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20年以上前のモノって、すでに「ライト・ヴィンテージ」とか呼ばれたり。

ボクが「ラブリーボーン」で出会い、「ハンナ」で涙し、「グランド・ブダペスト・ホテル」で恋に落ちたサーシャ・ローナン。

そんな彼女の出演作の中でも一番好きかもしれない「レディ・バード」。そして、最近では(と言っても、4年前?ってことは「レディ・バードよりも前か)「ムーンライト」でその名が一躍有名になったスタジオ「A24」が制作した新作「mid90s」。

タイトル通り、1990年代半ばのLAを舞台にした、まぁ、よくあるといえばよくある、スケーターカルチャーをベースにした青春ストーリー。

でも、この「よくあるといえばよくある」使い古された題材をわざわざ2020年に映画化するんだから、よほど90年代半ばに思い入れがあるんだろうな、と思う。

自伝的映画ということで、監督のジョナ・ヒルは1983年生まれだから90年代半ばはまさに青春真っ只中のティーンエイジャー。何をしても、何を見ても、何を聴いても刺激しか受けないお年頃。

当時、ガンガンに受けて、ビンビンに感じたであろう刺激というか、影響がこれでもか!ってくらいに溢れている作品。

スケートカルチャーに欠かせないファッション、音楽が満載なのは当然なんだけども、特に音楽がボクのツボにハマった。

ざっと挙げると、、、

A tribe called quest、Bad Brains、Misfits、The Pharcyde、Gravediggaz、Herbie Hancock、Morrissey、NIRVANA、Pixies、、、、これだけでもボクの音楽遍歴的には、かなりそそられる上に、Del The Funky Homosaipenとか使われてるなんて。それに加えてESGの「Dance」まで!!

音楽担当はNINのトレント・レズナー。レズナーも近頃ではすっかり劇伴ミュージシャンっぽくなってきて、ちゃんと映画音楽らしいスコア書けるんだなぁ、と上から目線で思ったりした。

撮影も16ミリフィルムにこだわったらしく、全編通してのアナログな空気感や微妙なピントや露出のズレも、デジタルでは出せない自然な「ノイズ」となって90年代っぽさを演出してます。

キャスト陣は、主役のスティーヴィー役を演じたのが「聖なる鹿殺し」のサニー・スリッチ。あとは、ボクはよく知らない若者でした、、、

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劇中に出てくる小物というか、アイテムやゲームなんかも、当たり前だけどもスバリ90年代で、そういう世代(当時ボクはすでに20代後半だったけども、カルチャーや音楽含め、ぎりぎりズバリ世代)には、「あぁ、あの頃ってこうだった!」というノスタルジー(確かにすでに20年以上前だもんな)に浸れるし、今、10〜20代の若者には、こういうのって新鮮なんだろうな(ここ数年の90年代リバイバルブームが、それか)と思う。

別に親子で観に行くような作品でもないし、それを薦める気もさらさらないけど、もし、アナタが90年代に青春を送ってた世代で、息子(もちろん娘でも可)がスケートやってるような家族になっているのなら、息子(もしくは娘)を誘ってみるのも悪くはない、と思う。

よしんば親子で観に行ったとしても、これをきっかけに親子仲が深まります、とかそういうのは期待せんでね。そもそも、そういう映画じゃないからね、これは。


で結局、ボクが言いたいのは、この映画には、サーシャ・ローナンは全然関係ないからねw


9月4日から、新宿ピカデリー他で公開です。

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