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幸せさん

この間、村田沙耶香さんの「しろいろの街の、その骨の体温の」っていう本を読んだ。そこには「幸せさん」っていうのが出てきた。主人公が勝手に呼んでいる人だ。幸せさんとはクラスなどのカーストをわかっていない、知らない人のこと。

高校生でもよくある地盤の緩い友達同士の間で起こる悪口大会。同じグループなのにその子一人だけいない時に始まるやつ。私たちは他の高校生とは違うからそんなことないよね〜って話したことがある時それが私たちだって思ってた。でも、違かった。四、五人で集まってそこにはいない友達の話をしてた。あの子ってこーゆーことあるよねとか。もう、雑談じゃない感じで居心地が悪かった。その子のことそんなふうに見たことなかったし、感じたこともなかった。だって友達だから。友達だからん?って思ってもあーゆーとこやだよねって話したいほどでもなかったし、それ以上のいいところも楽しいこともあったからそんなの忘れちゃうくらいだった。でも、彼女たちはそんなことないらしく、話してた。思い返したら、1年生の時にもあった。初めて居合わせたからどんな顔で聞いてどんなこと言ったらいいのかわからなくて戸惑った。もしかしたら自分も言われてるのかもって不安になった。本人にゆうほどじゃないけど、ちょっと嫌だよね、みたいなスタンスで。悪口言ってるってこともわかってて。すごく怖かった。だから学校休んでた半日の日は、怖い。何か言われてるかも。思い当たることがたくさんあって、それでも受け入れて仲良くしてくれているのかと思ってた。実際はそうじゃなくて、本当はこう思ってるけど、外面は良くしておこうってことだったのかなって思った。

私はすごく衝撃的なことだった。まさか自分の友達が、絶対ないと思ってたのに、、、、って。あんまり仲良くない子に悪口を言われててもなんともない。でも、すごく仲良くしてて楽しいって思ってたのに実は違ったっていうのがすごく悲しいし辛い。あれは嘘だったんだなって。初めてだったからどうしたらいいかわからなかったんだけど、こういうことってよくあるものなのかな。そういう時ってどうしたらいいのかな。友達には相談できないし、先生も親も兄弟も誰にもできない。どこでも教えてくれない。

そんなことも知らなかった私は幸せさんなのかもしれない。

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