作しました。

これから子どもたちは未来へ向かって踏み出していきます。
その時、大人たちは今度こそ、子どもたちを全力で支えていかなくてはいけません。

時にそっと後ろから見守り、ピンチの時には誰よりも先に手を伸ばせる……そんな大人に私はなりたいですし、子どもたちにもそんな大人になってほしいと願っています。

今回の絵本は、些細なきっかけかもしれません。
いつか忘れてしまうかもしれない……。
その小さなきっかけの一歩だったとしても、子どもたちにとって楽しい思い出の小さな欠片となって、たまに思い出してくれれば嬉しい限りです。

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