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世界で一番惨め

忘れないうちに書きたいことがあと1つだけあるので、書いておく。
「幸せなんていらない」→「あなたを待ってる」の続き。

前提


子どもに求めるものが多い家庭で育ったため、自己肯定感がピンチ! てか教育虐待?
でもバーサーカーモード突入、幸せな人生を切り開くぞい!

世界で一番惨めな「私」

全世界の人間が自分のことを(少なくともいつかは)見下す予定で、自分が意見を言おうものならたちまちメッキが剥がれて全員から嫌われるんだと思っていた。人に自分の意見をいうのがとにかく嫌で、そういう瞬間が来ないように固く祈っていた。

でもごく稀に「あなたがどう考えているのか知りたい」と言われることもあり、そういうときにお茶を濁すと相手はバカにされてると思うらしく、すごく申し訳なかった。それで初対面の人に2時間説教されたこともある。(相手も相手ですごい)
今ならそんな優しい人逃さないけど、あのときは違ったんだよね。ごめんね。

輝くような尊大さ

私がこんなことを言っても、その時期を一緒に過ごした人たちは信じないかもしれない。
というかたぶん、嘘だと思われる。

私はたしかに「よそのみなさんから見たら、世界一惨めな人間でしょうね」と考えつつ、
自己評価ではそんなこと微塵も思ってなかった。
おめーらはそう思うかもしれないけど、私の個人の心の中ではそうは思いませんね、と思っていた。
1人でいれば心に平穏があるので、将来の本当の夢はすべて自給自足の農家だった。

生まれもった尊大さなのか?
あるいは「自分を下げるようなことは絶対で人前に口にしない」と決めていた(これも三島由来のべき論)ので、その習慣が心を守ってくれたのかもしれない。

そういう謎の自己確信があればこそ、べき論を全部こなそうという発想も生まれるのだと思う。

とにかくそういう大胆な自惚れがあり、それを隠そうともしていなかったので、年にしては不釣り合いなほどの自信家に見えていたかもしれない。
だからバカにしてるように見えたのかな。

現実感のなさ

ひとりでいると平穏…と言いつつ、実家にいたときは、一人のときに「自分が誰なのかわからないパニック感覚」に襲われていた。
この人(自分)って誰なの? 誰なのって思ってる私は誰?」という無限ループに陥っていた。

大学に入っても、会社に入っても、「誰か他人の人生を生きている」と思っていた。
1社目を辞めるかどうか迷っているとき、ずっとノートに「これって誰の人生なの?」と書いていた。
履歴書を読むとなるほどこんなことしたねと思うが、全部嘘だと強く言われたらたしかに夢だったかも、と思う。
それくらいなんの思い入れもないので、達成感も自尊心もない。

商社に受かって「俺はやったぞ! 人生勝った!」と叫んでる先輩とかを見ると、内側が焼けつくような劣等感を覚えた。彼には自分の人生を生きている実感があって、人生のひとつひとつに意味を感じてるんだとわかるから。
私にあるのは、目隠しで快速電車に乗せられてもう二度と降りられないという恐怖だけだった。どこへ行くのかもしらないのに。

最高の友達

今年のお正月、フェリーに乗ってひとりで旅をした。
夫と付き合ってから、365日24時間ほぼ休むことなく一緒にいるのがデフォルトみたいになっているので、長い時間ひとりで過ごすこと自体が久しぶりだった。

フェリーはとっても……大変だった。
ケチって安い部屋にしたので、ドアの隙間と隙間が大きく開いたトイレの個室みたいな部屋。たまたま隣の人が赤ちゃんづれで、昼夜を問わず泣き声が響いてくる。
ベッドはコンクリートの塊みたいな固さで、少し寝ると全身の凝りがすごいことになった。

ほとんど寝られず、ふらふらの頭&パンパンの足で亡霊みたいに街をさまよっていた。チェックインの時間までそうするしかないから。

普通に考えると体調もバッチリではないし孤独だし、もう帰りたい…と思いそうなものだけど、全くそう思わなかった。
なんか………自分と会話するの、楽しくない!?

当たり前なんだけど
「この間読んだあの本みたい」
「この間あの人が言ってたのってこういうことか」
とか、話が全部通じるんだわ。自分には。
いくらでも話すことがあるし、口に出すタイムなしでどんどん会話が進められる。
会話の幅・深さを自由に調節して好き勝手できる。
※私はものを考えるとき、もう1人の自分に話しかけるスタイルをとっている

自分には打ち解けられる人がいないからずっと1人でいたんだと思っていたが、違った。
単に私って自分のことがすげー好きなんだね。


絶対の味方

あとこの人(自分)のいいところは、自分と同じ失敗を経験しているので、その避け方や痛みがわかっている。
たとえば「ちょっと今週働きすぎたかも」とか思うときに、「やりすぎとちゃいますの?」と声を掛けてくれる。頼もしいね。

自分からは決して逃げることができないが、裏を返すと、死ぬまで一緒にいるのが良い人で自分が好きな人だったら言うことない。
ていうか…「自分のことが好き」、内面的にこれ以上の幸せって世の中にある?
私はないと思うわ。
天国へ行く方法ってこれのことかなって思いながらジョジョ6部見てた。


おわりに

これが2019年に会社を辞めてからの4年間の心境の変化。
来年には忘れてそうだな〜と思ったので書いておいたが、案の定、結構忘れてきている。

この年になってようやく気づいたが、人生って私が考えもしなかったようなことがたくさん起こるし、そういうことが起きたあとって、世界がまったく変わってしまう。
でもだからといって、それまでの自分に価値がないわけじゃないし、考え続けたり悩み続けたりすることが無意味になるわけでもない。その習慣、積み重ねは絶対にどこかで自分を救ってくれる。

それに気づいただけで、毎日ハッピーに暮らせるってもんですわ!
日々辛酸を舐めさせられてるが、そういうのもいつか何かをきっかけに良くなるってわかってるから、そうなることを待ってるね。







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