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アブドゥラザク・グルナ
大晦日の夜に、アブドゥラザク・グルナの新刊と、ボン・ジョヴィのドーナツ盤を買った。グルナはザンジバルの、ボン・ジョヴィはニュージャージーの出身だ。ザンジバルというと、『機動戦士ガンダム』や、フレディー・マーキュリーの出身地程程の認識しか持たない遠隔の地。
グルナの本は、2021年にノーベル文学賞受以後、白水社が翻訳書を出すという話があったものの幾度か刊行日が延期されていた。ようやく今日手にする事
月曜日に老いたる父は
丑満時に老いた父の足音で目が覚める。御手水かなと思っていると、玄関を開け外に出て、すぐに戻ってきた。何事かと起き出して来た私と目が合うと「誰も居らんやった」と言う。怪訝そうな私の表情に気付き「ピンポン(呼鈴)鳴ったろ?」と言い、「寝惚けとっちゃろうね」と謝して寝床に戻っていった。
数ヶ月後、ふと目が覚めたまま布団の上に転がって寝付かれずにいた。時計を見ると丑満時。しばらくして父の足