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かわら版No.67 (仮称)栗子山風力発電事業が、白紙撤回に至るまで【記録・保存版】

いつもお読みいただきありがとうございます。

9月27日、栗子山風力発電事業は、報道でもありましたとおり、事業者(JR東日本エネルギー開発株式会社)から米沢市に対して、事業を取り止める旨の申出がありました。

今回は、記録・保存のためにも、栗子山風力発電事業は、なぜ白紙撤回に至ったか、を要点をまとめておきたいと思います。

まず、公開情報として、山形県の環境影響評価法に基づく案件・法09:(仮称)栗子山風力発電事業があります。公表された令和元(2019)年7月3日から取り止めが公表せれた令和6年(2024年)9月27日まで、配慮書、方法書、準備書と、3段階目まで進んでいました。

▼重要ポイント① 市民の有志の方々による活動
栗子山風力発電事業に対して、はじめに問題意識を持ったのは、米沢市民の有志の6名の方々(米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会(以下、「市民団体」という。))でした。この有志の方々が、問題意識を持ち、勉強会や周知活動、現地調査、事業者・市や県へのヒアリング、反対活動や反対署名活動、市や県・経済産業省への署名提出(最初の市への提出は令和6年2月14日、最終的には令和6年9月26日、経済産業省・環境省の担当者に署名6970筆を提出(山形新聞・9月27日朝刊)、米沢市議会での意見交換会(令和6年3月28日)、米沢市議会への請願提出(令和6年8月23日提出・9月27日賛成多数で採択)など、多岐に渡る啓蒙活動を展開されました。

▼重要ポイント② 市長の全面白紙撤回の申し入れ
米沢市長が栗子山風力発電事業に問題意識を持つ契機は、令和6年2月14日の市民団体による計画の白紙展開を求める署名2299筆と市民全体に対する説明会の実施を求める要望書とのやり取りであったろうと思います。その後、米沢市は、(仮称)栗子山風力発電事業の環境影響評価準備書について、県より、令和6年4月1日に関係市町村の意見提出の依頼を受けて、5月10日付で環境影響評価準備書に対する意見を公表しました。その後、令和6年8月4日・5日に開催された事業説明会を受けて、事業者に対し依頼文を送付・公表しましたが、令和6年8月29日(仮称)栗子山風力発電事業計画の全面白紙撤回を求める申し入れに至りました。

▼重要ポイント③ 県知事意見、環境大臣意見、経済産業大臣勧告など、厳しい意見・勧告相次ぐ
令和7月10日の審査会終了後に当会会長から「イヌワシなどの保全対策不十分」「計画を中断するなら中断」という厳しい意見が報道陣に対してありました(7月11日・山形新聞朝刊)。その後、上記5月10日付米沢市意見後、令和6年8月26日の県知事意見8月30日の環境大臣意見9月19日の経済産業大臣勧告に至るまで、客観性に基づく厳しい意見や勧告が相次ぎました。

▼重要ポイント④ 市議会での動き
米沢市議会においては、米沢市議会への請願提出(令和6年8月23日提出、9月18日民生常任委員会審査賛成多数で採択、9月27日本会議審査賛成多数で採択)、9月5日佐野洋平・一般質問「栗子山風力発電事業について」、がありました。

▼重要ポイント⑤ メディアでの報道
さくらんぼテレビ、山形新聞など、県内テレビ局や地元メディア、新聞各社地元メディアによる報道が随時ありました。

総括すると、米沢市民の有志の方々の活動がきっかけとなり、報道等で活動が認知され、市民や議員を巻き込み、市民全体への事業説明会、市長意見と全面白紙撤回、専門家による審査会の客観的な判断、県知事意見・環境大臣意見・経済産業大臣勧告による客観的な判断、市議会での請願採択など、事業者が事業を断念する総合的な要素が積み上げられました。

▼重要ポイント⑥   事業者の失策
最後に、事業者はどのような認識でおられるかですが、事業者の準備書内の調査(地形地質、イヌワシ調査等)に不適切な点があったこと、市や市民への対応や説明責任において不適切さや不誠実さあったことは、市や市民、その他関係者との信頼性の観点から見て重大なマイナス要素であったことは否めません。

この度も最後までお読みいただきありがとうございました。

かわら版No.67




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