なつやすみの工作
鎌倉の水平線ギャラリーで原画展。
東京新聞に16年もイラスト付きコラムを連載されている本田葉子さんの個展で、今回は本田さんオリジナルぬいぐるみキーホルダーを作るワークショップもあったので勇んで参加した。
行くまでは、本田さんが描いた布を縫って作るんだと思っていた。
そんなんじゃワークショップとは言えませんね、甘い期待を抱いた私がバカでした。
そして、作画は下描きNGのフリーハンドで。
先生曰く、「その方が味があるからね!」
ひぇ〜、絵筆持たされ手が震える。ていうか、何描けばいいんだ?
本田さんのキーホルダーはウクレレ、バスケット、ヨット、帽子、犬、自画像などなど…。
ううむ、モチーフ被ってはいけないな、としばし考えて鮭と熊がふと思い浮かんだ。
実はワークショップで使う生成りの布が手違いでギャラリーに届いておらず、本田さんは窮余の策として出品中のハンドメイドのタイダイバッグを切って使うつもりだったそう。
いやいや、それはダメでしょう!
その日私は使い倒した古手拭いをバッグに入れていた。
家を出る時ににわか雨が降り、土砂降りになった時のために足拭き用として持ってきていたのだった。
生地はもうクタクタで小さい穴もあき、ところどころ白く褪色している。25年?30年?物の、いつ引退宣言してもおかしくない手拭い。
これ使います!と取り出すと本田さんはしきりに気遣っておられたが、思う存分役目を果たして最後はキーホルダーにまでなっちゃって、日本が誇る優秀なエコアイテムのこの手拭いも誇らしく思っているだろう。
さて、青海波と言えば魚?でも魚モチーフは先生が既に作っている、ということで、画力も考えず鮭背負った熊を思いついた。
布にエイヤとアクリル絵の具で一発勝負で描き、周りをチクチク縫ってチョキチョキ。
先生のアドバイスに従い綿を菜箸でぎゅうぎゅうに詰めて、カラビナつけて一丁あがり。
モチーフがアレなせいか技術のせいか、売れ残った土産物感醸し出している。本田先生作みたいなキュートさゼロ。
本田さんはコロンとした籠に付けておしゃれなスタイリングだった。
ならばと帰宅後、私も真似して母のお下がりの折り畳み式の籠に。
でもこのキーホルダー、すごく大きいので鍵付けてもバッグの中で行方不明にならないし、大きいけど柔らかくてすごく軽いので、邪魔にもならない。洗っても大丈夫だそうで、実用としても優れている。
しかもエコなリサイクル素材!
自画自賛だが、作成者と使用者が納得すればそれでいいのだ。
居心地のいいギャラリーで、IZのハワイアンミュージックや訪れたお客さんと本田さんののんびりとした会話をBGMに、チクチク夏休みの工作を楽しんだ午後。
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