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ヴァンゲリスでは走れないけどELPでなら走れる - ランのモルヒネ伴走曲

先日櫻井みけ子久美さんの記事にエマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)の「エルサレム」が今日のハードリピート曲として紹介されていた。懐かしいジャケット写真も。
『恐怖の頭脳計画』、紙ジャケットがパタパタ観音開きのあのLPアルバム、当時中学生だった自分にはたまらなくかっこよかった。

収録曲の「エルサレム」も最高にクール。もともとはイギリスの愛国歌として教会でも歌われれるウィリアム・ブレイクの詩にサー・チャールズ・ヒューバート・パリーが曲をつけたオルガン合唱曲。ロンドン五輪の開会式でも歌われていたけれど、それがプログレでこんなにイカすアレンジに。

ランニングの時に聞くプレイリストを作り始めた当初は、走るペースに合っているとか気分がいいというのが選ぶ基準だった。
そのうち、だんだんと坂練用やジョグ用、トレッドミル用、ビルドアップ用、長距離走用、クールダウン用などに特化した曲をまとめるようになり、もうきつくてダメだ〜という時に気合いを入れてくれるような、身体は限界だけどそれを聞くとモルヒネ打ったように疲れが誤魔化されて最後にスパートかけられるような、その名も"Morphine"というプレイリストを作った。
必ずしもアップテンポでなくても、じわじわくるような。
「エルサレム」はその中の一曲。

Emerson Lake & Palmer - Jerusalem

この曲は映画「炎のランナー」にも登場する。ヴァンゲリスによる荘厳なテーマ曲"Chariots of Fire"が有名だけれど、私はその曲では走れない。「エルサレム」も映画に出てくるが、礼拝中の合唱曲なのでこれで走るのは無理。
でも、ELPのプログレ版「エルサレム」はドコドコドコジャンジャンジャンジャンの盛り上がりが半端ない高揚感をもたらしてくれて、「精神の闘いには屈しない」なんて歌詞にも背中を押されて踵に翼が生えてくるよう…というのは大げさだけれど、ファイト一発曲なのだった。

たぶん、いや絶対全く誰の参考にもならないだろうけれど、モルヒネリストからいくつか。

Andrew Bird - Fake Palindromes
ゆっくりクスリが効いてくる感じ。意味不明な歌詞も精神をトリップさせる。


alt-J - Breezeblocks
MV怖すぎるが、歌もどんどん怖くなって最後の執拗な繰り返しが追っかけてくるよう。ゆっくり始まるんだけれど「逃げなきゃ!」って必死に走ることになる。


Bell & Sebastian - Legal Man
これもクスリで騙す系。サイケデリックな模様が瞼の裏にグルグル。


The Interrupters - Take Back The Power
こちらはクスリの力というより純粋な歌の力で背中を押される。


Vampire Weekend - Worship You
キロ4分15秒でスパートじゃあぁぁぁぁと自分に鞭打てる。


もっと色々あるのだが、キリがないのでここまで。

ところで、現在ではもう音楽を聴きながら走ることはない。
脚の手術後は無理してヘロヘロになるまでとか、ペースを限界まで上げるようなランはしないことにしたし、ながら走行は危険。
今はもっぱら掃除中などに聞いている。

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