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ちょっと立ち戻って

第78号(2022年10月26日)
松井文夫さんからバトンを受け取りました。“ミニケン”こと大野駿介です。

学びにこだわり、やや“ゆっくりめ”に社会人をスタートして1年半が経ちました。大学在学中より始めた「キャリアの根幹に触れる部会(根幹部会)」は11月に第35回が開催予定です。関わってくださっている皆さんには感謝してもしきれません。

さて、「キャリアの根幹に触れる部会」とは、参加者の皆さんと意見交換をしながらキャリアに関する最新文献(英語)を読み進める、という活動です。
(最初は皆さん「ハードルが高い」とおっしゃる通りのですが、全くそんなことございません!!英語が全く読めなくても参加大歓迎です!!)

部会の中では、日本における「これまでのキャリア」と「これからのキャリア」を対比して説明をさせて頂くことがあります。その際、しばしば「日本の伝統的なキャリアでは---」といった言い回しをしていました。

ここでひとつの疑問を抱きました。「日本の伝統的キャリア」とはいったいどういうものでしょうか?私の場合は、いわゆる「高度経済成長期的なキャリア」を「伝統的」と解釈していました。しかしながら、終身雇用や定年退職、厳密に言うとこうした雇用形態は、伝統的ではなく近現代的なキャリアの一種に過ぎないように思います。

お盆に祖父母のお墓参りに行った時のことです。我が家は兼業農家で、祖父母が健在の時には地元の直売所に野菜を卸していました。思い返せば、祖母は亡くなる数週前まで野菜を直売所に届けていました。自らの畑を耕すことに、定年の概念はありません。文字通り生涯現役を貫き通した、と言えます。「家業」という言葉で一括りにされればそれまでです。しかし少なくとも私の祖母は、「引退」の二文字を考えることはなかったでしょう。

歴史を遡れば、農業が日本の中心的な産業でした。ひょっとすると祖母の歩んだ道のりの方が、「伝統的」なキャリアに近しいのかもしれません。

次回は井上敬仁さんにバトンをお渡しします。井上さん、よろしくお願いいたします。

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