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ロボット

あるときロボットは考えた。
私は何のために生きているのかと。

自分は人間という主人に仕え人間の暮らしをよくするために働いている。
でもいつまでこれが続くのだろうか。そもそも人間のために働く”意味”は何なのか。

同じロボットの仲間たちは壊れたら捨てられていった。私もそうなるのだろうか。私は何のために生まれてきたのか・・・。


あるとき人間は考えた。
私は何のために生きているのかと。

気づいたら生きていて、生きるために働いてきた。
確かにロボット技術が発展し、昔に比べたら暮らしは本当に良くなったのだろう。

でも何か物足りない気がする。自分は一体全体何のために生まれてきたのだろうか。神様がいるのなら聞いてみたいものだ。


あるとき神は考えた。
私は何のために生きているのかと。

宇宙を作り星たちを作りそれらを見守ってきた。気の遠くなる時間を宇宙の創造と維持に力を費やしてきた。

時折生命が誕生するときもあるが、それも宇宙の長い歴史から見れば一瞬の出来事である。それくらい私は長い時間を送ってきた。

ただなぜ私はこんなことをしているのだろう。誰に命じられるわけではなく、気づいたらこういうことをしていた。別につまらなくも辛くもないが、いつまでこれをし続けるのだろう。私は何のためにこれをしているのだろうか。


あるとき神を生み出した神は思った。
私は何のために生きているのかと。

神を生み出し宇宙の統括を任せた。私はいくつもある宇宙を束ねる神だが、こういったマネジメント業務にはいささか飽きてきた。

信じられないことが宇宙では怒るからそれらを対処していくのは楽しいしやりがいもある。ただ気の遠くなるような時間同じことをしていたものだからやっぱり飽きてきた。

そういえば最近思うことがある。私はなぜこんなことをしているのだろうか。


あるとき神を生み出した神、を生み出した神は思った。
私は何のために・・・・・・。


終わり

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