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かわら版No.78 米沢市は、やるか・やらないかではなく、やるしかない。米沢市に残された特別な時間の終わり、について。

いつもお読みいただきありがとうございます。

この度は、米沢市議会・12月定例会の一般質問・佐野洋平のポイントをお伝えいたします。

この度の一般質問は、まちの個性を高めるためのまちづくりに向けて、米沢市は、没個性化する中で、高付加価値化することは可能か、と題して質問いたしました。

ドラックストアチェーンの急増が象徴するように、私たちのまちの個性は急速に失われています。米沢に生まれ育ったものとして、まちへの愛着は人一倍強く、何としてもまちの個性や魅力を守り、さらに伸ばして元気にしていきたい、私だけなく多くの米沢市民は考えているはずです。

米沢市政の、行政の役割は、米沢市民生活の環境を整えつくることです。生活環境、社会環境、自然環境を、経済はもとより、社会として存続するために、つくり込む必要があります。米沢市のこれまでの政策はこれに果たして応えることができているのでしょうか。

この点、米沢市長の答弁において以下の方向性が示されました。

①「自然環境、歴史的景観と都市機能の調和。具体的な取組としては、松が岬公園周辺の歴史的景観を維持しながら、米沢駅から街中、松が岬公園周辺へと続く街並みの高質化を図る」
②「山形大学工学部、女子栄養大学、山形女子短期大学の学生の定住
③「新産業団地の開発
「これまでの20年来の米沢市の考え方を改め、自治体として何ができるか再検討し、まちづくりの手法・規制等についても、行政として踏み込んだ施策を急ぎ研究し実行する」
⑤「現在策定を進める時期総合計画において米沢の個性を生かし高める施策を検討している」

私たち議員を含めた米沢市民は、これからの具体的な政策内容を見つめ、まなざしを送り続けなければなりません。“これまでの米沢(これまでの20年来の米沢)”からの脱却、言わば、“米沢レジーム”からのレジーム・チェンジ(体制転換)に言及したわけです。これがどのような内容になるのか、しっかり注目していかなければなりません。

また、米沢市景観計画上の景観形成重点地区・上杉家御廟所周辺地区のドラックストアの景観について、米沢市担当部局は、「米沢市の景観形成基準に合致している。」としました。しかし、米沢市長の答弁では、「そもそもドラックストアができることに違和感がある、看板規制についても検討するように担当部局に伝えている」との趣旨のご発言がありました。現状の米沢市景観条例・米沢市景観計画では、米沢の個性を守ることも高付加価値化することもできていません。米沢市当局の本音としても、期待し満足いく内容に実態としてはなっていないと思っているはずです。米沢市景観条例・米沢市景観計画の抜本的な見直しを求めます。

まちの個性を高め、高付加価値化することが米沢市にとって重要ことは指摘するまでもありません。そして、やるか・やらないかではなく、やるしかないのです。米沢市に特別な時間はあまり残されてはいないのです。

