喪失

淡く仄かな硝子の素肌
天使の翼は生えてない

どんなに雨が降り続けても
いま覚えている

歪ませた横顔のまま
振り向いて

どうせならそのまま
心地よく眠り続けて


いつの間にか遮られた光を
瞳の反射でふと想起する

理性の中にある時間経過の単位
押しつぶされて

あるはずもない天使の羽が
誰かに踏みにじられる

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