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わたしの言葉のルーツのはなし

昔から割となんでも器用にこなして生きてきた 所謂 器用貧乏なわたしが何か言動を起こすときの理由として「やりたいからやる」「できるからやる」「それをやる人になりたいからやる」が存在している


不特定多数の目につく場所に立つようになってから『誰かの言葉によって自分自身のことについて気がつくこと』が多くなったように思う 例えば「優しいね」と言われたら「そうか、わたしって優しいのか」と思う 「かわいいね」「綺麗だね」「ファン想いだね」「ダンスがうまいね」「声がいいね」 みたいな 誰かがくれる言葉によって初めて自分自身のことに気付いたり 自分自身が他者からどう見えているのか どう思われているのかを知るようになった

わたしたちSOMOSOMOのプロデューサーサカイさんとわたしが初めて会った日 「毛筆十段持ってます、WordとExcelの検定も持ってます、商業系の勉強をしていたので検定は色々持ってます、トランペットとギターとピアノはちょっとだったらできます、全部好きでやりたくてやっているのでそれをお仕事にしようと思ったことはないです」みたいな話をしたら「インプットはするのにアウトプットはしないんだね」と言われて初めて気が付いた  「そうか、わたしってインプットはするのにアウトプットはしてこなかったんだ」

だからわたしは今 インプットと同時にアウトプットをするようになったことによって 自分自身のことについて 気付かされるようになった


その中でもとりわけ多く言われるのは わたしの書く文章について で、

「ケイコちゃんの書く文章が好き」という言葉を数え切れないくらい いただいている

思い返してみれば わたしは 何気無く書いた創作の物語が学校内で推薦されて地元で発行されている文集みたいなものに掲載されたことがあったし 読書感想文もなにかに選ばれたような気がする 始業式で全校生徒の前で作文を読んだこともあったし 高校生のときは入学式の代表の挨拶も 卒業式の答辞もやった 

ただ「自分の文章がいいかどうか」について考えたことは全く無くて 今までのわたしにとって わたしの文章というものは ただ先生に推薦されたからどこかに掲載されたり推薦されたり読んだりするだけのもの、でしかなかった


「文章を書くのが上手いけど やっぱり本を読んだりしてるの?」と聞かれることがある

わたしはある時から「本を読みたい」と思うようになった というより厳密に言えば 「本を読む女の子になりたい」と思っていた

きっかけはSEKAI NO OWARIに出会ったこと もっと言えばそのメンバーのSaoriさんに出会ったこと Saoriさんの言葉を大好きになったことだ

Saoriさんのブログ『HELLO ENDING』を毎日 のめり込むように同じ記事を何度も何度も読んでいた それまで『ブログ』といったら その日あった出来事や気持ちを書いて、一行ずつ改行をして、きらきらの絵文字がついていて、プリクラが載せられていたりして、というようなものだという固定概念を持っていたわたしにとってSaoriさんのブログは衝撃的なもので Saoriさんのブログはわたしが前出したようなものでは無く ひとつの記事がまるで短編集のひとつの物語みたいだった そのうちわたしは歌詞を見ただけ曲を聴いただけでSaoriさんの作詞だと分かってしまうほど Saoriさんの言葉や文章に惹かれていた

『Saoriさんは本が好き』という事実に囃し立てられるようにわたしは『本を読む女の子になりたい』と思うようになった わたしの脳みそは本当に いとも容易いもので 好きな人が好きなものは基本的に好きだし 好きな人が好きなものに寄り添いたいと思ってしまう(こういう感覚をわたしはいつも「ちょろい」と呼んでいる)

ただ現実はそうもうまくいかないもので それまで言動を起こす理由として『やりたいからやる』『できるからやる』がメインだったわたしにとって『本を読む女の子になりたいからなる』は思うようにいかず 買ったまま読みもせず 本棚で埃をかぶる本たちの存在に薄々気が付いてはいたものの 格好悪くて気が付かないふりをしていた


そんな中 わたしが本を読めるようになったきっかけの本がある

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藤崎彩織さんの『ふたご』という本

SaoriさんがTwitterを始めたりしたこともあってか ブログは少しずつ更新頻度が落ちていってしまったけれど わたしがSaoriさんのブログをリアルタイムで読んでいた頃から数年経って 本という形でサオリさんの言葉を、文章を 手にすることができたことが本当に嬉しかった そしてするりと丸々一冊読み終えてしまったわたしの 本棚にある本たちはだんだんと埃をかぶらなくなった そのときわたしは初めて「わたし、サオリさんの文章が好きなんだ」と気が付いた


誰かがくれた「ケイコちゃんの書く文章が好き」は 何度いただいても嬉しい言葉です わたしも抱いたことのある大切な気持ちを また違う誰かがわたしに抱いてくれていると思うと 嬉しくて幸せで自慢したくなってしまいます いつもありがとう 器用貧乏なわたしだけど 文章や言葉に関しては 突出できたらいいな なんて思います

最近は衣装やメイクポーチを詰めたリュックとは別に ポシェットを提げて その中にスマホやハンカチ、そして本を一冊入れて毎日家を出ます やっとの思いで『電車の中で本を読む女の子』になれたわたしに少し優越感を抱きながら まだまだ知らない言葉 表現 もっともっとたくさんインプットしてアウトプットしていけたらいいな


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