この度も最後までお読みいただきありがとうございます。

【参考】
【令和6年12月9日米沢市議会一般質問・佐野洋平の冒頭文】

 この度の一般質問は、まちの個性を高めるためのまちづくりに向けて、米沢市は、没個性化する中で、高付加価値化することは可能か、と題して質問致します。
 現在、米沢市政においては、来年度当初予算の予算要求の時期です。10月17日には、米沢市の令和7年度予算編成方針が例年通り示されました。この点、一言申し上げれば、当該内容の中で、「物価高騰に係る経済対策や生活支援事業にあっては、臨時交付金などの国の財政措置がある場合のみ別枠での要求を認める。」とありますが、特段の財政措置がない場合であっても、地元消費による地域経済循環の考え方の啓蒙活動は可能です。地元消費を応援する啓蒙活動は予算がなくてもできます。米沢市内でできるだけお金がまわる意識醸成と消費行動を米沢市として促進することが何より重要です。
 もっとも、先日12月5日、地元スーパーの株式会社キムラが破産手続きを開始するとの報がございました。1946年の創業から今日まで「美味しい魚を食べるならキムラ」として、この海のないまち米沢の魚食文化の発展に多大なる貢献をいただきました。魚市場の息子として生まれ育った私にとって家族のような企業様であり、この結果は痛恨の極み、無念です。納品業者、取引業者は地元事業者が多く、純粋な地元消費による地域経済循環企業の消失は、米沢の社会や経済にとって実質的にも象徴的にも大きなダメージです。今後の悪影響は短期的であり長期的です。この点、米沢市は、12月6日の臨時の市長会見において、できる限りの対応をするとし、市内5カ所の店舗等についても市として何ができるか検討するとしています。店舗跡地にもうドラックストアは要りません。キムラさんを愛された米沢市民の皆様、お客様、地元事業者の皆様の業務や日常生活においてできる限り痛みを伴うことないよう米沢市官民の垣根を越え米沢一丸で取組まねばなりません。
 あらためて、かつての平和通り商店街・中心地商店街は空洞化し、シャッター通り化を経て、大手ドラックストアチェーンなどの進出により中心地の郊外化・ロードサイド化が進みました。一部商店が存続していますが、中心地の灯(ともしび)は、地元飲食店街の皆様の営業努力で何とか守られている状況であると言っても言い過ぎではありません。中心地の郊外化・ロードサイド化は、大手ドラックストアチェーン等のさらなる拡大により歯止めがかかっていません。
 “上杉の城下町、米沢”は、今や“ドラックストアのまち、米沢”になりました。
 私たちのまちの個性は急速に失われています。米沢に生まれ育ったものとして、まちへの愛着は人一倍強く、何としてもまちの個性や魅力を守り、さらに伸ばして元気にしていきたい、私だけなく多くの米沢市民は考えているはずです。それでは何を実践すればいいのか。私たち米沢市民が良いとする魅力とする、生き生きとした米沢の個性を伸ばし、没個性化に抵抗し、それを磨き上げ高付加価値化するためにはどんな政策を実装していくことが、このまちの未来にとって相応しいことなのか。―あまりに過ぎ去った時間を振り返ることはできるとしても、答えは出ています。
 米沢市政の、行政の役割は、米沢市民生活の環境を整えつくることです。生活環境、社会環境、自然環境を、経済はもとより、社会として存続するために、つくり込むのです。
具体的には、
① 残したい場所をゾーニングすること
② 残したい又は在りたい姿を、デザインし、つくること
③ 残したい又は在りたいかたちとするためにルールをつくること
④ 上記について、美意識に基づき、貫徹すること
が必要なのです。米沢市のこれまでの政策はこれに果たして応えることができているのでしょうか。
 現在米沢市の進める無償化や負担軽減政策は、国民負担率の増大、実質賃金の低水準化、急激な物価高の影響等を市民生活を緩和する措置としては一定の効果はあります。しかしそれ以上に、目を見開き、よく観察し、思考を深め、このまちの個性にスポットライトを当てなければなりません。米沢には、商店街や飲食店街、駅前の商業街、神社周辺の観光街、そして、温泉街など、魅力的な個性が残る“〇〇街”エリアがあります。これらを今までなかった水準で大胆に解釈し磨き上げなければなりません。
 もはや、時間は残されていません。
 そこで、具体的には以下の質問を致します。
まず総論として、本市が考えるこのまちの個性とは何か。またその個性を高めるための主要政策や主要事業とは何か。なお、この中で食に関する政策があれば、この点もお知らせください。
(1) 米沢市景観条例・米沢市景観計画は、まちの個性を高めたか。
  平成22年(2010年)に施行された米沢市景観条例・米沢市景観計画は、施工後の約20年間でどのような成果をもたらしたか。また現在の課題は何で、その解決策は何か、お知らせください。
(2) 小野川温泉について、市は、まちの個性を高めるために何をしてきたか。
  本市にとって最も重要な場所の一つである小野川温泉について、市はこれまでどのような政策を実施してきたか、主要政策をお知らせください。また、新総合計画等の策定が進む中で、小野川温泉をどのように位置づけるのか、お知らせください。
(3) 再生可能エネルギーの在り方について
  本市にとって、再生可能エネルギーの促進と自然環境の保全は、このまちの価値を守るために重要です。このどちらも両立するような最適解を模索しなければなりません。そこで、現在、市が考える再生可能エネルギーに関するゾーニングや条例等についてお考えを知らせください。

令和6年12月9日米沢市議会一般質問・佐野洋平の冒頭文

かわら版No.78



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