雑記

筋肉構造や人体の特徴を網羅し活かすことのできている絵描きでも、一枚の『絵』になると”綺麗に描かれているのに”何処か魅力が足りない、単調な絵になって見えることがよくある。これって、リアリティはアンバランスさから来ることをより示唆しているようで面白いなって。リアルって完璧じゃない。瞳でみても、カメラ越しにみても、必ずどこかが歪んでいて、その見え方も感じ方も人それぞれ。完璧に近ければ近いほど、人の体の柔らかさや肉感が薄れて図形のような印象を与えるのだと思う。パースも人体も背景も、適度に歪ませたほうがリアリティは出るんじゃないかな。絵としての個性を尊重するならばの話だけど。1mmの違いも許せない!ってんなら、もちろんパースや筋肉・骨格は把握しておくべき。でも、自分はそれらの要素を”皮”の美しさを確固たるものにするために中身を組み立てていくようなイメージで捉えているから、あまり重要視はしていない。パースが完璧でも、精神を感じなくて、惹かれない絵ならわたしはいらない。この目に見えたあの光景を、今の自分が出せる最大限の技術技法で表現したい。それって物差しや模型じゃ創れないものだから。

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