SjQとアルケミー

SjQのサードアルバム、奈良にてレコーディング完了。
気がつくと前作から10年(!)。


一枚の音源として考えると、一般的に考えて非常識な時間のかけ方になってしまっている。
SjQとなると、商業的な作り方も、芸術家・音楽家的な作り方もできない。錬金術のような、技術・芸術・科学・魔術の全一的な知と身体の実験であり、こうなってしまったのは仕方ない!!!! としつつ、関係者様には、本当に申し開きようがないのですが。

(錬金術、アルケミーって、現在だと詐欺師的な印象で語られがちだが、科学や芸術、技能、世界の成り立ちを探究する領域融合的な実践知だった。芸術と技術の複合体という意味では、電子音楽は近い。あの音どうやるんだろう?って、とっても神秘的な興味だと思う)

その間にも、研究、『SjQ++』としてのパフォーマンス活動、そしてメンバーの変動などなど...時々の状況の変化があり、その都度、成果物の大半、時にすべてを放棄してアップデートをかけ続けた。

ドラマーが欠けて、どうしているかは、短いがムービーをよく見てもらうと分かる。結果的にちょっとした破壊的イノベーションになった。が、最早どこからどう説明・共有していいか分からなくもある。

思い返せば前作品も、1曲目は無数の音の断片を波形レベルで人力で継ぎ接ぎし、1音1音のマスタリングを数年続けていた。自分は、自分で思う以上に、「うまくやる」ことが下手なのだろう。無闇であり経済的解決能力が欠損している。

SjQは結局のところ、僕の日常であり、創作であり、研究であり、身体論で、かつ魔術占星術的なもので、つまりは錬金術であり、他と比類しても圧倒的に、聴こえも感じるものも違うのだが、圧倒的にそれらが絡み合っている。つまり、複雑で延々と解き続ける再帰的な謎やエッシャーのようなものであることは、よく分かった。

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