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9-03「ワンちゃん火の玉」

連想ゲームふう作文企画「杣道(そまみち)」。 週替わりのリレー形式で文章を執筆します。

9周目の執筆ルールは以下のものです。

[1] 前の人の原稿からうけたインスピレーションで、[2]Loneliness,Solitude,Alone,Isolatedなどをキーワード・ヒントワードとして書く

また、レギュラーメンバーではない方にも、ゲストとして積極的にご参加いただくようになりました!(その場合のルールは「前の人からのインスピレーション」のみとなります)

【杣道に関して】https://note.com/somamichi_center

【前回までの杣道】

9-02「鈴木におまかせ(仮)(4)」

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今回はゲスト:ねこちゃんのカリカリさんが執筆者です。

前回の原稿(9-02「鈴木におまかせ(仮)(4)」)からうけたインスピレーションで執筆されています!

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夜の帰り道、向かいから飼い主と歩いてくるワンちゃんの顔の斜め上あたりで、並走する火の玉があり
ちょうど線香花火のジリジリしているけどたっぷりしているような、火であるのにみずみずしい感じの
これがまさしく火の玉だろうという火の玉があり
しかしお互いが近づいてみると、普通に一部分だけが光るリードだったんだけど。
あっ、火の玉だあ、と思った。

古物屋で働いていて、今回はクリスチャンの家からの入荷品だった。
やたらセクシーなキリストの、いい額縁に入った手のひらくらいの肖像画とか
小粒で白銀で軽い質感の、でも5ミリほどのパーツの裏側にはしっかりマリアが刻んであるロザリオとか
貼りだけど形のいい銀食器のセットとか
小指の先くらいのペンダントトップ、これも裏には10センチの距離でやっと分かるような小さなマリア、
そうだ信仰は快楽だから、これらを持っていることや、これらに見られていることがとっても気持ちがいいんだ。

性欲とか食欲と同じくらいの一大欲求として、信仰の快楽だけを認識する場所が脳に備わっているんだと思う。
信仰がないと遺伝子が困るんだろうな、死が進化の必需品だから、気持ちよく死ねるように信仰が必要なんだ。人間が不老不死の知恵をつけた後もしっかり死ぬように。知らんけど。
さて今日も不思議がいっぱい。
あれはいい火の玉でした。

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