寿司について

友人の結婚式の為に週末実家に帰った。
日曜は東京に戻るだけだったので母と弟とともに墓参りに出かけた。

昔は墓参りなんて興味が無かったがいつのまにか帰省した際の習慣になっている。お参りがしたいだけなので掃除は極力弟に任せて線香に火をつけて手を合わせる。

帰りがけにお寺の鐘を一つ突いて帰るのが我が家の伝統だ。(誰が始めたのかは知らない)

終わった後お昼を食べに3人で寿司屋に行った。

そこに行ったのは祖父が亡くなった時以来なので私は6,7年ぶりだった。

父方も母方もどちらの祖父も馴染みの店で我が家の事をよく知っている女将さん。

母方の祖父は我が家に遊びに来るとよくそこで飲んで帰ってきて鉄火巻きなんかをお土産にくれた。

父方の祖父は節分の巻き寿司やら、ちらし寿司やら季節の節目に食べるものを良く家に持ってきてくれた。

私にとってはいい大人が行くお店だったので、これまでも地元で何かを食べると言ってもそこに行こうとは思ってもみなかった。

今日はわたしが小麦を控えてるのもあって、海鮮丼でも食べようかとなってたまたま選択肢に名前が上がった。

大人になった我々を見て、女将さんによく辛抱したねと声を掛けられて母が泣いていた。
なかなか大変な事が多い我が家に嫁いで来てこの人も色々と苦労をしてきたのだ、と改めて思った。

母は普段はあんまり愚痴も言わずに、前向きでいる。
逃げ出してもっと安穏とした暮らしを得るチャンスもきっとあったんだろう。それでも腹を括って私達を育ててくれた。

大人になってからもたくさん心配をかけているし、普段はあーだこーだ言われても邪険にしてしまう。(そこまでが様式美)

女将さんがお母さんにご馳走してあげるの?とでっかい声で言うものだから、なんだか気恥ずかしくなってしまった。

次回は父も一緒に来られるといいなぁと思う。

たまに会う時くらい、美味しいものを食べて欲しいなと思った寿司屋での出来事。

親孝行したいと思うような年頃になったと言うことなんだろうか。



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