初恋が終わるとき2(全部ほんとうのこと)

17歳の誕生日
あれが最高に幸せだったのかな、
手をつないで駅まで歩いたこと
それだけでよかったのかもしれない。

(あの誕生日からどのくらいの時間がたってたのか・・思い出せない)
高校へ行く電車の中で心配そうな顔をして、友達が言った。
「本人が・・本人だけが知らないっていうのも・・いやだろうなって思って」
「・・?」

「(彼の名前)が○○と初体験したんだって」
「何それ・・」
中学の時の同級生の女の子の名前だった。
自分のお兄ちゃんの同級生と付き合っているって聞いていた。
「うそ、なんで・・」
「ばかだよねー○○、彼氏と別れてやけになっていたのか・・同級生たちとやりまくったらしい」
「初体験したい?って言って次から次に誘ったらしいよ」

どうしても信じられなかった。

その女の子とは家にも遊びに行ったり小学校のころはすごく仲良くしていた。
家に遊びに行くと「ちょっとごめん、夕飯作らないと・・」と
シチューを作りだしたりするような子だった。
しっかり者だと思っていた、

同級生たち・・
男の子たちはどう思って誘いにのったんだろう
全く理解できなかった、

彼氏と別れてやけになっているとか知らなかったとしても、
彼女を思いやるとか誰も、一切無かったの?

それを聞いてから彼と会わなかった。
連絡も無かった。
偶然会うことも無かった。
学校が全く逆方向だったし、
私は電車通学・彼はバイクで通学していた。
私が知った、という事はすぐ本人にも伝わったんだと思う
私以外の人達は皆知っていたのだから。

今でもそれがいつの事か私は知らない。
あの17歳の誕生日の前か後かも・・
なんにも知りたく無かった

なにも知りたくなかったのに
あの日、
同級生たちに囲まれた日
彼がどんなに落ち込んでいるかを
知らされたのだ。

ただ彼を心配して私のところへ来た男の子たち

今思えばもう合わないほうが良かったのかもしれない
あの時こうだったらどうなっていたんだろう、と思うことがある。
もう一人の自分がいて
違う時空で、違う世界で生きているんじゃないかという感覚に襲われる。

私もやけになっていたのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?